Q. 雨の日は必ず頭痛がします。「低気圧頭痛」は治せますか?
Q. 「雨の日は必ず頭痛がします。梅雨時は毎年調子が悪くなりますし、台風シーズンはもっとつらいです。いわゆる『低気圧頭痛』というものだと思いますが、治す方法はあるのでしょうか?」A. 鎮痛剤などの対症療法が中心。バランスのよい食事を心がけることも有効です
「低気圧頭痛」は正式な医学的病名ではありませんが、たしかに天候によって症状が出たり、持病が悪化したりする例は多く報告されています。いわゆる「気象病」というものの一種で、医学的には「慢性頭痛」となります。人によって起こる症状はさまざまですが、共通の原因として考えられるのは、「気圧の低下による自律神経の乱れ」です。気圧の低下は、身体のバランスや聴覚に関係する内耳の気圧センサーで感知され、交感神経を優位にします。交感神経は痛みにも関与しているため、頭痛が起こりやすくなると考えられています。
自律神経の乱れをすぐに治すことは残念ながら難しく、頭痛を緩和する対症療法がメインになります。自分にあう鎮痛薬を探し、準備しておきましょう。乗り物の酔い止め薬のような、内耳に作用する薬が有効な場合もあります。
症状が軽いうちに自分に合った薬を服用する他、事前に雨や台風が来そうだとわかる日はスケジュールを詰め込み過ぎないようにするなど、日常生活の負担を減らすのもいいでしょう。ストレスもまた交感神経を優位にして頭痛を悪化させてしまいますので、なるべく楽に過ごせる工夫をしてみましょう。
また、自律神経を整えるという意味では、バランスのよい食事も大切です。即効性はありませんが、ビタミンB群、ビタミンC、亜鉛、マグネシウム、鉄などを含む食事を、普段から積極的に摂ることをおすすめします。
|
|
清益 功浩プロフィール
小児科医・アレルギー専門医。京都大学医学部卒業後、日本赤十字社和歌山医療センター、京都医療センターなどを経て、大阪府済生会中津病院にて小児科診療に従事。論文発表・学会報告多数。診察室に留まらず多くの方に正確な医療情報を届けたいと、インターネットやテレビ、書籍などでも数多くの情報発信を行っている。(文:清益 功浩(医師))