池袋・サンシャインシティで開催中のイベント『ウルトラヒーローズEXPO 2024 サマーフェスティバル IN 池袋・サンシャインシティ』(ウルサマ、8月26日まで)内で、1日に今年、放送45周年を迎えるアニメ『ザ☆ウルトラマン』から島本須美(声の出演:星川ムツミ隊員)、柴田秀勝(声の出演:ゴンドウ大助キャップ)、そして来年2025年に放送45周年を迎える『ウルトラマン80』から、長谷川初範(矢的猛役)、石田えり(城野エミ役)、萩原佐代子(星涼子/ユリアン王女役)が出演する『ザ☆ウルトラマン&ウルトラマン80 45thスペシャルナイト』が実施された。
【写真】ウルトラマン80と笑顔を見せる長谷川初範 キャストが集結 45年前の放送当時にリアルタイムで観ていた往年のウルトラマンファンだけでなく、10代、20代の若い世代のファンの姿も多く見られ、世代を問わずに愛される人気ぶりがうかがえるアニバーサリーの2作品。まずは『ザ☆ウルトラマン』のオープニング主題歌が流れ、この日限りのプレミアムなイベントに集まったファンの大きな手拍子に包まれる中、この日のために収録した、星川ムツミ役の島本による新録ナレーションと共に当時のアニメ映像で幕を開けた『ザ☆ウルトラマン』スペシャルライブステージ。懐かしのヒーロー・ウルトラマンジョーニアスの活躍に会場中が大盛り上がりとなり興奮冷めやらぬ中、いよいよ懐かしのキャスト陣が登場。会場からの「科学警備隊!!」という大きな呼びかけに答えて、星川ムツミ役の島本とゴンドウ大助役の柴田が登場し、あいさつすると、当時と変わらぬパワフルな声に会場からはどよめきと大きな拍手が起こった。
当時を振り返りながらさまざまなトークを展開する中、当時、声優デビュー1年目でムツミ隊員役に抜てきされた島本は「この作品が45周年ということは…。私も45周年なんです!」とおどけて見せ、「大大大先輩だらけの中に、まだまだ素人同然だった私が入らせていただいて、本当にたくさんのことを学ばせていただいた現場でした」と当時を懐かしんだ。
87歳になる柴田は、終始年齢を感じさせない精悍な口調で作品制作当時の思い出を語って会場を盛り上げ、「もう3年もすると90歳なんですが、この歳でたくさんの方の前でお話しできるなんて、“アイドル”になったみたいで感無量です!」とうれしさをにじませ、「この歳になるとインプラントの治療費がかかるから90歳までは仕事頑張らないと元が取れないのよ」とユーモアあふれる冗談で笑わせつつ、「まだまだ頑張ります!」と、元気いっぱいな姿でファンを喜ばせた。
トークの最後に島本は「お集まりいただきありがとうございます!頑張って新しく(冒頭のアニメの)ナレーションも入れたんですけど、無理なかったですか?」と呼びかけると、会場からは温かい拍手の返答が。「45年も経つとどんどん落ち着きも出てきて、当時のムツミ隊員のような元気な女の子ではなかったかもしれないですけど、まだまだ今の私ができることがあると思うのでこれからも頑張っていきます!」と、当時を思わせる声でファンに笑顔を向けた。そして柴田も「何度も言いますが、きょうはアイドル気分です!(笑)どうもありがとうございます!まだまだこれからも皆さんと一緒に『ザ☆ウルトラマン』を楽しみたいと思います!」と、いつまでも続いていく『ザ☆ウルトラマン』の物語を約束する頼もしいあいさつで締めくくった。
続けて、来年に放送開始45周年を迎える『ウルトラマン80』のトークイベントへ。エンディングテーマ「レッツ・ゴー・UGM」から、おなじみの掛け声「レッツ・ゴー U・G・M! U・G・M!」と会場全員で声をそろえて呼びかけると、熱気に応えるように矢的猛役の長谷川、城野エミ役の石田、星涼子役の萩原が登場。放送当時と変わらないハツラツとした様子であいさつした3人は大きな拍手に迎えられてスペシャルなトークがスタートした。
