フォルクスワーゲン「ティグアン」が新型に! 何が変わる? 実車を確認

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2024年07月16日 11:51  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
フォルクスワーゲン(VW)がSUV「ティグアン」の新型を日本で発売する。予約受け付け開始は2024年9月、正式発売および納車開始は同11月の予定だ。フルモデルチェンジで3世代目となる新型ティグアンの特徴と見どころは? 一足早く実車を確認してきた。


サイズ変更は少しだけ! 日本の道路にぴったり



ティグアンはフォルクスワーゲンが日本で展開する3台のSUVの中で最も大きいクルマだ。カテゴリーは「ミドルサイズSUV」となる。今回のモデルチェンジは7年振りの全面刷新で、デザインや機能に最新技術を惜しみなく投入している。



その気合の秘密は、販売台数の多さだ。現行型ティグアンは2016年に登場し、日本では2017年に発売となったモデルだが、2019年以降は世界で最も売れるVW車へと成長。まさに失敗できない1台なのだ。


新型ティグアンは全長4,545mm×全幅1,840mm×全高1,650mmと日本でも扱いやすいサイズ。現行型と比較しても、全長こそ30mmの拡大となるが、全幅は同等を維持し、全高は少し抑えられている。



外観デザインも一新。フロントマスクはグリルレスデザインになった。少しのっぺりとした印象のある顔付きは、電気自動車(EV)のSUVである「ID.4」と雰囲気が重なる。


新型ティグアンは空力性能が向上。空気抵抗係数(Cd値)は現行の0.33から0.28に改善している。つまり、その分、燃費も良くなるということだ。

画面デカっ! インテリアは最新に



インテリアは最新世代デザインに進化している。なんとダッシュボードには、最大15インチのタッチディスプレイを装備。これだけのサイズがあると、思わず「画面がデカい!」とつぶやいてしまうほどだ。


シフトレバーがセンターコンソールからステアリングコラム部に移動し、現行型に比べ小型化しているのも新型の特徴のひとつ。さらに、シートデザインも新形状となるため、快適性の向上が期待できる。仕様により、運転席に空気圧式マッサージ機能が追加となるのも見どころ。渋滞時のドライバーの疲労激減だけでなく、眠気の抑制にも役立つはずだ。荷室両量も標準時で37L増となる652Lに拡大している。

ディーゼル復活! ガソリンはMHEV化



パワートレインはガソリンエンジンのマイルドハイブリッド車(MHEV、駆動方式は前輪駆動)とクリーンディーゼルエンジン車(4WD)の2種類。ティグアン初の48Vマイルドハイブリッド「eTSI」は、新しい1.5L直列4気筒ターボエンジンを搭載し、110kW(150ps)/250Nmを発揮する。電気モーターによる動力アシストとエネルギー回生、気筒休止機能により燃費性能も向上している。



クリーンディーゼル車「TDI」は2.0L直4ターボエンジンで、142kW/400Nmの力強さが自慢。従来型で人気だったクリーンディーゼルターボTDI×4WDを復活させることで、アウトドアやロングドライブを楽しむユーザーの獲得を狙う。



グレードはMHEVとクリーンディーゼル車で共通。エントリーグレードの「アクティブ」、充実装備の「エレガンス」、最上位のスポーティーグレード「Rライン」の3タイプとなる。


新型ティグアンはVW車の中でも上位モデルとなるだけに、現行型でもエントリーグレードから装備が充実している。先進の安全運転機能をしっかりと押さえているだけでなく、パワーテールゲートも全車で標準装備しているのだ。これらの内容は新型も同様だが、さらにSSDナビゲーションシステムまで全車で標準装備となるのが大きなポイントといえる。



サスペンションのダンパーの減衰力を調整するシステム「アダクティブシャシーコントロールDCC」はTDI全車とMHEVのRラインで標準装備となる。これがあると快適性が高まるだけでなく、よりスポーティーな乗り味も楽しめるようになる。

入門グレードの価格に注目! 500万円を切れるか



注目の価格は現時点で非公表。目下、フォルクスワーゲン ジャパンがドイツ本社と調整中だ。現行型の価格は高性能なスポーツモデル「R」を除くと472.7万円〜627.5万円となっている。



現行型はガソリンエンジンのみの設定だった。新型の価格については、マイルドハイブリッド化、ディーゼルエンジンの設定、そのほかの進化分を考慮すると、全体的に高くなるのは間違いないだろう。注目は、新ティグアンのエントリーグレードとなる「eTSIアクティブ」で500万円を切れるかどうか。近年はVW車も若干の値上げを行っているが、VWファンを逃がさないためにも500万の壁はクリアしてくるものと予測する。



ティグアンは、その内外装デザインが象徴するように、上級ステーションワゴン「パサート」とほぼ同じタイミングで、新世代VWの第1弾として日本上陸を果たす。クルマの基本構造となるプラットフォームも、現行型の「MQB」から最新の「MQB evo」に進化している。クルマの性能と魅力が現行型から全面的に進化している点は間違いない。



ただ、予算的には、十分な機能を備える現行型在庫車のラストセールも気になるところ。ガソリン車を検討するならば、熟成の進んだ現行型を狙うのもありだ。一方で、先進の機能やディーゼルエンジンが欲しいならば、新型を検討すべきだろう。



大音安弘 おおとやすひろ 1980年生まれ。埼玉県出身。クルマ好きが高じて、エンジニアから自動車雑誌編集者に。現在はフリーランスの自動車ライターとして、自動車雑誌やWEBを中心に執筆を行う。主な活動媒体に『webCG』『ベストカーWEB』『オートカージャパン』『日経スタイル』『グーマガジン』『モーターファン.jp』など。歴代の愛車は全てMT車という大のMT好き。 この著者の記事一覧はこちら(大音安弘)
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