2024年F1第24戦アブダビGP 平川亮(マクラーレン・リザーブドライバー) 2024年のF1最終戦、第24戦アブダビGPの金曜フリー走行(FP1)でF1公式セッション初デビューを果たした平川亮。TOYOTA GAZOO Racing(TGR)からWECに参戦しつつ、マクラーレンでF1リザーブドライバーを務めている平川はこれまでシミュレーターや旧車のF1マシンでのテスト走行は行っていたが、現行マシン&公式セッションでの走行は今回が初めてとなる。19周を走り、14番手のタイムをマークした平川が走行後の取材に答えた。
⎯⎯F1グランプリの公式のセッションに参加して、セッションを終えた今の率直な感想は?
「コンストラクターズ選手権のチャンピオンシップがかかった大事な最終戦だったので、緊張感を持ちつつ走りました。このような大事な一戦のフリー走行に僕を走らせてくれたマクラーレンには感謝の気持ちでいっぱいです。また、それをサポートしてくれたトヨタとTGRにも感謝しています。今日は空力のテストが主で、ほとんど限界で走らせることはしなかったので、タイムとしては納得のいくものではなかったのですが、緊張感のある中で任された仕事はすべてこなすことができたので、まずは一安心です」
⎯⎯マクラーレンから出場して走った気分はいかがですか?
「日本人で初めてF1の公式セッションでマクラーレンを走らせたという意味で、とても特別な一日となりました」
⎯⎯木曜日にはダイレクター・レースエンジニアの今井弘さんとも話をしていましたが、走行前にマクラーレン側から何かアドバイスとかありましたか(ザック・ブラウンが見守る中)。
「特別なことはありませんでした。このテストに向けてシミュレーターや2年前のマシンを走らせたりして準備をしてきたので、『楽しんで』と言われたぐらいで、心配もなく送り出してくれました」
⎯⎯今日のテストではどんなメニューを行っていたのでしょうか。
「まずは空力のテストです。あとはさまざまなプロシージャー(手順)を確認していました。ですので、アタックする時間は最後に少ししかなかったのですけど、その限られた中でベストは尽くせたかなと思います」
⎯⎯初めて最新のF1マシンの感触はいかがでしたか?
「今年、TPC(Testing of Previous Car/旧車でのテスト)といって2年落ちのF1を走らせたことはあったのですが、2年前のこのチームはまだトップじゃなかったので、今年コンストラクターズ選手権争いをしているトップチームの最新のマシンは全然違いました。バランス自体は2年前のクルマとそんなに変わらないのですが、とにかく、限界値がとても高くなったなと感じました」
⎯⎯モリゾウさんが『世界一速いクルマに乗せたい』という思いで、このようなプロジェクトを推進して、今回こうして世界一速いマシンに乗ることができました。
「おそらく今、このチームのマシンが世界一速いと思うので、そのクルマに乗ることができて感謝しかないです。自分がレースを始めたきっかけはF1でしたし、モリゾウさんをはじめたとしたTGRのサポートがあり、30歳にもなって、ルーキーとして世界一速いクルマに乗ることができて、本当に自分はラッキーだったと思います。今回、父親(晃/あきらさん)も来ていて、カート時代から僕の走りを見てきてくれた父親に、こういう姿を見せられて、自分としても忘れられない一日となりました」
なお、平川は、アブダビGP後の火曜日に行われる同じアブダビでのF1合同テストに、ハースから参加することが発表されている。