この日の入場者には、作中で主人公の矢的猛が務める桜ヶ岡中学校の生徒手帳が配布され会場全体が『ウルトラマン80』一色となる中、想像を超える熱気に石田は「みなさん本当に温かいですね、故郷に帰って来たみたいです」と笑顔を見せ、萩原も「改めて『ウルトラマン80』に出演できたこと、“ウルトラ幸せ”です!」と、喜びを爆発させた。また、長谷川演じた主人公の矢的猛は、UGM隊員の傍ら、“一所懸命”をモットーにする中学校教員という顔を持つ役柄ということで、「矢的先生!!」という懐かしの大きな呼びかけに対して、「なんて答えればいいんだよ(笑)」と照れ笑いで突っ込みつつ「はぁい」と優しく受け止め、ファンとの交流を楽しむ一幕もあった。
放送から45周年を迎えたことに対して、長谷川は「矢的猛という役は、素の自分のままでやっていました」と振り返り、「今となっていは自分の息子の現在の年より若かった頃ですから、客観的に振り返ると『いや〜、一所懸命やってるな』と、とても素朴で共感のできるキャラクターだったなと思います」と、自身が演じた役への愛着をにじませた。また、共に登壇した石田とは、なんとこの日が撮影当時以来の45年ぶり再会ということで、「『45年も経ったなんてびっくりだよね!』と話していて、そんな特別な日に皆さんに集まっていただいて本当にうれしです!」と、会場のファンとも喜びを共有した。
当時からもともと特撮作品が大好きだったという萩原は「出演が決まった当時は、本当に夢みたいでした!」と、当時と変わらぬ興奮気味な状態で語り、さらに、共に登壇する石田の大ファンでもあったことを告白し、「今まで言えなかったんですけど…。当時から本当に大好きで、出演映画も観て、載っている雑誌も買って。そんな方が私の衣装のバッジを直してくれた時は、正直息が詰まるような思いでした」と熱い想いを語る。「でも、それを見せちゃうと素人丸出しなので、トイレにこもって興奮具合を隠してました」と、今だから明かせるまさかのエピソードも披露。それを受けて石田は「全くわかりませんでした!!ありがとうございます!」と、まさに作品の同窓会らしく当時を懐かしみながら会話を弾ませた。
また、放送から45周年にして、ウルトラマン作品のイベントに登壇するのは初めてという石田。ウルトラマン作品ならではの思い出を聞かれ「とにかく隊員服の素材が、夏は暑くて冬は寒くて。この服はなんだ!って正直思ってました(笑)」とまさかの苦言を暴露し、会場の笑いを誘った。積もる話はなかなか尽きずトークは大盛り上がりとなる中、最後に萩原は「以前ウルトラマン関連のあるイベントに呼ばれた時に、海外の方から『ウルトラマン80』を見たことで悪いことをするのをやめたと、涙ながらに言われたことがあって。その時に、この作品に出られたことは私にとって本当に大切な贈り物なんだと思ったし、きょうここにこれたことがまた贈り物だなと思いました!」と、長く愛される作品への想いをコメント。石田は「45年経っても何と素直な、若々しい青春を感じさせるような二人に挟まれてうれしいです!私もまた頑張りたいと思います!」と、約半世紀ぶりの仲間との邂逅を喜んだ。そして長谷川は「この作品が新しい世代の方にも観ていただけてありがたい限りです。『怪獣というのは、人間たちの思う悪い想念が重なった時に怪獣になるんです』という言葉を覚えているんですが、皆さん一人ひとりが、悪いことや嫌なことを溜めて吐き出さないで、いいことや前向きなこと、そして人を褒めること、そういうことはみんなでやって行けば、あなたたちも“宇宙の星の人”です。ありがとうございます!」と、温かなメッセージを届けて締めくくった。
イベントの最後には『ウルトラマン80』のスペシャルライブステージが行われ、直前までトークで盛り上げた長谷川と萩原がそれぞれ、ウルトラマン80と、ユリアンの声として出演し盛り上げ、迫力のステージの最後、ウルトラマン80演じる長谷川の「希望の光を未来の世代へ受け継いでいってほしい。それがウルトラマン80、矢的猛からの願いだ」と言う語り掛けには、客席で目を潤ませるファンの姿も。
最後には、『ザ☆ウルトラマン』、『ウルトラマン80』両作品のキャスト5人がステージ上に一堂に会し、この日一番の拍手に包まれる中、ウルトラマン80の長谷川と、ユリアン王女の萩原が生変身ポーズも見事に決めてヒーローたちが登場すると割れんばかりの大歓声が。一夜限りのプレミアムな夜にふさわしい盛りだくさんの内容で、大盛況のうちにイベントは幕を閉じた。