観光バスが高速道路の分岐地点に設置されたポール型コーン(ソフトコーン)を無理やり乗り越えて車線変更している動画が、ネットで話題となっている。
Xに「混んでるからってバスがそれやっちゃダメじゃね笑」というコメントともに投稿された動画は、バスの乗務員とみられる人物がポール型コーンを踏み倒し、その上をバスが通過しようとする様子から始まる。
バスが倒れたままのコーンの上を差し掛かると、乗務員が退いてさらに前進。おそるおそるといった感じで低速で進むものの、前輪の後ろ部分付近が狭い間隔で設置されている隣のコーンにぶつかってしまう。
数秒間停車するものの、意を決したかそのままさらに前進し、2本のコーンを倒したまま通過し、隣の車線に抜けていった。柔軟性のあるコーンは、バスの通過後、元の形・位置に戻っていた。
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動画にうつっていた標識や周辺の様子から、撮影された現場は、南へ向かう近畿自動車道下り線から阪神高速13号東大阪線に入る分岐地点とみられる。
“強行突破”の理由は不明だが、この投稿に対しては、「これはだめでしょ」「無謀すぎる」など批判する意見が相次いでいたが、「バス会社にそうしろって命令されたんですかね?運転手だけの判断とは思えませんね」といった指摘もあった。
高速道路やジャンクションのランプウェイ(傾斜路)は原則として「一方通行」となっているため、これに反する通行をすれば「通行禁止違反」などになりうる。
今回のケースのような分岐地点で進路を変えたい場合はどうすればよかったのか。
今回の現場ではないが、近畿自動車道を管理するNEXCO西日本の担当者は、弁護士ドットコムニュースの取材に対し、「そのまま走行し、次のインターチェンジで流出した後、再度正しい進行方向へ流入してください」と回答。「高速道路上での急な進路変更等は、重大事故につながる危険行為ですのでおやめください」と呼びかける。
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バスが元いた車線は渋滞していたようだが、移る先の車線は空いていたため、複数台の車が高速度で走行していた。
車が出てくることがまったく想定されていない場所から合流しようとすれば、重大な事故につながりかねず、危険極まりない“強行突破”だったといえる。
動画にうつっていた観光バスの運営会社「播磨乃国観光バス」(兵庫県たつの市)は11月1日、公式ホームページで「大阪市内において、弊社乗務員が法令に抵触する恐れのある事態を発生させました」とするお詫び文を公表した。
「交通使者としては、あってはならないことをしました」とし、所轄の警察・運輸局にはすでに報告済みで、指導を待つ状況だとしている。また、「当該乗務員と管理者を含め、厳正な処分を下しました」といい、今後の対策として、「このような事を二度と起こさぬよう、会社として乗務員の教育を徹底し、法令を必ず守る事を指導して参ります」としている。
(2024年11月1日21時30分、観光バス運営会社の公表文を追記しました)
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