新規軸の“G-TURN”や“G-STEERING”など電気自動車ならではの、オフロード走破性を高める機能も採用した『G 580 with EQ Technology』が上陸 メルセデス・ベンツの電気自動車で初となる革新的な4輪独立式モーターを搭載し、ラインアップの旗艦たる『Gクラス』としての高いオフロード性能はそのままに、新規軸の“G-TURN”や“G-STEERING”など電気自動車ならではの、オフロード走破性を高める機能も採用した『G 580 with EQ Technology』が上陸。まずは伝統のスタイリングに専用装備をあしらった先進的な内外装を持つ“エディション1”が導入され、10月23日より注文受け付けが開始されている。
長い歴史のなかで2018年に史上最大の大幅改良が施された現行『Gクラス』に、いよいよ本格的なフルBEVモデルが登場。その伝統をメルセデスの最新技術でアップデートすることで、オンオフ双方において最適なパフォーマンスを発揮する究極のオフローダーとして進化してきた同車にあって「革新的なドライブコンセプトにより内燃機関モデルでは味わえない、まったく新しいオフロード体験を提供する」という『G 580 with EQ Technology』は、新機構の4輪独立式モーターを搭載する。
最高出力108kWの各モーターは、専用強化を受けたラダーフレームの前後アクスルに2基ずつ(計4基)組み込まれ、システムトータルで587PS(432kW)/1164Nmの圧倒的なアウトプットを発生。この4輪独立式モーターによって、その場で旋回可能な“G-TURN”や、回転半径を大幅に縮小させる“G-STEERING”などの最先端のオフロード走行を可能とし、最大渡河水深は『G 450d』の700mmを上回る850mmを実現。電気自動車でありながら内燃機関モデルと同等、またはそれ以上の卓越したオフロード走破性を備えている。
エクステリアでは伝統のスタイリングはそのままに、さらに後端を持ち上げた力強いボンネットフードに、リヤホイールアーチに加えられたエアカーテンなど、随所に電気自動車専用のディテールがあしらわれた。
また、テールゲートにはスペアタイヤに代わってスタイリッシュなデザインボックスが備わり、充電ケーブルや工具などを収納可能としたほか、今回導入のエディション1ではAMGラインパッケージが標準装備となるほか、ナイトパッケージやエディション1専用ブラックペイントを施した20インチAMGアルミホイール、ブルーアクセントをあしらったサイドストリップラインにブルーブレーキキャリパーなど、数多くの専用装備が施される。
同じくインテリアでも、特徴的なデフロック機能のスイッチ周辺は『G 580』専用に再設計され、公道では使用不可ながら“G-TURN”や“G-STEERING”の起動スイッチをレイアウト。最新世代のマルチファンクションステアリングホイールやキーレスゴー、MBUXにブルメスター製3Dサラウンドサウンドシステムなど最新の装備を取り入れている。
■電動化によりトルク分配やオフロードクロール機能の緻密制御が可能に
さらにAMGラインパッケージとしてナッパレザーシートやナッパレザーダッシュボード、MICROCUTルーフライナーなどが標準装備となり、エディション1専用装備としてステアリングやシート、ダッシュボードなどの随所にブルーステッチが施される。またトリムにはブルーアクセントが織り込まれたAMGカーボンファイバーインテリアトリムを採用した。
気になる電力関連機能やオフロードでの走破性に関しても、最大4mm厚のスチール製ラダーフレームに組み込まれた116kWhの大容量リチウムイオンバッテリーは、車両の低重心化に貢献すると同時に車体剛性を大幅に高め、合計216個のセルを12のモジュールに収めている。
そのチャージングには交流普通充電(AC200V)および直流急速充電(CHAdeMO)に対応した充電システムが備わり、出力150kWまで対応の直流急速充電では蓄電量10%〜80%までが41分となり、充電の設定や状況はMBUXやメルセデス・ベンツアプリなどで確認可能に。加えて、高効率な永久磁石同期モーターやESPと集中制御ユニット、さらに4段階の回生ブレーキなどにより、余裕ある一充電航続距離530km(WLTCモード)も実現している。
そのうえで、泥や水の侵入を防ぐためバッテリーはねじり剛性に優れたケースに収められており、激しいオフロード走行でも卓越したパフォーマンスを発揮し、バッテリーを強固に守る専用のアンダーボディプロテクションも装備。カーボンファイバーを含む異素材を組み合わせた厚さ26mmの頑丈なアンダーボディパネルは50を越えるスチールボルトによってラダーフレームに固定される。
こうした電動化の対応によりド・ディオン式の後輪リジットアクスルも新たに開発され、トルクベクトリングを用いた仮想ディファレンシャルロック機能も実装。各輪のモーターにはそれぞれ2速のトランスミッションが備わり、これによるローレンジモードや4輪独立式モーターとトルクベクタリングによって各輪に自由にトルクを分配することが可能に。
これにより緻密なオフロードクロール機能の制御が可能となるばかりか、未舗装路で左右の車輪を逆回転させることで左右いずれかの方向に最大2回転まで旋回可能な“G-TURN”や、各輪のモーターの駆動トルクを個別に制御することで後輪軸を中心に旋回することができ、大幅に回転半径を縮小する“G-STEERING”など革新的な機能が搭載されている。
そのほか、オフロード走行を視覚的にサポートするオフロードコックピットや、メディアディスプレイに車両前側下部の路面イメージを仮想的に表示するトランスペアレントボンネット機能なども装備。左右ハンドル仕様が設定され、価格は2635万円(税込)となっている。
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