「一人暮らし未経験の男性」が陥りやすい失敗とは…“子供部屋おじさん”が婚活で不利になる納得の理由

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2024年06月13日 15:51  日刊SPA!

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 こんにちは。結婚相談所「マリーミー」で代表を務める植草美幸です。設立15年、累計約1000組のカップルを成婚に導いてきました。
 今年2月に放映された、『ザ・ノンフィクション』(フジテレビ系)での特集をご覧になられた方もいらっしゃるでしょうか。番組の内容は、当社の婚活中の会員の方々に密着したもので、大変な反響をいただきました。

 本連載では、特に男性向けの恋愛や婚活のノウハウを、婚活最前線の現場からご紹介いたします。もしあなたがモテたいと思うなら、結婚したいのならば。実績に裏打ちされた自信がありますから、覚悟してついてきてくださいね。

◆“子供部屋おじさん”の定義は?

 今回取り上げるテーマは、ずばり“子供部屋おじさん”。つい先日、「ABEMA Prime」による特集でも話題になっていましたね。

 同社が放送する「報道リアリティーショー ABEMA Prime」内では、“こどおじ(おば)”の定義を以下のように紹介しています。

社会人になっても親元を離れず
実家の子ども部屋に住み続ける
中年の独身男(女)性のことを指す
ネットスラング*

 ただ、「実家暮らし」と一口に言っても、その背景は千差万別。「介護のため」「離婚後の子育てのため」など、いわゆる“パラサイト”シングルではない事情の人も数多くいて、世間で批判に晒されがちな“こどおじ”とは状況が大いに異なります。

 そこで本記事では上記引用の内容にくわえ、「精神的に自立できておらず、生活面や経済面で親の支援に甘えている」という要素も含む人たちのみを、“子供部屋おじ(おば)さん”としたいと思います。

◆あなたは精神的自立ができている? それともこどおじ?

 先日お送りした「医者なのに結婚できない男性」の回では、“マザコン問題”について触れましたが、本日のテーマも原因は同根です。

 決して、「実家に住んでいる」ことそのものが、女性から敬遠されてしまうのではありません。実家に住み続けていることによって、狭い常識が更新されないままであったり、家事や家計管理への無自覚な甘えがあったり、精神的な共依存に近い状態となってしまうことで、女性が「NO」となってしまうのです。

 たとえば、家事を担ってもらっているにもかかわらず、家計に入れるお金が実費のみになってはいないでしょうか。排水溝やトイレの掃除を躊躇なく行えるでしょうか。調理器具やタオルなどの寿命を考えたことはあるでしょうか。などなど……。

 一人暮らしを経験しないままだと、どうしても生活に対する解像度が低いままになってしまいがちです。その解像度の低さゆえに、本人は「実家暮らしは合理的選択をしているだけで、自分は働いているし自立している」と思うものの、実態は親に「おんぶに抱っこ」してもらったままであるケースがほとんどです

 とくに、社会人になってもなお「◯◯ちゃん」と、お母様から“ちゃん付け”で呼ばれていたら、かなりの危険信号! 精神的な親離れ・子離れへの意識が備わっていないから、母親からのちゃん付けに抵抗感や疑問を抱くことがないのだと言えるでしょう。

◆女性は「母親との距離の近さ」がネックになりにくい

 もっとも、私の相談所では女性会員の方がお母様との距離が近かったり、箱入り娘として扱われ続けてしまった方が多くいらっしゃいます。けれども女性会員の場合には、そのことが婚活に悪影響を及ぼすことが少ないのです。

 考えられる理由は2点あります。ひとつは、「嫁入り」文化が大きく廃れた現代においても、「嫁姑問題」はまだまだ多発するものであるため、「家族との距離感」を注視する女性が男性よりも多いこと。

 女性が家族との距離が近くても、多くの男性視点ではむしろ「家族仲がいい」「家族思い」と、良く言えばのほほんとピュアに受け止めるだけです。悪く言えば「精神的自立への危機感」を持つことが稀なのです。

 もう一点は、家事への危機感の大小。共働きを前提として相手を探す人が男女ともに多いなか、女性は「私も同じように働いたり子育てしたりするのに、妻だからと家事を全面的に押し付けられては困る」との警戒心が強いゆえかもしれません。

 この男女における非対称性の是非の問題もありますが、ここでは一旦措いて、現状に即した対策を、エピソードを介して考えていきましょう。

◆息子を“夫”扱いしてしまうケースも

 実家暮らしながらもミドサーにして、年収2000万円の元男性会員の事例をご紹介します。彼は、見た目やコミュニケーション能力については程々でしたから、住まいの点で減点されてしまっても、お見合いや仮交際は難なく成立していきました。

 しかし、仮交際から進展できないのです。結婚相談所での仮交際とは、一般社会での「交際前のデート期間」に相当するもの。つまり、数回のデートで見切りをつけられてしまう状態が続いていました。

