今回は、65歳から自分の老齢年金を受け取る場合の遺族年金についてです。
Q:現在遺族年金をもらっています。65歳から老齢年金を受給する場合、私の老齢年金は遺族年金にいくらか足されるのですか?
「1960年2月生まれの女性です。夫が数年前に死亡し、現在遺族年金をもらっています。私が65歳になり老齢年金受給となった場合、私の老齢年金は遺族年金にいくらか足されるのですか?」(お年頃おばちゃんさん)A:妻自身に老齢厚生年金の加入期間があれば、65歳から妻自身の老齢基礎年金+老齢厚生年金+遺族厚生年金から妻自身の老齢厚生年金を引いた額を受け取れます。妻自身に厚生年金の加入期間がない場合は、妻自身の老齢基礎年金+遺族厚生年金が受け取れます
遺族年金には、亡くなった方人の年金の加入状況などによって、『遺族基礎年金』『遺族厚生年金』があります。相談者さんの亡くなった夫に、厚生年金の被保険者期間があり、遺族基礎年金が支給される要件の18歳になった最初の年度末までの子ども等がいないとすると、相談者が受け取っている遺族年金は遺族厚生年金ということになります。さらに、相談者の夫が亡くなった時、妻が40歳以上65歳未満で、遺族基礎年金が支給される要件を満たした子どもがいないとすると、相談者が受け取っている遺族厚生年金には、中高齢寡婦加算(年額61万2000円)が上乗せされているのではないかと思います。
「私の老齢年金は遺族年金にいくらか足されるのですか」という質問についてですが、遺族厚生年金を受け取れる人が65歳以上の場合、自分の老齢厚生年金の全額を同時に受給することができます。この場合、まず自分の老齢厚生年金を優先して受け取れ、遺族厚生年金が老齢厚生年金より高ければ、その差額分が支給されます。つまり妻自身に老齢厚生年金の加入期間があれば、65歳から妻自身の老齢基礎年金+老齢厚生年金+遺族厚生年金から妻自身の老齢厚生年金を引いた額を受け取れることになります。
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65歳からは中高齢寡婦加算(年額61万2000円)が支給停止されますので、現在受け取っている遺族年金より65歳から受け取れる妻自身の老齢年金と遺族年金が多くならない場合もあるので、注意しましょう。
監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
(文:All About 編集部)