ディズニーの名作に挑むマッツ・ミケルセン「歌うことは最大の挑戦だった」【インタビュー】

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2024年12月02日 10:01  ORICON NEWS

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『ライオン・キング:ムファサ』キロスの声をマッツ・ミケルセンが演じる(C)2024 Disney Enterprises
 ディズニー・アニメーション映画の名作『ライオン・キング』(1994年)を“超実写化”した2019年公開の映画『ライオン・キング』に続く第2作『ライオン・キング:ムファサ』が、今月20日に公開される。新作は、シンバの父ムファサの若き日に焦点を当てた、はじまりの物語。

【動画】映画『ライオン・キング:ムファサ』超実写吹替版予告

 息子シンバを命がけで守った父ムファサ王。孤児であった彼の運命を変えたのは、ムファサの命を奪った“ヴィラン”スカーとの幼き日の出会いだった。血のつながりを越えて兄弟の絆でむすばれたムファサと、かつては“タカ”と呼ばれたスカー。彼らは、冷酷な敵ライオンから群れを守るため、新天地を目指す旅に出るが…。ムファサを偉大な王にした、知られざる若き日の兄弟の絆と、そこに隠された秘密とは?

 本作の新キャラクター、若き日のムファサたちの前に立ちはだかる、冷酷な敵ライオンのキロスを演じるマッツ・ミケルセンに、作品への思いを語ってもらった。

――マーベル、『スター・ウォーズ』、『ファンタスティック・ビースト』、『インディ・ジョーンズ』、そしてついにディズニーの名作にも出演を果たしました。オファーを受けた時の率直なお気持ちを教えてください。

【マッツ・ミケルセン(以下M)】とても光栄に思いました。『ライオン・キング』は、僕の子どもたちが見て育った作品です。だから、僕の人生の大きな部分を占めています。そして、僕はほかのディズニー映画も見て育ちました。だからデンマーク人として、ディズニー映画のオリジナル・アメリカ版で大役のオファーを受けることは、素晴らしく名誉なことです。だから全く躊躇しませんでした。監督のバリー・ジェンキンスに会い、脚本も本当に気に入りましたし、何より彼のビジョンが衝撃的だったんです。だから、やりたくないと思う部分は少しもありませんでした。

――世界的フランチャイズ作品が並ぶ、ご自身のフィルモグラフィーをどう感じているのでしょうか?

【M】そういうふうに言われると、 すごくいい気分がしますよ。でも、そういうことはあまり深く考えないです。多分、年を取ったら、雨の日とかに考えるでしょう。僕はただ自分の人生を生きている最中で、仕事をする時、仕事をしているだけです。だから、あまり振り返ってじっくりと(出演作を)数えたりすることはありません。でも、とても興味深い作品に携わってきたと実感しています。

――オファーが絶えない状況が続いていますが、幸運を引き寄せたり、運を生かしたりするために、何か努力していること、注意を払っていることがあれば教えてください。

【M】いいえ。何か特定のものを探しているわけでも、特定のジャンルを探しているわけでもありません。何かオファーが来て、それが面白いと思えば、僕はインスピレーションを受けます。今まで考えたこともないようなものでも、突然 「わぁ、面白い 」と思うかもしれないんです。だから、理想的な念願のプロジェクトというのはありません。監督の野心が、僕の野心にもなります。だから、インスピレーションが湧いたら、すぐに彼らから盗んだり借りたりするんです。

■ヴィラン・キロスとシェイクスピア的新たな物語の魅力

――キロスの魅力を教えて下さい。

【M】彼の魅力ですか。そうですね(笑)。まあ、明らかに、彼はヒーローの強力な敵役になります。ヒーローたちの、と言うべきですね。彼に従う連中にとって、彼の魅力は、彼がのけ者であるということです。彼は、とても小さな子どもだった頃に、部族から追い出されました。そして、同じ境遇にいるライオンたちを利用することで、手ごわいライオンの一団を作り上げました。ケーキのかけらを欲しがる辛辣なライオンたち。率直に言うと、ケーキを全部欲しがる辛辣なライオンたちなんです。それが、彼の信奉者たちにとっての彼の魅力です。彼は、彼らと同じ境遇にあります。彼らはみんなのけ者なんです。そのことが、彼らを団結させるんです。

――キロスを演じる上で最大の挑戦は何でしたか?

【M】僕にとって最大の挑戦は、歌を歌うことだったと思います。僕は歌手じゃありません。歌うことにすごく抵抗があります。人前で歌ったこともありません。だからそれは初めての経験でした。美しい曲だし、台無しにしたくありませんでした。それに、この映画には素晴らしい歌手や歌声の持ち主がいることも知っています。だからプレッシャーは感じました。それが挑戦でした。でも、もし歌手に歌ってほしかったら、彼らは歌手にオファーしたでしょう。彼らは僕を求めました。彼らは僕にキャラクターであることを望んだんです。歌手としてではなく、キャラクターとして。だから、僕はそのようにアプローチしました。

――歌う準備はしたのですか?

【M】(笑)ただ歌のコーチに会ったんです。そして、僕たちは一緒にウォームアップをして、仕事を始めました。彼は素晴らしいアドバイスをしてくれました。そこには、僕が何も知らないテクニックの世界があるんです。いくつか学びました。

――映画の中でお気に入りの曲をお聞きしようと思いましたが、多分、その曲ですね?

【M】もちろん、それが、今の僕にとって一番身近な曲です。でも、「ミレーレ」と呼ばれるテーマソングも大好きです。それも美しい曲だと思います。

――また本作に触れて、頭の中で思い浮かんだことはありましたか?

【M】ディズニーの作品が多くの人たちに愛される理由は、常にキャラクターたちを(観客に)認識できるものにしたことだと思います。明らかに、高められたキャラクターです。僕は、キロスのように極端な人は知りません。でも、僕たちは彼らの特徴を認識できます。僕がいつも話しているように、それはシェイクスピアの物語です。20世紀であろうと、14世紀であろうと認識できます。その人間的な特徴には認識できるものがあるんです。それがディズニーがとても上手く出来ることだと思います。生と死、兄弟、没落していく王、栄華を極める王、そして、ここでは彼らが言うところの「サークル・オブ・ライフ(生命の連環)」と、シェイクスピアと同じレベルの仕事だと思います。

――あなたを愛する日本のファンがたくさんいることはご存知の通りです。日本の観客にこの映画から何を感じ取ってもらいたいですか?

【M】そうですね。日本の観客は、世界中の誰もが受け取るべきものを受け取るべきだと思います。もしオリジナルの『ライオン・キング』のファンなら、ムファサがどうやってムファサになったのか、絶対に見るべきだと思います。そして、王国は瞬く間に興隆し、滅亡するということを。今回の作品は、美しく独立した映画なんです。でも、オリジナルの『ライオン・キング』と明らかにリンクしています。古典的なアニメーションの雰囲気も残っているんです。それは、僕たちみんなが大好きなものだと思います。

――お話し出来てよかったです。映画を見るのが待ちきれません。

【M】(日本語で)アリガトウ。

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