 原因を探らねばとカウンセリングを行っていたところ、耳を疑う発言が。

「昨日スーパー銭湯へ行く前に、お母さんに3,000円渡してもらったときのことなんですけど〜……」

 なんとお財布の管理をお母様に任せていました。しかも三人称としての母、母親の呼称が「お母さん」。まったく恥ずかしげもなく、当然のこととして、話してしまうのです。

 食事の用意や洗濯に掃除など、基本的な家事もお母様に頼りきりとはもともと聞いていたので、「家事への意欲は持ってください! そして意欲を持っているとアピールして」とアドバイスをしていましたが、これでは焼け石に水。

 名のある家事をしているしていない以前に、大人としての境界線を越えた世話を焼かれていることに一切の自覚がありません。デート中の会話でも、こうして墓穴を掘ってしまっていたのでした。

 専業主婦として、長年お父様を支えてこられたお母様。夫に先立たれてしまったことで、ケア対象が息子へと移行してしまったようです。

 けれど、夫婦関係と親子関係は別物であり、親の立場としては子の自立を促す必要があります。「息子さんの結婚を応援したいなら、もう息子さんのことを放っておいてください」と、お母様にお伝えしました。

◆実質“子供部屋住まい”? 週末は実家で毎週過ごす50代

 次に紹介するのは、会社の「寮住まい」のアラフィフ男性。私の元に来るまで、8年間お見合いすらまともにできていなかった方のケースです。

 寮住まいのため、厳密には“こどおじ”ではないのですが、金曜に仕事を終えるとその足で実家へ帰り、週末すべてを子供部屋で過ごす。いわば「週末婚」ならぬ、「週末子供部屋おじさん」状態となってしまっていました。

 アラフィフともなると、親御さんも80歳前後になります。生活を助けたり、一緒の時間を大切にするためというのであれば、美談にもなる年齢かもしれません。けれど、実態としては反対です。

 この方は、自分で食事を用意したことがありませんでした。平日は寮で食事が提供されるものの、週末は用意されない。だから実家へ毎週帰る生活をずっと続けていたのです。

 そこで「毎週帰るのはそのままでいいから、料理を『用意してもらう』のではなく、『教えてもらって作る』ようにしましょう」と提案しました。

 お母様にも男性経由で、「このままの生活を続けていたら、結婚はできない」とお伝えしたからか、過干渉ぶりが改善されましたし、料理の腕もめきめきと成長。成婚はまだですが、彼の未来は明るいと感じています。

◆「料理能力」は「女子力」ではなく「生活力」

 今、大人だけの1〜2人暮らしの生活では、自炊は必ずしも節約にはなりません。ですが、「日々食事を用意する労力」を実体験として知っているかどうかは、結婚相手として非常に大きなポイントとなります。

 女性の場合は、料理能力の有無で「女子力」だなんだと、外野から勝手にジャッジされてしまう現状が、残念ながら今もなお残っています。だからこそ、「料理ができない」「料理が苦手」だとしても、婚活の上ではウィークポイントになりうることに自覚的なのです。

 それが男性だと、「料理ができない」ことがマイナスポイントになることをわかっていない方が多い。ですから、その認識をまず持ってもらうための指摘から始めることも少なくないのです。

「料理能力」は「女子力」ではなく、「生活力」。女性が働くことが普通のことになった社会では、経済力も生活力の一部として判断されるに過ぎません。さまざまな要素を含んだ総合的な「生活力」の高さこそが、男女ともに求められている時代なのです。
 
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 “こどおじ”が恋愛や婚活の場で忌避されてしまうのは、「精神的自立」が果たせておらず、ひいては「生活力が低い」ことが大半ゆえです。

 一方で多くの方が「実家に住み続けているけど、精神的に自立しているし生活力もある!」と信じてしまっています。ほとんどの場合、一般的な基準にはおおよそ到達しておらず、主観と客観的評価に乖離があるだけなのですが……。

 あなたに恋愛したい、結婚したい思いがあるのなら、一人暮らしへの挑戦からはじめることをおすすめします。向上した「生活力」が好感度アップに繋がることはもちろん、暮らしのなかでのちょっとしたトラブルも、共通の話題にできますから。

<TEXT/植草美幸>

*……「【実家暮らし】甘えてるだけ?実は最強説も?子ども部屋おじさんと揶揄も?32歳独身男性と考える」(ABEMA Prime)より引用

【植草美幸】
結婚相談所マリーミー代表取締役、恋愛・婚活アドバイザー。 1995年にアパレル業界に特化した人材派遣会社エムエスピーを創業。そこで培ったマッチング能力・人材発掘力を生かし、2009年に結婚相談所マリーミーを設立。日々カウンセリングを行いながら、セミナーの開催、テレビやラジオへの出演など幅広く活動中。著書に『ワガママな女におなりなさい 「婚活の壁」に効く秘密のアドバイス』(講談社)、『モテ理論』(PHP文庫)など

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  • 『三人称としての母、母親の呼称が「お母さん」』‥‥中年独身男を悪し様に言いたいのは分かるが、街頭インタビューでは今や老若男女問わず大半がそうだぞ。母親を「お母さん」と呼び、家事も全任せ…“子供部屋おじさん”が婚活女性から敬遠される納得の理由 (日刊SPA! - 06月13日 15:51)
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