サリーン、水素エンジン車でのル・マン復帰を計画中。数年以内にロードカーを生産へ

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2024年06月15日 14:30  AUTOSPORT web

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スティーブ・サリーン(左:サリーン社創業者)とエリック・ブドー(右:GCKグループ会長)
 スティーブ・サリーンは、彼の名を冠したブランドがACOフランス西部自動車クラブの新しいレギュレーションに沿った水素エンジンを搭載するプロトタイプで、伝統のル・マン24時間レースに復帰する可能性があることを明らかにした。

 第92回ル・マンのレースウイークの木曜日、サルト・サーキットの一角に置かれたハイドロジェン・ビレッジ(水素村)において、サリーン・オートモーティブがGCKグループ傘下のソリューションF社とパートナーシップを締結したことを発表した。ソリューションFは、スーパーカーを含む将来のサリーン・ロードカー用に内燃式水素パワートレインを開発する。

 このフランス企業がモチュール社の支援を受けて開発したV型6気筒のツインターボエンジンは、水素とガソリン、さらに合成燃料を使用する能力を持つ。

 水素を動力源とするサリーン社のロードカーのデモカーは「数年後」の生産に先立ち、2024年第4四半期までには完成する予定だ。

 また、2010年のル・マンでラルブル・コンペティションのキャンペーンによってGT1クラス優勝を飾ったサリーンS7-Rを代表とするサリーン社は、新しい水素自動車でレースに参戦する意向を表明した。

 彼は、それが初のアメリカ製水素スーパーカーになると宣言した。

「私たちがサーキットにいるのには理由がある」と語ったサリーン。

「もちろん、レースカーの計画もある。レースはサリーンのDNAの一部であり、ル・マンはその代表的な推進者のひとつだ」

「ハイドロジェン・ビレッジがここにあることは、明らかに未来のレースが本当にどこにあるのか、それを示すすべての意味がある」

 Sportscar365から将来の取り組みのスケジュールについて尋ねられたサリーンは、次のように答えた。「ルールがどのように発展し、どれだけ早くクルマを導入できるかを見守る必要がある」

「ロードカーはおそらく、あと2、3年先になるだろう。デモカーは今年の年末までには完成する予定だが、実際に誰かが購入して毎日乗れるような市販車を作るには、すべての認証要件をクリアするのに時間が掛かる」

「排ガスだけでなく、衝突、エアバッグの展開、ヘッドライト、テールライトなど、自動車製品を市場に出すために必要なすべてのことをクリアする必要があるんだ」

 なお、サリーン・オートモーティブがACOの水素に関する技術作業部会に参加しているかどうかは分かっていない。

 6.2リッターV8ターボエンジンを搭載するソリューションFの自作水素レーシングカー『フェニックスH2』は、同じく水素エンジン搭載車であるアルピーヌ・アルペングローHy4やリジェJS2 RH2などのプロトタイプとともに、101周年を迎えたル・マン24時間のレーススタートに先立ち、土曜日の12時30分からサルト・サーキットをデモ走行する予定だ。

 GCKグループのエリック・ブドー会長は次のように述べた。

「ソリューションFの創設者であるエリック・シャントリオーと彼の技術チームがエンジン分野で培った40年近い経験は、GCKグループの水素戦略の展開において重要な財産となる」

「私たちは工業生産にスケールアップし、サリーンのような一流メーカーと水素に関する技術的専門知識を共有しながら、史上初のデュアル燃料スーパーカーの開発に参加できることを誇りに思っている」

 ACOは15日金曜に行われた年次記者会見において、ル・マン24時間における水素クラスの導入を2028年に延期することを発表した。延期のアナウンスは4回目、このクラスは当初2024年に開始されるとものとされていた。

このニュースに関するつぶやき

  • 電気よりも水素の方が使い勝手は良いと思いますけど、そうなるとエンジンが得意な日本車が有利なままなので国際的には受け入れられないでしょうね
    • イイネ!1
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