立浪、今江、松井稼頭央…PL出身監督が総崩れ…過去5人で成功者ゼロ、指導者に不向きな理由

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2024年06月04日 15:01  日刊サイゾー

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(写真/Getty Imagesより)

 スポーツ選手を出身校で語られたら、当人や関係者は迷惑かもしれないが、これだけ成功例が少ないと、やはり“適性”というものはあるのかもしれない。今シーズンのプロ野球は、中日・立浪和義、西武・松井稼頭央、楽天・今江敏晃と、PL出身の監督が3人もいたが、いずれも成績は冴えず、松井監督は先日、休養を発表。名門の名が泣いている。

「立浪、松井、今江の3人とも現役時代の実績はピカイチ。仲間の信頼は厚く、リーダーシップもあり、大いに期待されて監督になりましたが、現時点では3人とも合格点には程遠い成績しかあげられていません。立浪は2022年に監督に就任しましたが、2年連続最下位に終わり、これは球団史上初。今季は序盤に首位に立ち、汚名返上かと思いきやズルズルと負けが込み、現在は4位です(6月3日現在)。昨年から監督になった松井は、GW明けには早々に優勝争いから脱落して5位に終わり、今季は大きく負け越して、2年契約満了を待たずに事実上のクビに。今江は監督1年目ですが、5月の段階で首位から10ゲーム以上も離され、5月21日のソフトバンク戦では21対0で敗れる屈辱も味わいました」(週刊誌スポーツ担当記者)

 スポーツの世界は勝つ者がいれば負ける者もいるのが常。もちろん、ここから巻き返す可能性は十分にあるが、彼らの先輩を見ても、監督として成功した者はいない。

「PL出身監督は、立浪、松井、今江の他に尾花高夫(横浜 2010〜2011)、平石洋介(楽天 2018〜2019、※2018年はシーズン途中からの監督代行)がいますが、尾花は2年連続最下位、平石は1年目が最下位、2年目は3位でしたが契約満了で退任。いずれも寂しい結果に終わっています。2軍監督まで範囲を広げても、厳しい結果になっています。近年でいうと、片岡篤史(中日 2022〜2023)、サブロー(ロッテ 2023〜)、桑田真澄(巨人 2024〜)らが2軍監督をやっていますが、片岡は2年連続最下位、サブローは昨年最下位、桑田は現在5位と、いずれも低迷。ファームは勝敗にそれほどこだわらないとはいえ、片岡もサブローも勝率は3割台で、ちょっと負けすぎです」(同上)

 これだけの人数がいて、1軍だけでなく2軍でもダメとなると、いよいよ「PL出身は指導者には……」という声が出ても不思議ではない。PLは、これまで登場した5人の他に清原和博、宮本慎也、今岡真訪、福留孝介、前田健太などが卒業した高校野球の超名門校。甲子園で春夏あわせて7回も優勝を飾り、プロ野球選手が100人近く輩出していて、実績は申し分ない。それなのになぜ監督としてはダメなのか? ベテラン野球ライターは、その理由をこう推測する。

「PL出身監督の共通点は、彼らが極めつきの野球エリートだということです。PL全盛期の1980年代から90年代、スカウティングは全国に及び、入部が許されたのは全国各地の天才野球少年ばかり。その中でレギュラー争いを勝ち抜き、プロでも成功して監督までたどり着いた人間は、野球に関して挫折を知りません。監督という立場になり、“何でこんな簡単なことができないの?”という思いを抱えているに違いありません。また、PL時代の異常に厳しい寮生活の経験も、監督で上手く行かない一因かもしれません。PL野球部はとにかく厳しいことで知られ、清原和博は『1億円もらっても1年生には戻りたくない』と言ったほど。PLのOBがバラエティ番組で語る『先輩には“はい”と“いいえ”以外、許されない』『目覚まし時計の鐘が鳴る前に起きなくてはいけない』といったエピソードを耳にしたことがあるでしょう。絶対的な上下関係で育った彼らでも、今やそんなやり方が許されないのは百も承知ですが、若手選手とのコミュニケーションに苦労しているように見えます。立浪は厳しすぎてベンチから笑顔が消え、選手が萎縮しているように感じますし、松井は優しすぎてベンチから緊張感が失われました。根っこまでしみついた“先輩には絶対服従”という感覚とどう向き合うかが、指導者としての成功のカギでしょう」

 今やPL野球部は廃部となったが、“PL魂”を見せられるか。

このニュースに関するつぶやき

  • リーグ優勝の経験がある監督の最終出身校を全部上げたら傾向とかあんのかね?PL出身監督の今季の成績が悪くて薄い分析しただけに見える。山本由伸一人いたらPL関係なく相当勝率上がるよ苦笑
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