野左根航汰、7年ぶりの鈴鹿8耐で表彰台を目指す「熟練度もバイクの熟成も上手く進んでいる」/鈴鹿8耐テスト

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2024年06月18日 15:20  AUTOSPORT web

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野左根航汰(Astemo HondaDream SI Racing)/2024鈴鹿8耐 合同テスト
 全日本ロードレース選手権でチャンピオン獲得経験もある野左根航汰は、4年ぶりにJSB1000に復帰し、Astemo HondaDream SI Racingより参戦している。自身初となるホンダのマシンを駆っているが、2024年の鈴鹿8時間耐久ロードレースにおいても7年ぶりの出場が決定した。

 野左根は、全日本ロードにおいて2019年にヤマハファクトリーでJSB1000のチャンピオンを獲得。その後は戦いの舞台を世界に移し、スーパーバイク世界選手権(WorldSBK)で2年間、2023年はロードレース世界選手権のMoto2クラスで1年間を戦った。

 そして今季はかつてのヤマハからではなく、新たにホンダから4年ぶりに全日本ロードへ復帰して注目を集めている。自身としてもチャンピオンに返り咲くことも視野に入れ、前半戦はホンダCBR1000RR-Rへの適応も進め、3戦終了時点で今季最高の4位を獲得している。そんな野左根は、同Astemo HondaDream SI Racingから鈴鹿8耐にも参戦する予定だという。

「2017年以来となる7年ぶりに久々の鈴鹿8耐で走れる予定です。ここ数年は、自分が参加していた時よりもさらにペースが速くなっており、その分体力的にもきつくなるだろうと思っているので今からしっかりと準備を進めていきたいです」

 そう語る野左根は、2016年と2017年はシリーズチャンピオンの獲得経験もあるYART-YAMAHAからFIM世界耐久選手権(EWC)に参戦していた。メーカーは違えど、耐久レースという点においては経験も豊富だ。そんな彼は、7年ぶりの鈴鹿8耐参戦に向け、6月4〜5日に鈴鹿サーキットで行われたテストに、羽田太河とふたり体制で参加した。

「自分は乗り慣れているバイクですが、全日本ロードの仕様と車重や使っている燃料もカーボンニュートラル燃料とは異なるので、初日はフィーリングが違い、少し不具合が出てしまいました。けれど、1日使って上手くアジャストできましたし、急きょ相方として走った羽田選手も初めて自分のバイクに乗って、良いタイムで走れていたので、ひとまず自分としても安心です」

「自分としてはアタックしなくても2分07秒台をマークできましたし、耐久マップと言われる燃費を少し絞ったものでも上手く走れていました。開幕戦で2分06秒台を出せていたので、正直まだ調整が必要ですが、やはり仕上がりとしては確実に今の方が熟練度も増して、バイクの熟成も上手く進んでいます」

 6月4〜5日に行われた8耐合同テストでは全日本ロードをベースにしたマシンが持ち込まれ、ヘッドライトも装着されていなかったが、本戦を想定したウエイトを積載して走行していたとのこと。初日は主に確認作業とロングランを実施していたとのことだが、2日目の走行では野左根と羽田ともに2分07秒台前半のタイムをマークし、揃ってトップ10内に入れていた。

 しかし、耐久レースにおいては一発タイムよりも、決勝におけるアベレージタイムが必要となってくる。さらにこの日は路面温度が50度近かったが、鈴鹿8耐当日はさらに気温と路面温度が高くなることが想定される。そのため、さらなる調整が必要だと野左根は語る。

「全体的にラップタイムも必要ですが、表彰台争いをするにはアベレージペースがもう少し欲しいと言うのが正直なところですね。鈴鹿8耐に向けては、アベレージがすごく重要になるので、自分だけでなくお互いが上げていけるようにしていきたいです」

 また、今回一緒に走行した羽田とも上手くコンビネーションが取れていたという。ライダーによってはセッティングなど好みも分かれるとよく耳にするが、不安要素のひとつとして、ライディングポジションの違いも上がっていたようだ。しかし、ふたりの間ではあまり変更することなくマシンに乗ることができ、野左根もほっとしたという。

「やはり好みもありますが、お互いが上手くいけるようなポイントを探して行きたいです。走り方としては、彼の方がメリハリをつける乗り方ではあるので、電子制御のセッティングなどは違う部分もありましたが、そこは上手く合わせられる許容範囲だと思っています」

 次回6月19〜20日に実施されるテストでは、羽田はスケジュールの関係で参加できないため、他のライダーが参加する可能性もあるという。現時点では、3名中2名のライダーがすでに決定している。野左根自身は7年ぶりとなる鈴鹿8耐に向けて、すでに目標も固まっているという。

「チームとしての目標と自分の目標は合致していて、表彰台を目指すことです。自分がヤマハから参戦したときは2016年に4位、2017年に5位と表彰台を獲得することが出来ませんでした。やはり鈴鹿8耐の表彰台は、みんなが言うように本当に格別なので、もちろん優勝を目指していますが、まずは表彰台を目指したいです」

「あとは、全日本ロードの後半戦が8月から始まるので、ここをきっかけにしっかりステップアップしたいです。前半戦は少し良いところを見せられた部分もありますが、レースを通すと上位3台に比べてまだ足りない部分があったので、そこをしっかり埋められるようにしていきたいと思います」

 野左根がホンダで挑む初の鈴鹿8耐でどのような快進撃を見せるのか、そしてAstemo HondaDream SI Racingとしてもどのようなバトルで表彰台争いを繰り広げるのか楽しみだ。

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