脳の病気には脳卒中や脳萎縮などがあります。発症してしまうと後遺症が残ったり、最悪死にいたったりするなど怖い病気の一つですよね。みなさんの周りにも突然脳の病気を発症し、リハビリ生活を余儀なくされたり、言語障害が残ったりしている人がいるかもしれません。今後も健康的な生活を送るためにも、症状がなくとも今から自分の脳の状態を把握しておくと安心なのではないでしょうか。
『脳ドックとMRI検査。違いはあるの? 普通にMRI検査だけではMRA検査は入っていない? ちゃんと調べるなら、MRI検査とMRA検査の両方をしたほうがいいよね? 年齢的にもしようかな』こちらはママスタコミュニティに寄せられたあるママの質問です。投稿者さんは脳ドックの受診を検討しています。しかし、詳しい検査内容がわからず投稿したようですね。脳ドックは全身を検査する人間ドックとは異なり、脳に限定した健康診断の一つです。労働安全衛生法などの法律によって義務づけられた「法定健診」の健康診断では脳の詳しい検査はしないため、個人の判断で受診を検討する必要があります。
投稿者さんはどうして脳ドックを受けようと思ったのか理由はわかりませんが、自分の健康状態が気になり受けようとしているのかもしれません。いずれにせよ、一体脳ドックとはどんな検査内容なのか気になりますよね。
参考:厚生労働省e-ヘルスネット「健診」
脳ドックではどんな検査をするの?
ママたちから脳ドックの内容について声が寄せられましたが、まちまちな回答でした。国土交通省の資料によると、主に2つの脳の検査があるようです。一つは脳を輪切りにした画像を撮影し、脳梗塞などの有無や脳腫瘍などをみる「MRI検査」。もう一つは、脳の血管を撮影し動脈硬化や動脈瘤があるかどうかを診断するもので、それを「MRA検査」といいます。そしてこのMRI検査とMRA検査の両方を含み、その他必要な検査も加えて行うものを「脳ドック」と呼びます。また、MRI検査とMRA検査のみ行う検査を「脳MRI健診」といい、簡易なスクリーニング検査を受けることもできます。
参考:国土交通省「自動車運送事業者における脳血管疾患対策ガイドライン【概要版】」
検査を受けたい病院でプランを確認しよう
ただし、MRI検査のみを行う場合も「脳ドック」のプランの一つとしている病院もあります。さらにMRI・MRA検査にあわせて、脳梗塞の原因につながる不整脈を調べる心電図や、首の頸動脈をエコーで調べる検査などが含まれたプランを提示している病院も。病院の設定するプランによっても脳ドックの捉え方は異なる可能性がありますので、気になる人はお近くの病院でどんな脳健診を行っているか調べておくとよいでしょう。
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すでに頭が痛いなど症状がある場合は、すぐに検査を
『以前検診センターで人間ドックを受けるときに脳ドックのオプションをつけようとしたら、看護師さんに「頭が痛いなら『MRI検査を受けたい』と言って保険適用にして検査したほういい」と言われた。たしかに持病でMRI検査を受けたときは費用がかからなかった』こちらのママは、すでに症状がある場合は費用が個人負担となる脳ドックを受けるよりも、保険の適用となる治療として検査を受けたほうがいいとアドバイスをくれています。※あくまでこのママの場合です。
脳ドックは個人の任意検査です。かつ治療目的ではないため全額自己負担になります。なかには自治体や加入する健康保険組合が一部費用を負担してくれるところもあるかもしれませんが、それでも高額になりそうです。すでに頭痛やめまい、手足のしびれ、舌のもつれなどといった症状がある場合は、すぐに病院を受診してもらう方がよさそうですね。
脳の病気は、最悪死にいたる怖い病気の一つです。症状のある人はすぐに病院へ、中・高齢になったママは一度脳ドックを受けておくと安心なのではないでしょうか。
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参考:厚生労働省e-ヘルスネット「脳血管障害・脳卒中」山岸 良匡
文・安藤永遠 編集・有村実歩 イラスト・Ponko