2歳女王を決するGI阪神ジュベナイルフィリーズ(京都・芝1600m)が12月8日に行なわれる。
過去10年の結果を振り返ってみると、1番人気が5勝。その後の3歳クラシックでも活躍している馬の多くが上位に名を連ね、比較的堅いレースの印象がある。
だが、直近5年は3連単の配当がすべて万馬券。6番人気以下の伏兵が馬券圏内(3着以内)に突っ込んでくることが多く見られ、波乱含みのレースとなっている。
ならば、今年も"荒れる"ことを見越して、好配当狙いに徹してみるのも悪くない。そこで、過去10年の結果を参考にして、今回のレースで激走しそうな伏兵候補をあぶり出してみたい。今年は、本来の舞台である阪神競馬場が改修工事のため、京都競馬場での開催となるが、開催時期や距離は変わらないため、阪神での過去データをそのまま参照する。
まず、過去10年で馬券に絡んだ30頭の阪神JFまでの戦績を見てみると、GIIIアルテミスS(東京・芝1600m)以外のレースで4着以下に敗れた経験がある馬は1頭もいない。それを踏まえて、アルテミスS以外のレースで馬券圏外に沈んだ馬は外したい。
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該当するのは、出走18頭中5頭。残ったのは、13頭。穴馬候補となる馬は、この13頭の中からピックアップしたい。
再び過去10年で馬券に絡んだ30頭の臨戦過程を見てみると、前走で最も多かったのはアルテミスS組。なかでも、1着馬が5頭もいる。
となると当然、今年も同レース(10月26日)を勝ったブラウンラチェット(牝2歳)は最有力候補。手綱を取るのが、過去に2勝、2着2回と好成績を残しているクリストフ・ルメール騎手。さらに、管理するのが過去に3頭の馬を馬券圏内に導いている手塚貴久厩舎となれば、もはや"鉄板"か。
とはいえ、同馬はおそらく断然の1番人気。穴馬探しが基本のここではさすがに推奨できないが、馬券購入の際には押さえておいたほうがいいだろう。
さて、臨戦過程に話を戻すと、アルテミスS組の次に多いのがGIIIファンタジーS組(京都・芝1400m。※2020年〜2022年は、阪神・芝1400m)。特に直近6年で、ファンタジーS1着馬が3頭も馬券圏内に入っている(うち2頭は優勝)。狙わない手はない。
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今年(11月2日)の勝ち馬は、ダンツエラン(牝2歳)。4番人気での勝利のうえ、不良馬場でのレースだったことから、阪神JFに向けても評価は上がっていない。だが、過去の例からして、軽視は禁物である。
最近の傾向という意味では、1勝クラスのサフラン賞(中山・芝1600m)で連対している馬も外せない。直近5年で人気、人気薄にかかわらず、同レースで連対していた馬が4頭も馬券圏内に入っているからだ。
2019年に6番人気で2着と好走したマルターズディオサ、2020年に2番人気で2着となったサトノレイナス、2021年に4番人気で3着に入ったウォーターナビレラ、2023年に5番人気で2着と奮闘したステレンボッシュらがそう。となれば、今年もサフラン賞(9月29日)で勝ち負けを演じている(1、2着)馬には注意を払うべきだろう。
当てはまるのは、クリノメイ(牝2歳)。札幌の新馬戦(8月10日/芝1500m)を勝ったあと、サフラン賞でも中団から抜け出して快勝した。
目下2戦2勝だが、派手な勝ち方をしていない分、かなりの低評価にとどまりそうな様子。だが、接戦を勝ち抜いてきた力はホンモノ。阪神JFでもゴール前混戦となれば、最後に同馬が抜け出しても不思議ではない。
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昨年同様、今年も混戦模様の2歳女王決定戦。はたして、栄冠を手にするのは人気のブラウンラチェットか、はたまた、人気薄の伏兵か。後者であれば、ここに挙げた2頭の可能性も十分にある。