「株を売買するのは、長期でするのが良いのか、短期でコツコツするのが良いのかどちらがより利益があるかお教えください」(60代)
SNSなどでは短期取引が得意な有名なデイトレーダーの方がたくさんいます。一方で、投資の神様と呼ばれるウォーレン・バフェットは「永久保有」を好むなど、長期投資で有名な方もいます。一体、どちらのほうが良いのでしょうか?
本記事では「短期投資と長期投資、どっちが良いのか?」について、筆者の考えをまとめます。
短期投資と長期投資の違い
まず、短期投資と長期投資の違いについて簡単に説明します。ここでの短期投資とは、株を数日、時には数分、数秒の間に売買して利益を得ることを指します。
短期投資はビジネスでいうなら小売業に似ていて、「明日は雨が降りそうだから、今日のうちに傘を仕入れておこう」と需要を先回りすることで利益を出すことを目指します。
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一方で、長期投資は株を長期間、例えば数年、あるいはもっと長く持ち続ける投資方法です。
長期投資はビジネスでいうならオーナー業で、「会社のオーナーになることで、事業収入を受け取って儲けよう」と利益を出すことを目指します。
質の高い物件があるなら買って、保有している限り配当収入などの不労所得が手に入る。手に入れた不労所得をさらに投資に回すと、複利で不労所得が増えていく、という具合です。
オーナー業は「経営者としての手腕」が必要です。儲かるビジネスと儲からないビジネスを見極めたり、儲かるビジネスを見つけたりしたときには、できるだけ割安な価格で投資するようにする必要があります。
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それぞれのメリットとデメリット
短期投資と長期投資には、それぞれメリットとデメリットがあります。短期投資の最大のメリットは「すぐに結果が出る」ことです。うまくいけば短期間で利益を得ることができますし、速いペースで試行錯誤するため、失敗しても短いサイクルで学びに変えられます。また、早く現金化することが可能です。
短期投資のデメリットは、莫大(ばくだい)な時間が取られることと、一つひとつの取引のリターンは極めて小さいことです。また、大きな資金を運用しようと思うと自分の取引で株価が動いてしまう場合もあるので、運用資金量が大きくなると利ざやが極端に落ち込んでしまいます。
一方、長期投資の最大のメリットは「良い投資先を見つけたら放ったらかしにできる」ことです。厳密には投資先のことを監視する必要がありますが、盤石な会社に投資している限りは、それほど大きなコストはかかりません。
長期投資のデメリットとしては、すぐに結果が出るわけではないため一つの失敗が高くつきます。だから、かなり念を入れて投資先を選定するか、分散投資して、失敗のコストを低く抑える工夫が必要です。
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短期投資と長期投資、どっちが良い?
結論としては、短期投資と長期投資、どちらが有利かは「性格や目標次第」でしょう。短期投資はアクティブに動きたい、スピード感が好きな人に向いているかもしれません。筆者の経験上、麻雀やポーカーといった、プレーヤースキルを求められる不完全情報ゲームが好きな人や得意な人は、短期投資がうまいイメージがあります。
一方、長期投資はビジネスに関心があり、情熱を注げる人が向いていると思います。会社経営に興味があって、「どうすればお客さんを虜(とりこ)にできるだろうか?」と考えるのが好きな人は、長期投資のほうが向いていると思います。
筆者の場合は短期投資からスタートして、少しずつ長期投資へとシフトしていっています。初めは短期投資で思考訓練を重ねて、投資判断の精度が上がってきたところで「ドカン」と長期投資する先を選ぶ、という流れでした。
以上を踏まえ、ご質問者さまに合ったスタイルを考えてみてはいかがでしょう?
文:中原 良太(個人投資家・トレーダー)
18歳に株を始め、25歳でYahoo!株価予想達人で「ベストパフォーマー賞」を受賞。主に株式投資とマネー(お金)についての情報をSNSやYouTube、メルマガなどで発信。IQ上位2%のMENSA会員。
(文:中原 良太(個人投資家・トレーダー))