NISAで損切りする投資家も……暴落時の対処法とは?

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2024年06月05日 09:01  日刊SPA!

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マネックス証券、マネックス・ユニバーシティ室長で、日本テクニカルアナリスト協会国際認定テクニカルアナリストの福島理さん
 3月には日経平均株価がバブル期最高値を更新し、史上初の4万円も突破。ところが4月以降、日経平均株価は急落。2024年から新NISAを始めた人も多数いるなか、SNSでは「NISA損切り民」という言葉も生まれ、厳しい局面を迎えている。
 日本株は高値を付け、このまま調整・下落してしまうのか? NISAはどのような対応を取ればいいのか?

『1時間でマスター!マンガと図解でわかる 新NISAの教科書』などの著書を持ち、マネックス証券、マネックス・ユニバーシティ室長で、日本テクニカルアナリスト協会国際認定テクニカルアナリストの福島理さんは次のように説明する。

◆なぜ日経平均株価は4万円を割ったのか?

「3月まで日本株は急ピッチで上昇してきたので、一時的な調整は仕方ないでしょう。また、米国は年内に利下げがあるだろうと見られていましたが、米景気の堅調さから米国の利下げ観測は後退し、米長期金利は上昇。加えて、中東情勢の緊迫化や原油高などが重なり米国株が下落し、日本株も連動して下がったという流れが起きました。

 例年、4月から5月はゴールデンウィークの長期休暇の影響や、3月本決算の発表で為替相場も株式市場も荒れやすい傾向があります。

 また、昨今の想定以上の円安は日銀の早期追加利上げを促し、株式市場には優しくありません。これらの要因から4月以降、日経平均株価は急落し、調整局面を迎えています」

 2024年3月期の決算がほぼ出揃い、国内上場企業の純利益は3期連続で過去最高を更新した。

「決算は全体的に非常に良好でしたが、2025年3月期の純利益は前期比4%減と減益予想となっています。これをもとにした現在の日経平均株価の予想PERは16.5倍程度なので、減益予想とはいえ、割高というほどではありません。短期的な下落にはいったんは終止符を打ったと見られます」

◆積立投資は株価が安いときこそチャンス

 この一時的な下落で、NISAで買っていたものを損切りした人もいるようだが、福島さんは「積立投資を止めるのは得策ではありません」と指摘する。

「相場というのは上昇・下落を繰り返すものです。今後も世界中の各企業が新しい価値を生み出し、それが株価に反映されます。資本主義のサイクルが続く限り、長期的に株式市場は上昇が期待されます。今回のような短期的な急落や調整局面において、投資を止めるのは得策ではありません。

 特に積立投資においては、定額で購入することができ、ドルコスト平均法が効きます。

 ドルコスト平均法とは、『変動する投資対象を常に同じ金額で定期的に購入する』という投資手法のこと。これにより、株価などの価格が高いときには少なく、低いときにはより多くを購入することができます。

 ドルコスト平均法のメリットは、平均購入コストを引き下げることができる点です。よって、高値掴みになるリスクが小さく、逆に下値ではたくさん拾えるため、失敗する可能性が低い投資ができ、特に長期間の積立投資で効力を発揮します。長期投資家にとっては株価の下落さえも歓迎すべき材料となるわけです」



◆長期の積立投資は途中で止めず、継続していくことが大事

 世界経済は常に動いており、時として大きな株価下落に巻き込まれることもある。株価が大きく値下がりしてくると、投資意欲が損なわれ、つい積み立てを中断してしまいがち。だが、長期積立投資を基本とするNISAでは。株価が安いときこそチャンスでもある。

「目先の株価の変動に一喜一憂するのではなく、将来にわたってコツコツと確実に積み立てていくことこそが重要なのです。過去には、リーマンショックやコロナショックといった株式市場の急落局面がありました。「こんなに下がっているのだから怖くて買えない」という気持ちも
わかりますが、ここで積み立てをやめてしまっては、長期積立投資のメリットが生かせません。実際、ここで安く買っておけばのちに大きなリターンに変わるわけです」

 積立投資では、「休まないこと」が成功の秘訣。株価が安いときこそチャンスと考え、NISAを継続したいものだ。

<取材・文/日刊SPA!取材班>

【福島 理】
(ふくしま・ただし)マネックス証券、マネックス・ユニバーシティ室長。日本テクニカルアナリスト協会国際認定テクニカルアナリスト。金融リテラシー向上のための教育活動に従事。テレビ、ラジオのほか、雑誌やWebでコラムを執筆。著書に『1時間でマスター!マンガと図解でわかる 新NISAの教科書』(扶桑社)、『勝ってる投資家はみんな知っている チャート分析』シリーズ(扶桑社)がある。

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  • NISAで損切りというパワーワードw ネタかと思ってると本当にやってる人もいるらしいから笑えるw 長期投資の意味全くわかってないw
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