セリエA第15節が6日に行われ、アタランタとミランが対戦した。
ジャン・ピエロ・ガスペリーニ監督体制となって9年目のシーズンを過ごすアタランタは、昨季ヨーロッパリーグ(EL)を制した勢いそのまま、今季も悪くない滑り出しを見せている。前節終了時点での成績は10勝1分3敗で、勝ち点「31」を積み上げて現在2位につけている。3年ぶりに参戦中のチャンピオンズリーグ(CL)でもここまで3勝2分と無敗を維持しており、ここまでの戦いは上々と言える。
一方、今夏にパウロ・フォンセカ新監督を迎えてシーズンをスタートさせたミランは、開幕直後こそ躓いた印象も受けたものの、現在はCLやコッパ・イタリアも含めた公式戦7試合を5勝2分と無敗で駆け抜けるなど、徐々に調子を上げてきている。セリエAでは前節終了時点で6勝4分3敗の成績を残し、勝ち点「22」を獲得。現在の順位は7位だが、消化試合数は1つ少なく、まだまだ上位戦線に食いついていけそう。そのためにも、上位陣との直接対決となる今節は、是が非でも白星が欲しい。
アタランタは現在12得点でセリエA得点ランキングのトップを走るマテオ・レテギをベンチスタートとしたものの、7得点を挙げて同ランキング4位につけるアデモラ・ルックマンらがスターティングメンバー入り。対するミランは、テオ・エルナンデス、ラファエル・レオン、アルバロ・モラタらが先発に名を連ねた。
試合はキックオフから10秒ほどで、マリック・チャウからの縦パスを起点として、ミランがチャンスを作り出す。中央へ絞ったラファエル・レオンの縦パスから、ユヌス・ムサが反転してスルーパスを送ると、追い越す動きを見せたクリスティアン・プリシッチが右足で強烈なシュートを放つも、GKマルコ・カルネセッキに阻まれる。続く6分にもまたもチャウの縦パスから、モラタからの落としを受けたムサが前方へ繋ぎ、R・レオンからのパスを受けたテオがボックス左へ入り込むも、左足でのシュートはラウル・ベッラノーヴァにブロックされる。
良い入りを見せたのはミランだったが、先手を取ったのはアタランタだった。12分、敵陣左サイドでフリーキックを獲得すると、マルテン・デ・ローンが右足でインスイングのボールを送る。このボールを、テオ・エルナンデスの上からシャルル・デ・ケテラーレが頭で叩き込み、アタランタが先制に成功。デ・ケテラーレにとっては古巣相手のゴールとなった。
ミランは早くも1点を追いかける展開を強いられたものの、22分には試合を振り出しに戻してみせる。自陣左サイドからテオがドリブルでボールを持ち運ぶと、左足で背後のスペースへスルーパスを供給。抜け出したR・レオンがダイレクトで折り返すと、ファーサイドへ詰めていたモラタが押し込んだ。モラタの2試合連続ゴールで、ミランが同点に追い付いている。
その後はアタランタがより多くのチャンスを作り出し、ベッラノーヴァやマリオ・パシャリッチらがゴールに迫るも、勝ち越しには至らない。対するミランは38分、直前の接触プレーによってプリシッチが負傷し、プレー続行が不可能に。2列目の中央で攻撃を彩るアタッカーが交代を強いられ、代わってルベン・ロフタス・チークが送り出された。
1−1で後半へ折り返すと、アタランタがゴールに迫るシーンの数を増やしながらも、なかなか次の1点は生まれない。ミランも時間の経過とともに敵陣で過ごす時間を過ごしながら、効果的な形でボックス内へ入るシーンは限定されたまま、試合は終盤に突入する。
76分にはアタランタが3枚の交代カードを切り、レテギがピッチへ登場。直後の78分には、アタランタがカウンターからゴールへ襲いかかる。デ・ローンからの縦パスを受けたラザール・サマルジッチがピッチ中央でうまくターンし、ペナルティエリア手前までボールを持ち運んで左へ預けると、待っていたルックマンがカットインからフィニッシュ。ファーを匂わせつつ、コンパクトな振りでニアサイドを狙った一撃は、GKマイク・メニャンに弾き出される。
それでも、試合はこのままでは終わらなかった。87分、アタランタは右コーナーキックを獲得すると、サマルジッチが左足でニアサイドめがけたボールを送る。飛び込んだセアド・コラシナツが頭で逸らすと、ファーサイドへ詰めていたルックマンが頭で沈める。土壇場でアタランタが勝ち越しに成功した。
試合はこのままタイムアップ。この結果、アタランタはクラブ記録に並ぶ9連勝を飾った。一方のミランは痛恨の失点により、セリエAでは5試合ぶり、公式戦では8試合ぶりの黒星を喫した。
この後、両チームはミッドウィークにCLの戦いを控えている。アタランタは10日にレアル・マドリードと、ミランは11日にホームでツルヴェナ・ズヴェズダと、ともにホームで対戦する。
【スコア】
アタランタ 2−1 ミラン
【得点者】
1−0 12分 シャルル・デ・ケテラーレ(アタランタ)
1−1 22分 アルバロ・モラタ(ミラン)
2−1 87分 アデモラ・ルックマン(アタランタ)