ル・マン決勝に向け準備万端。トヨタ、小雨降るFP4を首位で締めくくる「この経験は役立つと思う」

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2024年06月14日 12:30  AUTOSPORT web

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7号車トヨタGR010ハイブリッド(トヨタ・ガズー・レーシング) 2024年WEC第4戦ル・マン24時間
 WEC世界耐久選手権に参戦しているTOYOTA GAZOO Racing(TGR)。7号車と8号車、2台のトヨタGR010ハイブリッドで通算6度目のル・マン24時間レースの総合優勝を狙うトヨタチームは、6月13日(木)に行われたプラクティス3回目と同4回目で事前の走行プログラムを終了し、15〜16日に行われる決勝レースに向けた準備を整えた。

 WECの2024年シーズン第4戦として行われる第92回ル・マン24時間レースは、木曜日にフリー走行の3回目と4回目、さらにその合間に最終予選“ハイパーポール”が実施された。

 前日の予選セッションで、セバスチャン・ブエミ/ブレンドン・ハートレー/平川亮組の8号車が11番手、ホセ-マリア・ロペス/小林可夢偉/ニック・デ・フリース組7号車はコースアウトによって赤旗の原因となったため、すべてのラップタイムが抹消されハイパーカークラスの最後尾となる23番手からスタートすることが決まり、いずれもポールポジション以下、上位8台のスターティンググリッドが決定するイパーポールには進出できなかったトヨタ。

 しかし、TGRチームは決勝レース前に車両セットアップの調整や戦略立案などをコース上で行える最後の機会として2回のプラクティスを最大限に活かし、15日土曜に迎える決勝レースへの準備を進めた。

 レースウイーク3回目のプラクティスは気温20度の曇り空の下、3時間にわたって行われた。TGRはここではロングスティントに重点を置き、2種類のタイヤコンパウンドおよび異なる車両セットアップの比較などを実施。2台のトヨタGR010ハイブリッドは充実したプログラムをこなすことができ、最終的に3分27秒803というタイムを記録した7号車が5番手、姉妹車の8号車は3分28秒642で8番手となった。

 ハイパーポールを挟んで行われたプラクティス4は、レースウイーク2度目となる夜間走行セッションとして、予定よりも30分遅れの現地22時半にスタートした。1時間の同セッションでは序盤に小雨が降りはじめ、この時にハートレーが記録した8号車のタイム3分29秒451が最後まで更新されることなくトップタイムに。7号車はロペスが最初のスティントでマークした3分30秒184というタイムで10番手。なお、同セッションでは上位11台が1秒以内の僅差で並んでいる。

 9日日曜のテストデーを皮切りに、サルト・サーキットではここまで16時間にわたる走行が行われてきた。トロフィー奪還を狙うTGRチームはこの間に決勝レースへ向けた計画を立てるためのデータと経験を蓄積してきた。14日金曜は走行はないものの、チームはこれらの得られたデータを活かしたレース戦略を練るとともに、メカニックはGR010ハイブリッドをシーズン最長のレースへ向け、クルマを最高の状態に仕上げるべく入念な整備を行うこととなる。一方、ドライバーたちはル・マン市街地で行われるドライバーズパレードに参加する予定だ。

 丸一日かけて争われる決勝は15日土曜16時(日本時間23時)にスタートが切られる。この際、101周年となる今大会のグランドマーシャルを務める中嶋一貴TGRヨーロッパ副会長はスターティンググリッド、およびスタートセレモニーで重要な役割を果たすこととなる。

■「雨が降る可能性」「感触はとてもいい」/TGRドライバーコメント

●小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車ドライバー)

「今日はとても好調でしたが、スターティングポジションを考えれば、決勝レースは厳しいものになるでしょう。いつもと同様に上位争いを目指しますが、そのためには多くの努力と少しの運、そして、すべてを完璧に進めることが必要です。ル・マンはつねにチャレンジングで、何が起こるかわかりません。このビッグレースへ向け充分に準備を整え、戦うだけです」

●ホセ-マリア・ロペス(7号車ドライバー)

「練習走行でのプログラムをすべて終えたので、あとは決勝日を待つだけ。ここ数日、ハードワークを続けてきたので、ついに決勝レースを迎えることになって嬉しいよ。GR010ハイブリッドの感触はとてもいいので、自信がある。ル・マンはつねに難しいレースであり、集中力を切らさずに着実に計画を遂行していく必要があるんだ。すべてのハイパーカーが非常に接近しているので、チャレンジングなレースになるだろう」

●ニック・デ・フリース(7号車ドライバー)

「練習走行でクルマのセットアップやタイヤ比較など、すべてのプログラムをこなし、決勝レースへ向けた準備は順調だ。多くの周回を重ねてきたことで、決勝レースへの準備に必要な情報はすべて揃った。長いレースだし、エキサイティングな戦いになると思う。僕にとってTGRのハイパーカーで戦う初のル・マンがどんなになるのか、楽しみだ」

●セバスチャン・ブエミ(8号車ドライバー)

「ハイパーポールに入れなかった悔しさを忘れて、決勝レースへの準備に集中した。目標はクルマのセットアップを可能な限り完璧に仕上げることだった。最後のセッションでは小雨の中を数周走ることになったが、決勝レース中に雨が降る可能性もあるので、この経験は役立つと思う。信頼性は問題ないし、決勝レースではとにかく全力でプッシュし、上位を争いたい」

●ブレンドン・ハートレー(8号車ドライバー)

「今日の2回の走行セッションはとても順調だった。ハイパーポールに出られなかったため、余計なことを考えずに決勝へ向けた準備に集中できたのかもしれない。とても有意義な一日で、決勝レースで充分に戦える手応えを感じている。我々のクルマは最速ではないが、5つか6つのマニュファクチャラーと僅差で争っている。最高のレースに参加していると感じているよ。あとは、我々がこれまでに培ってきたすべての経験を活かしてまとめ上げ、戦うだけだ。ベストを尽くすよ」

●平川亮(8号車ドライバー)

「コース上での作業はすべて完了し、決勝レースへ向けた準備は整ったと感じています。もちろん、厳しいレースになることは間違いありませんが、戦う準備はできており、好結果を目指し全力で挑みます。天候がやや不安定な予報なので、変化するコンディションにも臨機応変に対応できるよう備えておく必要があります。リスクマネジメントが重要な要素になるでしょう。決勝レースが楽しみです」

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