現役時代にいくら稼ぎ、貯蓄をしておけば安心した暮らしができるのか。All Aboutが実施したアンケート調査から、愛知県在住73歳男性のケースをご紹介します。
回答者プロフィール
回答者本人:73歳男性同居家族構成:本人、妻(67歳)
居住地:愛知県
リタイア前の雇用形態:正社員
リタイア前の年収:800万円
現在の資産:預貯金4000万円、リスク資産300万円
現役時代に加入していた公的年金の種類と加入年数:厚生年金37年
現在受給している年金額(月額)
老齢基礎年金(国民年金):約6万円老齢厚生年金(厚生年金):約12万円
障害基礎年金や障害厚生年金(障害年金):なし
遺族基礎年金や遺族厚生年金(遺族年金):なし
その他(企業年金や個人年金保険など):なし
配偶者の年金や収入:年金約100万円(年額)
「年金をあてにしていません」
現在の年金額について満足しているか、の問いに「満足していない」と回答した今回の投稿者。その理由として「年金だけでは、家の固定資産税や、住民税、国民健康保険、介護保険、医療保険、火災保険、自動車保険などを差し引くと、生活するだけで精一杯で、充実した余暇を過ごすことができない」からだと語っています。
ひと月の支出は、現在営んでいる事業の経費を含んで「約50万円」。年金だけでは「毎月足りない」と回答されています。
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「その為、正確な年金の金額を把握してません。73歳でも、充実した余暇(旅行など)を過ごすための費用を捻出するために、働いています」と、年金以外の収入を積極的に増やしているそう。
「会社員として勤めると(年金額の減額・支給停止の基準により)年金と給与の総額に月額47万円の壁があるため(※当時の額。2024年現在は50万円)、個人事業主としての収入を得ることにより(確定申告などで)月額の収入が27万円を超えても、年金が減額されない仕事の仕方を選んだ」と説明しています。
「56歳で資格を取得して60歳から開業」
現役時代から「60歳定年を見越し、56歳で中小企業診断士他の資格を取得し、60歳から経営コンサルタント業を開業した」と余念なく準備。その結果「60歳後半で現役時代と同様の収入があり、充実した生活ができていた。但し、仕事に費やす時間は、現役時代と変わらない状況でした」と振り返ります。
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「それが弾みとなり、更には充実した定年後を過ごすために、リカレントとして中小企業診断士の資格取得を目指した。高齢のため資格取得までに5年の年月を費やしたが、56歳の時に診断士の資格を取得できた。当時は兼業ができなかったため、4年間の準備を経て、60歳で開業した」と、経緯を教えてくれました。
「70歳の壁に突き当たり73歳現在の収入は激減」
現役時代への後悔があるかと伺うと、「私の場合は後悔ではなく、現役時代に資格取得をしたこと等により、定年後に開業する事前準備ができたことを、今になって良かったと、満足している」と回答。今の生活については「現役時代とは異なり、様々な人との繋がりが上下関係なくできる事で、楽しく過ごすことができています」と語ります。
いっぽうで、「現在の日本の状況では、70歳迄の働き方に関しては対応されているが、70歳を超えてからの働き方の支援はなく考えがつかない状況です」と述べ、ご自身も「70歳の壁に突き当たり、73歳現在の収入は激減している。今後の(年金で足りない分の支出の)補填方法に関しての課題が残る」と悩みを抱いている様子です。
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最後に「最大の不安は、骨折などのケガや癌を含む重篤な病気です。健康管理に留意して、ピンコロを目指しています」とコメントされました。
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(文:あるじゃん 編集部)