【ワシントン時事】世界銀行が3日公表した国際債務報告書によると、途上国の債務は2023年、総額で前年比2.4%増の8兆8365億ドル(約1300兆円)となり、過去最高を更新した。コロナ禍で膨張した債務が、国際的な金利上昇などで一段と増加している。
利払いを含めた債務返済額も1兆4000億ドルと、過去最高を記録。債務増大に加え、世界の金利水準が約20年ぶりの高水準となったことが響いた。この結果、「多くの国で、医療や教育、環境といった重要な分野の予算が圧迫されている」(世銀)という。
報告書によれば、民間投資家が途上国から資金を引き揚げる一方、世銀やアジア開発銀行(ADB)をはじめとする国際開発金融機関(MDBs)は融資を拡大し、途上国の資金繰りを支えている。