痛恨スピン、予選61番手の小林可夢偉「決勝で最善尽くす」トヨタ勢はハイパーポール進出ならず/ル・マン24時間

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2024年06月13日 13:20  AUTOSPORT web

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8号車トヨタGR010ハイブリッド(トヨタ・ガズー・レーシング) 2024年WEC第4戦ル・マン24時間
 6月12日、WEC世界耐久選手権第4戦『第92回ル・マン24時間レース』の予選セッションが行われ、TOYOTA GAZOO RacingのトヨタGR010ハイブリッドは8号車が11番手、7号車が61番手となり2台ともにハイパーポール・セッション進出を逃す結果となった。

 予選の前後に2回のフリープラクティスが行われた現地水曜日。TOYOTA GAZOO Racing(TGR)は9日日曜のテストデーのあと2台のマシンを組み立て直し、この“予選1日目”に臨んだ。

 曇り空となった12日の14時から3時間にわたって実施されたプラクティス1で、TGRチームは決勝レースを見据えたセットアップの最適化と、予選のためのワンラップ・アタックへ向けた準備を進める。そのなかでホセ-マリア・ロペス/小林可夢偉/ニック・デ・フリース組7号車が5番手、姉妹車でセバスチャン・ブエミ/ブレンドン・ハートレー/平川亮組の8号車はトップタイムをマークした。

 続く予選は19時からスタート。翌13日木曜に行われるハイパーポールに進めるのは各クラス上位8台のみ。全62台のマシンがこの1時間のセッションで各々タイムアタックを行うため、コース上のトラフィックをいかに避けるかが大きなポイントとなった。

 23台で争われるハイパーカークラスを戦うトヨタは、可夢偉が7号車のステアリングを握り8号車はハートレーがアタックを担当することに。2台のトヨタGR010ハイブリッドは他の車両よりもやや遅れて、ソフトタイヤを履いてコースインすると可夢偉の7号車はトラフィックに遭遇することなくアタックすることができ、その時点での暫定トップに立った。

 各車がさらにラップタイムを伸ばしていくなか、セッション開始から20分が経過した時点で7号車が3番手、トラフィックの影響を受けたハートレーの8号車は他車に押し出される形でトップ8圏外へと後退する。

 ピットイン後、ミディアムタイヤに履き替えてふたたびアタックに入った8号車だったが、またしてもトラフィックに引っかかり上位のタイムを残せず。最終スティントではスピンする場面もあったハートレーは、その後もタイム更新が叶わず12番手で予選を終えることとなった。

 一方の7号車は4番手につけた状態でセッション終盤へ。可夢偉はさらなるタイムアップを目指しアタックを実施するも、カーティングコーナーでスピンを喫しコースアウト。幸いバリアへの接触は免れたもののグラベルにスタックしてしまい動き出せず。このアクシデントにより赤旗が提示され、予選はそのまま終了となった。

 7号車は赤旗の原因を作ったとして、WECのスポーティング・レギュレーション10.2.4に基づいて全ラップタイムが抹消に。順位としては61番手、決勝はハイパーカークラスの最後尾からスタートすることとなった。8号車は順位がひとつ繰り上がり11番手となったが、こちらも0.301秒差で上位8台がポールポジションを争うハイパーポール進出を逃している。

 予選後の現地22時、プラクティス2回目がナイトセッションとして行われた。ここでは軽微な修復と砂利の除去などでガレージに留まり、セッション開始から25分ほどしてから走行を開始した7号車が9番手、姉妹車の8号車はブエミのドライブでトップタイムをマークしている。

 決勝レースへ向けた準備作業はハイパーポールが実施される13日木曜も継続され、さらに2回のプラクティスを経て15日(土)の決勝レーススタートを迎えることとなる。

■「とてもがっかり」「準備は着実に進んでいる」/TGRドライバーコメント

●小林可夢偉(チーム代表兼7号車ドライバー)

「予選はうまく行きませんでした。パフォーマンスという面ではとても良かったのですが、残り2分というところで私がコースオフを喫し、赤旗中断となってしまいました。全周回のラップタイムが抹消されたことで、ハイパーポール進出は叶わず、ハイパーカークラスの最後尾グリッドからのスタートとなり、非常に厳しい状況ではありますが、仕方ありません」

「決勝レースは長いですし、最善を尽くします。クルマにはとても満足していますし、予選でのラップタイムも競争力があるものだったので、週末は良い結果が出せることを期待しています」

●ホセ・マリア・ロペス(7号車ドライバー)

「浮き沈みの激しい一日だったが、練習走行ではいくつか良い手応えも得られた。クルマの感触はとても良く、とくに夜間走行で快調です。我々のGR010ハイブリッドは予選でも速く、可夢偉が素晴らしい走りを見せてくれたが、残念な結果になってしまった。とは言え、正直なところそんなに大きな影響はない。誰もがハイパーポールを目指しているけれど、とても長いレースですので何も心配していないし、失望もしていない。決勝が楽しみだよ」

●ニック・デ・フリース(7号車ドライバー)

「夜間走行のセッションは順調で、全員が必要な走行をこなすことができた。メカニックが素晴らしい仕事でクルマをふたたび走れるようにしてくれたので、予定していたプログラムの大半を完了できた。競争力はかなり高いと思う。いくつか異なるセットアップを比較したが、決勝レースへ向けた準備としては正しい方向へ進んでいると感じている」

●セバスチャン・ブエミ(8号車ドライバー)

「良いクルマであっただけに、ハイパーポールを逃すことになり、残念な一日になってしまった。無論、練習走行2回目では予選のことは忘れ、セッションを最大限に活かすべく努力したよ。ル・マンでまた夜間走行ができるのは嬉しいし、決勝へ向けた準備は着実に進んでいる」

●ブレンドン・ハートレー(8号車ドライバー)

「ハイパーポール進出を逃し、11番手という結果に終わったことにとてもがっかりしている。最初のアタックラップでうまく行かず、周回の終盤に他の車両に引っかかってしまった。結局そのあとタイム更新はならず、最初のそのラップが僕のベストだった」

「その後もコース上のトラフィックに苦しみ、ミスしスピンしてしまった。運に恵まれず、クリーンなラップを得られなかったけれどこれもレースだし、他のドライバーも皆同じような経験をしてハイパーポールに進出するはずだった、と思っているだろう。今は気持ちを切り替え、決勝レースへ向けて集中するだけだ。クルマは競争力があると思うので、全力で戦うよ」

●平川亮(8号車ドライバー)

「今日はいくつかの点で難しい一日になりましたが、クルマの感触はとても良く、今大会初の夜間走行も順調でした。異なる仕様のタイヤを試しながらロングランを実行し、タイヤについて理解を深めました。予選のことは忘れて決勝へ向けての準備に専念しています。セットアップをさらに改善して、週末へ向けた完璧なプランが立てられることを期待しています」

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