2024年12月5日、『2024-2025 日本カー・オブ・ザ・イヤー』の最終選考会が開催、各賞の受賞車が発表されたが、栄えある日本カー・オブ・ザ・イヤーの栄冠は『ホンダ・フリード』が勝ち取った。
また、インポート・カー・オブ・ザ・イヤーにはBMWが発売する『MINIクーパー』、デザイン・カー・オブ・ザ・イヤーは『ミツビシ・トライトン』とミツビシが2年連続授賞。テクノロジー・カー・オブ・ザ・イヤーは『ホンダ CR-V e:FCEV』が受賞している。
日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したホンダ・フリードは、2001年から2008年までのあいだ、3列シートを有する5ナンバーコンパクトミニバンとして販売されていたホンダ・モビリオの後継車種として、2008年に初代が誕生。2016年の2代目フルモデルチェンジを経て、2024年6月に現行型となる3代目が発売された。
現行型のフリードは、セールスポイントであった5ナンバーのボディサイズをキープしたことで、日本のどんな道でも気軽に走っていける取り回しのよさを継承。パワートレインには2モーターハイブリッドシステム『e:HEV』を新採用することにより、よりスムーズで軽やかな乗り味を実現している。
そのほか、座り心地のいい3列目シートや広々とした車内空間を兼ね備えているため、大人数での移動や、長尺物や多くの荷物を載せたいシチュエーションにも幅広く対応できる懐深さにも磨きがかかっている。日常使いはもちろん、週末のサーキット観戦などでも大いに活躍できるのがホンダ・フリードだ。
『2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー』のノミネート車は、2023年11月1日から2024年10月31日までに発表、または発売された乗用車が対象となり、その車種からまず一次選考を実施。そこで選ばれた上位10台が、10ベストカーとして最終選考にかけられる。そして本日、栄光の日本カー・オブ・ザ・イヤー受賞者が発表された。授賞理由は以下のとおり。
■2024-2025 日本カー・オブ・ザ・イヤー選考結果
2024-2025 日本カー・オブ・ザ・イヤー:ホンダ・フリード
【授賞理由】
5ナンバーサイズで3列シート。日本市場で重用されるファミリーカーゆえ、これまでは突出したキャラクターを生み出しづらかったことも事実。ホンダはそこに切り込んだ。
居住性、使い勝手のよさに磨きをかけるとともに、動的質感の向上、ひいては操縦の喜びをも加味することに成功した。ガソリンエンジンモデルに加え、ホンダ独自のハイブリッド「e:HEV」を加えたことも大きな魅力のひとつ。
ホンダが大切にしているM・M(マン・マキシマム、メカ・ミニマム)思想を見事現代に体現した1台である。
■2024-2025 インポート・カー・オブ・ザ・イヤー:BMW MINIクーパー
【授賞理由】
シンプルさ、痛快なドライブフィール、ラジカルさ……新型MINIクーパーはその伝統的名称からユーザーが期待するすべてを高次元で進化させた。10ベストカーに4台の輸入車が選出されたなかで、EVだけでなくガソリンエンジンモデルをラインナップしたのはMINIクーパーのみである。
BMW7シリーズと同等の安全装備/運転支援システムを装備したことも注目に値する。コクピットのデジタライズ、リサイクル素材の積極採用など、実用性と遊び心を満載させた点も面白い。
■2024-2025 デザイン・カー・オブ・ザ・イヤー:ミツビシ・トライトン
【授賞理由】
昨年に続きデザイン賞は三菱が獲得した。前回が軽自動車のデリカミニだったのに対し、今回はピックアップトラックの世界戦略車、トライトンでの受賞である。
スリーダイヤモンドのお家芸である4WDを、一見武骨な、しかしだからこそ新しいライフスタイルを想起させる造形としたことが授賞につながった。堅牢なフォルムに同社が「ダイナミックシールド」と呼ぶ大胆なフロントエンドのデザインが調和。難しいダブルキャブでありながらバランスの取れたプロポーションを実現している。
■2023-2024 テクノロジー・カー・オブ・ザ・イヤー:ホンダ CR-V e:FCEV
【授賞理由】
燃料電池車のパイオニアであるホンダのCR-V e:FCEVが受賞した。いまだマイナープレイヤーであるFCEVの民主化を目指し、スタックの小型化、高効率化を実現。同時に低コスト化と高耐久性も両立し、人気カテゴリーであるミドルクラスSUVカテゴリーに投入した意義は大きく深い。
また水素ステーションが少ない不安を払拭するために、外部充電が可能なプラグインハイブリッドとして使い勝手を向上させた点も高い評価を得た理由である。
◾️実行委員会特別賞:マツダ『e-SKYACTIV R-EV』
【授賞理由】
マツダ独自の技術として世界で初めて実用化に成功したロータリーエンジン。環境問題を理由に命脈を閉じたかに見えたこの日本固有の技術資産を、発電機として用いる新しいパワーユニットe-SKYACTIV R-EVとして復活させ、未来に向けさらに進化させる道筋を拓いたことを評価した。