日本映画界に、宝石のような才能がまた1人、現れた。中西希亜良(13)は、演技未経験ながら11歳で初出演した「ぼくのお日さま」(奥山大史監督)で、カンヌ映画祭(フランス)の大舞台にわずか12歳で立った。
13日に全国で公開が始まった今、心中には女優として生きる、1つの覚悟が芽生えている。
劇中で演じたのは、フィギュアスケートを学ぶ少女だ。きっかけは4歳から続けるスケートのリンクに貼ってあった「ヒロイン募集中」の張り紙だった。「スケートの映像をつくるのかと、ちょっと興味があったけど、やるわけないよね」と思っていたが、コーチの勧めでオーディションを受けた。
「スケートの試合と違う緊張で何も言えず」帰り道で悔し泣きしたが100人の中から選ばれた。いざ、撮影に入ると「他の人(役)は、こう考えて生活しているんだとか考えてメッチャ楽しかった」。役として生きる、俳優業の本質を、自然につかんでいた。
アイスダンスで全日本フィギュアスケート ノービス選手権(10〜13歳対象)に出場した実力を存分に発揮し、池松壮亮(34)演じるコーチに「気持ち悪い」と吐き捨てるように言う、感情表現の豊かさも輝きを放つ。英語とフランス語がネーティブレベルなのも強みだ。「1回しか演技していないので、比べるものがないけれど芸能活動は続けていきたい」。控えめな視線の先に、輝く未来が広がっている。【村上幸将】
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