オリベイラのフィニッシュ時に混乱もリアライズGT-Rが3位。GT300への順応を進める佐々木大樹/第4戦富士決勝

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2024年08月07日 18:40  AUTOSPORT web

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2024スーパーGT第4戦富士 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R(佐々木大樹/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)
 富士で強い56号車リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rが今季2度目のポディウムフィニッシュ。メルセデスAMG GT3勢のワン・ツーとなった2024スーパーGT第4戦『FUJI GT 350km RACE』でGT300クラスの3位に入り、約1.5kmのストレートを誇るトラックとの相性の良さを示した。

「今日は珍しく2番手から3、4、5、6番手がずっと近い展開でした」と8月4日に富士スピードウェイで行われた一戦を振りかえった佐々木大樹。

「本当にピット作業やアウトラップ、インラップ、そういったところの差で順位が決まる、見た目は派手ではなかったですけど、チーム力や燃費、ストラテジーも含めた勝負になっていたので、やっているドライバーからするとけっこうシビアなレースでした。そのなかで3位を獲れたのはすごく良かったと思います」

 佐々木の言葉どおり、この第4戦富士はレース序盤から2番手以下の集団で接近戦が続いた。GT300クラスの上位陣のなかで3列目6番手からレースを開始したKONDO RACINGのGT-Rは、前半スティントを担当した佐々木が順位をキープしたまま34周目にピットへ。その後ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラに後半スティントを託すこととなった。

 佐々木からステアリングを受け取ったオリベイラは幸先よく777号車D’station Vantage GT3をオーバーテイクすると、続いて四輪無交換作戦で順位を上げてきた31号車apr LC500h GT、さらにはリヤ二輪のみ交換という戦略を採った88号車JLOC Lamborghini GT3もコース上でかわし、56号車GT-Rを表彰台圏内に押し上げる。終盤には20周近くにわたって4号車グッドスマイル 初音ミク AMGと接近戦を演じた。これをかわしての2位フィニッシュとはならなかったが、ゴールデンウイークに行われた第2戦富士での2位に続く3位で表彰台に上がっている。

 この結果、戦前のランキング7位から同6位にポジションアップし、ランキングリーダーとの差を27ポイントから19ポイントに縮めた佐々木/オリベイラ組だが、チームにとって2年ぶりとなるチャンピオン獲得に向けては、得意なトラック以外のレースでいかにポイントを獲得していくかが重要になると佐々木は話す。

「富士では良い戦いができているのですが、(開幕戦)岡山と(第3戦)鈴鹿はまったく勝負になってないところが実際ありまして……次はその鈴鹿なので、そこでしっかりと自分たちがいいレースをできるかどうかでチャンピオンになれるかが決まってくると思います」

 また佐々木は、GT500からGT300へと戦いの場を移したシーズン初年度での戴冠を目指すなかで、2022年にチャンピオンに輝いたチームが、構造が変更された今季のタイヤに対し「少しずつアジャストを進めている」と説明。「何とか富士以外のコースでも速さが出せるようにできたら」と今後の戦いについて期待を寄せる。

 なお、GT300でのドライビングについては、昨季まで乗っていたGT500のそれとは異なるテクニックが必要となるものの「だいぶ慣れてきた」とのこと。「GT500よりもクリアラップが多いので、本当に“ドライビング勝負”という感じです」

「GT500はどちらかというとGT300の処理がすごく大事な部分だったのですけど、GT300は行かすほうです。もちろん、それにもテクニックが必要ですが、どちらかというとクリアラップが多くて、他の車両に詰まることはあまりないです」

■フィニッシュ直後、チームもドライバーも混乱
 4号車初音ミクからわずか数秒後ろを走っていた56号車GT-Rがクラス3位でチェッカーを受けた直後、チームと車内のオリベイラは多少の混乱に陥った。というのも、オリベイラがチェッカーフラッグを受けたタイミングと、GT500ウイナーとなった8号車ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GTのフィニッシュの瞬間が重なっていたのだ。

 当時の状況について聞くと「分からなかった」と2冠王者のオリベイラ。

「8号車がフィニッシュラインの本当に直前で僕を抜いていったんだ。サイド・バイ・サイドの状態であることは見えていたのだけど、それで自分がチェッカーを受けたかどうか分からなかった」

 実際、中継映像では56号車GT-Rの右後ろから8号車ARTAが蛇行しながら迫り、最後はほぼ横並びの状態でフィニッシュした状況が映し出されていた。この微妙なタイミングについてはオリベイラのみならずチーム側も当初は断定ができておらず、無線を交わしたエンジニアも自分と同じように分かっていなかったとオリベイラは明かした。

「一度スローダウンしてコースの前半部分はゆっくり走っていたのだけど『もしかしたらまだ終わっていないかもしれない』と思って、慌ててもう一度プッシュして戻ってきたんだ。そのときはまだ無線で何も言われていなかった。でも途中で『もうフィニッシュだよ』と伝えられて、そこでようやく落ち着くことができた」

 その後オリベイラはストレートのグランドスタンド側ではなくピットウォール側にマシンを止めたが、これについては次のように説明している。

「僕がストレートに戻ってきたときは、まだコースマーシャルがいなかったんだ。普通は(マシンを誘導のために)マーシャルが立っているのだけど、そのときは誰もいなくてどうしたらいいか分からなかった」

「まだ他のクルマがいなかったから、僕が最初に着いたクルマだったようだね。レースウイナーがピットに入るのは分かっていたけれど(3位のクルマが)どこに行けばいいか分からなかったから『ここかな?』というところで停まったのさ」

 次戦鈴鹿はニッサンGT-RニスモGT3との相性は悪くないサーキット。そこで上昇気流に乗ってしまえば、シーズン終盤戦に向けて、今年もリアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rがチャンピオン争いに絡んでくる可能性は高いだろう。

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