2024年の台風接近数は8月から平年より多い傾向 夏前半に少なくても油断しないで

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2024年06月04日 15:20  日本気象協会

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日本気象協会

2024年の台風接近数は8月から平年より多い傾向 夏前半に少なくても油断しないで

日本気象協会は、2024の台風の見通しを解析しました。日本気象協会独自の予報モデルでの解析によると、2024年の台風は、発生数は7月〜8月は平年並みか少ない予想で、9月から10月は平年並みの予想です。また、本土への接近数は、7月までは平年並みか少ない予想ですが、8月から10月は平年並みか平年より多い予想です。



●2024年 台風の発生数


6月に入り、本格的な夏に入り始めました。
日本気象協会が独自の予報モデルで解析した2024年の台風の見通しによると、2024年の台風の発生数は7月〜8月は平年並みか少なく、9月から10月は平年並みと予想しています。

昨年の春から続いているエルニーニョ現象は、終息に向かっています。
今後、夏にかけては、エルニーニョ現象終息後の特徴として、インド洋の海面水温が高い状態が続く予想です。それに伴い、インド洋で積乱雲が活発に発生しやすい一方、台風の発生域である西部太平洋熱帯域では、台風の元となる積乱雲が発生しにくいと予想されています。

秋にかけては、ラニーニャ現象へ推移していく可能性が高く、インド洋の海面水温が下降し、西部太平洋熱帯域で海面水温が上昇すると予想されます。それに伴い、西部太平洋熱帯域では積乱雲の発生が活発化し、台風の発生が増えると予想されます。

上記の理由から、2024年の台風の発生数は8月まで平年並みか少なく、9月以降は増えて平年並みとなるでしょう。


●2024年 台風の本土への接近数


2024年の台風の本土への接近数について解説します。

台風は、太平洋高気圧の縁を回って日本付近に近づく特徴があります。
2024年夏は、太平洋高気圧が南海上を中心に強いため、台風は太平洋高気圧の縁に沿って、西日本回りで日本付近に近づきやすいと予想されます。
このため、8月は台風発生数は多くないものの、発生すれば本土に接近しやすくなるでしょう。
9月以降は、台風発生数が増えることに加え、太平洋高気圧の後退が遅くなる見通しのため、発生した台風が本土に近づきやすい予想となっています。

このため、2024年の台風の本土への接近数は、7月までは平年並みか少なく、8月から10月は平年並みか平年より多くなるでしょう。

※本土:本州、北海道、九州、四国


●ラニーニャ現象発生時 秋の台風の傾向


2024年秋にかけて、ラニーニャ現象が発生する可能性が高くなっています。

ラニーニャ現象発生時の秋の台風の傾向として、台風の発生位置が平常時に比べて西にずれる傾向があります。また、太平洋高気圧の勢力が日本の南海上で強く、台風は高気圧に沿って北上する傾向にあるため、通常より多く日本に接近しやすくなります。
日本列島に近いところで台風が発生し、発生から日本への接近・上陸までの期間が短くなる傾向があるため、台風情報のこまめな確認が必要です。

ただし、台風の発生から消滅までの寿命が短くなる傾向にあります。


●台風シーズン前に ハザードマップを確認


台風シーズンが始まる前に ハザードマップや避難場所を確認しておきましょう。

ハザードマップは、国土交通省や各自治体のホームページなど、インターネットからハザードマップを入手することが可能です。ハザードマップは随時更新されますので、定期的に確認するようにしましょう。
ハザードマップからは、家の周辺で浸水(河川浸水・高潮浸水など)の可能性がある場所や、土砂災害(崖崩れ・土石流・地すべりなど)の危険性の高い場所を把握することができます。
また、自宅付近の避難場所(指定緊急避難場所)を確認しておきましょう。避難場所は災害の種類によって異なります。「浸水や土砂災害の場合の避難場所」をしっかり確認するようにしてください。

さらに、避難場所までの避難経路を知っておきましょう。河川が増水した場合や高潮・高波でも安全に避難できるか確認してください。
周辺地域で過去に起きた災害を把握し、起こりやすい災害を知っておきましょう。


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