ポール獲得のウィル・ブラウン&スコット・パイ組が今季最初の耐久カップ戦を制覇/RSC第9戦

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2024年09月19日 17:40  AUTOSPORT web

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今季初の“エンデューロ(耐久)”ラウンドとして9月14〜15日の週末に開催されたRSCレプコ・スーパーカー・チャンピオンシップの第9戦『Sandown 500』
 今季初の“エンデューロ(耐久)”ラウンドとして9月14〜15日の週末に開催されたRSCレプコ・スーパーカー・チャンピオンシップの第9戦『サンダウン500』は、予選トップ10シュートアウトでポールポジションを奪った名門トリプルエイト・レースエンジニアリング(T8)のウィル・ブラウン/スコット・パイ組(レッドブル・アンポル・レーシング/シボレー・カマロZL1)が、僚友ブロック・フィーニー/ジェイミー・ウインカップ組(レッドブル・アンポル・レーシング/シボレー・カマロZL1)との接触バトルも制し、耐久カップ初戦を飾った。

 次戦に控える“祭典”こと『バサースト1000』を前に、シーズン最初の耐久カップ登録イベントとなったサンダウンの週末は、公式練習から断続的な降雨による赤旗を経験するなど悪天候に見舞われる。

 しかしシュートアウトで最初の出走となったアントン・デ・パスカーレ(シェル・Vパワー・レーシング/フォード・マスタング)が計時予選より3秒も速いタイムを記録してコンディションの改善を知らせると、5番手で出走したブラウンがコンマ1秒更新。最終的にキャメロン・ウォーターズ/ジェームス・モファット組(ティックフォード・レーシング/フォード・マスタング)を0.0647秒差で退け、今季はパイとともに戦う87号車をグリッド最前列につけた。

「クリーンなラップをまとめ、こうしてエンデューロ初戦でポールアワードを獲得できて興奮している。本当にうれしく思っているよ!」と喜びを語ったブラウン。

「ここ数戦は厳しいラウンドだったし、表彰台は獲れていたがもう1度ポールを獲得し、今週末は優勝したいと思っていたんだ」とチャンピオン候補は続ける。

「アタックラップは大変だった。セクター1と2の間には大量の水が路面を覆っていて、最終セクターからコントロールラインの区間でも、多くの河があってラップを無事に終えられるか必死だった。そんな場所に差し掛かるたび『ここで失敗しないで、ここで失敗しないで』と考えながら、濡れていない水の少ないところを最大限に活用したよ」

 迎えた決勝は序盤戦から波乱満載の荒れた展開となり、ポール発進を決めたパイこそ単独首位走行を続けられたものの、その背後ではさまざまなアクシデントで各陣営のリズムが乱されることに。

 主なトピックだけでも、リッチー・スタナウェイ(デイル・ウッド組/ペンライト・グローブ・レーシング/フォード・マスタング)がエンジン故障で脱落し、ジョーダン・ボーイズ(マコーレー・ジョーンズ組/ブラッド・ジョーンズ・レーシング/シボレー・カマロZL1)がスピンアウトでウォールに衝突。さらにカイ・アレン(ウィル・デイビソン組/シェル・Vパワー・レーシング/フォード・マスタング)とディラン・オキーフ(ニック・パーカット組/マット・ストーン・レーシング/シボレー・カマロZL1)がクラッシュし、コース上に破片(デブリ)が散乱してコーションも発動する。

 事故はそれだけに留まらず、王者ブロディ・コステッキと組むトッド・ヘイゼルウッド(エレバス・モータースポーツ/シボレー・カマロZL1)はエッセでコースオフを喫したもののタイヤバリアの餌食になることは免れ、さらにピットでのアンセーフリリースにより複数の車両にタイムペナルティも課される。


■レッドブル・アンポル・レーシングの2台が接触

 ドライバー交代を含む義務ピットを挟んで、今度は首位攻防も激化し、先行してブラウンにスイッチしたT8陣営の87号車に対し、5番手発進からオーバーカットを狙った僚友88号車は、ウインカップからフィーニーにチェンジしたアウトラップで、コースに合流した際に接触する事態に陥ってしまう。

「ああ、あの瞬間は緊張した」と、すでにタイヤは温まった状態だったブラウン。「彼(フィーニー)がコースに戻ってきてワイドに走るのを見て、自分も少しプッシュした。その後、並んだ瞬間に2台とも接触してしまい、ともにダメージがないよう願っていた」

 一方のフィーニーも「冷えたタイヤでフロントをロックしてしまった」とその瞬間を振り返る。

「若さゆえ……というか冷えたタイヤで、ちょっと熱くなってコースに戻ってきた。戻ってきたときにはウィル(・ブラウン)がそこにいたんだ」と続けたフィーニー。

「かなり接近していたけど、同じくらい難しい衝突だった。フロントをロックするべきじゃなかったし、あんなに深く突っ込むべきじゃなかった。たぶんウィルなら(そこで防御せずとも)僕を捕まえていただろうしね」

「難しい衝突だった。確かに理想的ではないし、お互いに接触したくはない。今年はすごくクリーンなレースをしてきたと思うし、お互いにぶつかることもなかったから、この衝突を忘れて2度とぶつからないようにしたい。信頼こそ重要で、お互いにボディを擦れ合わないように全力を尽くしているが、今回は残念ながらそうなってしまったんだ」

 ここからの後半スティントでも、コステッキのマシンが終盤で故障し4回目のコーションが発動すると、残り10分を切ってのリスタートで4番手を争ったマシュー・ペイン(ガース・タンダー組/ペンライト・グローブ・レーシング/フォード・マスタング)とジャック・ルブローク(ジェイデン・オヘダ組/エレバス・モータースポーツ/シボレー・カマロZL1)が接触。後者はタイヤバリアの餌食となり、ふたたびのコーションとなる。

 再開されたのは残り3分。ここから首位ブラウンは背後のフィーニーをなんとか抑え切ることに成功し、ジェームズ・ゴールディン/デイビッド・ラッセル組(プレミエアー・レーシング/シボレー・カマロZL1)が最後の表彰台を手にした。

「なんて素晴らしいレースだったんだ。スコット(・パイ)は素晴らしい仕事をした。スタートで彼ら(僚友88号車)が僕たちの背後に来て、ピットシークエンスで彼らがリードしていた瞬間は少し緊張したよ」と出番直前の胸中を明かしたブラウン。

「最後の数周は緊張した。ブロック(・フィーニー)が後ろにいて、彼が襲い掛かってくることは分かっていたから『一歩も間違えないように』と思ったが、最高だった。エンデューロの初戦であるサンダウンで優勝できて本当にうれしい。最高のスタートだ。レッドブル・アンポル・レーシングのみんなに感謝する」

 これで週末7位に終わったチャズ・モスタート(ウォーキンショー・アンドレッティ・ユナイテッド/フォード・マスタング)に対し、スタンディングでのリードを189ポイントにまで拡大したブラウン。続く第10戦は、前述のとおりシリーズが誇る最大のイベント『レプコ・バサースト1000』が待ち受け、発表会で展示された40%スケールのクレイモデルではなく、2026年デビュー予定のフルスケール『トヨタGRスープラ・スーパーカー』がマウントパノラマ現地で披露される。

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