F1昇格のボルトレートがFIA F2タイトル獲得。ハジャル、スタートで散る/第14戦レース2

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2024年12月08日 19:40  AUTOSPORT web

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2024年FIA F2第14戦ヤス・マリーナ ガブリエル・ボルトレート(インビクタ・レーシング/マクラーレン育成)
 12月8日、2024年FIA F2最終戦/第14戦のフィーチャーレース(決勝レース2)が、アブダビのヤス・マリーナ・サーキットで開催され、ジョシュア・デュルクセン(AIXレーシング)が今季2勝目を飾った。

 2024年のドライバーズタイトルは来季キック・ザウバーからF1デビューを飾るガブリエル・ボルトレート(インビクタ・レーシング/マクラーレン育成)が獲得。宮田莉朋(ロダン・モータースポーツ/TGR WECチャレンジプログラム)は10位でチェッカーを受け、8度目の入賞でシーズンを締め括った。

 2024年FIA F2最終レースとなる第14戦フィーチャーレースのグリッドは6日に行われた予選結果順となり、ビクトール・マルタンス(ARTグランプリ/アルピーヌ育成)がポールポジションを獲得。

 2番グリッドにランキング首位ボルトレート、3番グリッドに4.5点差でランキング2位のアイザック・ハジャル(カンポス・レーシング/レッドブル育成)が続き、ドライバーズタイトルの可能性を残す2名の直接対決に注目が集まった。

 なお、11番グリッドからスタートを迎えるはずだったアンドレア・キミ・アントネッリ(プレマ・レーシング/メルセデス育成)はこの日も体調不良に見舞われ、スプリントレースに続いてこのフィーチャーレースへの出走も取りやめたことがアナウンスされている。

 今回のタイヤコンパウンドはプライムタイヤがミディアム(イエロー)、オプションタイヤがスーパーソフト(パープル)となるなか、上位勢を中心に13台がオプションタイヤをスタートタイヤに選択。8台いるプライム勢の最上位は6番グリッドのジョセップ・マリア・マルティ(カンポス・レーシング/レッドブル育成)となった。

 現地時間13時25分を過ぎ、33周のフィーチャーレースは気温30度、路面温度43度、快晴のもとでスタートを迎えた。
 ただ、3番グリッドのハジャルはグリッドから動くことができず、事実上ここでシリーズタイトル争いは決してしまうかたちに。対照的に好スタートを決めたボルトレートがトップでターン1のホールショットを手にした。

 2番手にプライムスタートのマルティ、3番手にクッシュ・マイニ(インビクタ・レーシング/アルピーヌ育成)が続いた。ハジャルは2周遅れでコースに復帰したが「人生でもっとも最悪なシーンだ」と無線を飛ばした。

 ハジャルの後退で7番グリッドの宮田は6番手に浮上。ただ、スタートで大きく出遅れたポールシッターマルタンスとの6番手争いで先行を許すと、その間隙をついたオリバー・ゲーテ(MPモータースポーツ/レッドブル育成)にかわされ8番手でオープニングラップを終えた。

 7周目、マルティをかわして2番手に浮上したマイニ、8番グリッドから順位を上げたデュルクセン、マルタンス、ゲーテ、宮田の背後にいたオリバー・ベアマン(プレマ・レーシング/フェラーリ育成)らがここでプライムタイヤに履き替える。なお、マイニはピットでタイムロスがあり、ポジションを大きく下げることに。

 翌8周目にボルトレート、宮田らがプライムに履き替える。ボルトレートがタイヤ交換組首位、1周早めに履き替えたデュルクセンが交換組2番手、マルタンスが交換組3番手でコースに復帰したが、アウトラップのボルトレートをデュルクセンとマルタンスがかわし、ボルトレートは交換組3番手に後退する。

 また、宮田も1周早く交換を済ませたベアマンにアンダーカットを許し、交換組8番手とポジションを下げることに。ただ、ゲーテとベアマンが交換組6番手争いで接近戦を繰り広げるなか、前後の間隔をキープしつつ、宮田はタイヤを温存しつつボルトレートらとも遜色ないペースで周回を続けた。

 なお、18周目にはリチャード・フェルシュフォー(MPモータースポーツ)がマルティをかわして未交換組(プライムスタート)の首位に浮上。レース後半を迎え、タイヤの限界が近づくなか、フェルシュフォーは自己ベストを連発する好走を見せる。

 28周目、未交換組首位のフェルシュフォーが交換組首位デュルクセンに21秒差というなかでピットイン。29周目にポール・アーロン(ハイテック・パルスエイト)が最後にタイヤ交換を済ませると、デュルクセン、マルタンス、ボルトレート、ベアマン、フェルシュフォー(フレッシュタイヤ)、ベガノビッチ、ゲーテ、宮田、マルティ(フレッシュタイヤ)、アムーリ・コルデール(ハイテック・パルスエイト/フレッシュタイヤ)というトップ10に。

 オプションタイヤへ履き替えた直後のプライムスタート勢はオプションスタート勢を2秒近く上回るペースを見せ、30周目にはフェルシュフォーがベアマンをパスし4番手、同じく30周目にマルティが宮田をかわし9番手に浮上する。

 31周目にはマルティがゲーテをかわし7番手、コルデールが宮田をかわし9番手に浮上する。これで10番手に下がった宮田だが、11番手アーロン(フレッシュタイヤ)までは32周目時点で5.5秒、ファイナルラップを迎えた時点で2.3秒のギャップが空いており、ここは死守することが叶った。
 
 また、ファイナルラップではフェルシュフォーがマルタンスをかわし3番手に浮上。さらにはマルティがベガノビッチをパスし6番手に浮上するなど、最後まで目が離せない戦いが続いた。

 33周目を終えてデュルクセンがトップチェッカーを受け、今季2勝目、フィーチャーレース初優勝を飾った。2位にボルトレートが続き、ボルトレートが2024年シーズンのドライバーズタイトルを獲得。2023年のFIA F3タイトルに続き、2年連続でチャンピオンの称号を掴んだ。3位にフェルシュフォーが続いた。

 4位マルタンス、5位ベアマン、6位マルティ、7位ベガノビッチ、8位コルデール、9位ゲーテ、10位宮田までがポイントを獲得。宮田はアーロンの猛追を0.093秒という僅差で退けてシーズン8度目の入賞を果たした。

 ドライバーズランキングは、ボルトレートが214.5点獲得でシリーズチャンピオンに輝き、192点獲得のハジャルがランキング2位、163点獲得のアーロンがランキング3位、そして最終戦アブダビを欠場したゼイン・マローニ(ロダン・モータースポーツ)が140点でシリーズ4位となり、宮田は31点獲得のランキング19位となった。

 そしてチームタイトルは288.5点獲得のインビクタ・レーシングが獲得。2024年シーズンはインビクタがダブルタイトルを手にするかたちで結末を迎えた。

 激戦が続いた2024年シーズンのFIA F2は幕を閉じた。なお、レースウイーク明けの12月11〜13日にはヤス・マリーナ・サーキットでFIA F2ポストシーズンテストが開催され、近日中にはエントリーリストも明らかにされる予定だ。2025年シーズンもF1直下の戦いに注目したい。

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