「ずっとのお家」で階段に座って家族の帰りをじっと待ち続けるオス猫のシロ。特にこの家のお兄ちゃんとは大の仲良しで一緒にイビキをかきながら、お昼寝するのが大好きです。
パパはたくさん抱っこしてくれて一緒におもちゃで遊んだりもするし、ママが用意してくれるご飯は天下一品。いつも綺麗なお部屋で過ごし、いっさいの不安なくいつも穏やかに幸せに過ごしています。
ある日突然生まれてきたシロを前に大慌て
そんなシロ、もともとは外猫のお母さん猫から生まれた子猫でした。お母さん猫は近所の人にエサをもらっていましたが、避妊などをしてもらうことはありませんでした。そんな中、このお母さん猫はある日突然シロを産んだそうです。生まれてきたシロの存在を知った近所の人は大慌て。宮崎県の保護団体・咲桃虎(さくもんと)に相談を持ちかけ、同団体がまずはシロを含む近隣の猫たちにTNRを実施しました。
後に「生まれて間もない、シロをそのままリターンするのはあまりに危険」と、同団体が保護に切り替え、3カ月ほどお世話することに。さらに、冒頭の優しく穏やかな家族への譲渡に繋いだというわけです。
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「僕のお母さんはどこ?」「お母さんのところに帰りたい!」
今では幸せいっぱいのシロですが、初めて里親さんのお家に来た際には警戒気味でした。「ここは一体どこ!?」「僕のお母さんはどこ?」「お母さんのところに帰りたい!」とばかりに一晩中鳴き続け、里親さんも少し不安になったと言います。
しかし、泣き続けるたびに優しいパパがシロをずっと抱っこし、「大丈夫だよ」「ここがシロの新しいお家だからね」と声がけを続けました。そのパパの腕の中であれだけ鳴き叫んでいたシロもだんだんウトウト。「この家ではもう、泣かなくてもいいのかもしれニャいな…」と、やがて安心した表情を浮かべ、鳴き叫ぶようなことはなくなりました。
存在そのものが「宝物」。いてくれるだけでいい
里親さん家族は、シロのことを「宝物だ」と言います。シロがいてくれるだけで、家の中が明るくなり、みんなを幸せな気持ちにさせてくれからです。シロもそんな里親さんの気持ちを知ってか、自由にのびのび、たくさん寝て、遊んで、食べて、今の生活を楽しんでいます。
外猫のお母さんから生まれ、そのまま放っておけば得ることがなかったシロの「ずっとのお家」。この温かい家での穏やかな毎日が1日でも長く続くと良いですね。
(まいどなニュース特約・松田 義人)
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