俳優の西岡徳馬(※徳=旧字体/78)が9日、都内で開かれた初の自伝『未完成』(幻冬舎刊)の発刊発表会見に登場した。
【写真】78歳にしてスリムで脚長のスタイルをキープしている西岡徳馬 本書では、新境地を開いた『幕末純情伝』、一世風靡した『東京ラブストーリー』、そして2024年のエミー賞で最多部門賞を受賞した『SHOGUN 将軍』などの出演経緯や裏話、高倉健さんの生き様、勝慎太郎さんの懐の広さ、蜷川幸雄さんの不安、夏目雅子さんの笑顔など巨星たちとの等身大のエピソードが満載。半世紀以上の役者人生を歩み、まだ、足りねえ!!」と道後する西岡。無尽蔵のエネルギーでいつの時代も新しく、発展途上で生きる姿を感じられる1冊となっている。
親交のあった幻冬舎の社員から、10年前に自伝を声かけられたが、一度は断ったという西岡。それから数年経て、役者人生も50年を経て、「そろそろいいかなあ」と思うようになり、「もしかしたら書けるかもしれない」と執筆を決意した。
「俳優は死ぬまで現役だと思って」と語る西岡は、「点数を付けられないからどれがいったら完成ということはない。完璧というものはない。未完成って可能性があるっていうことだから素晴らしいね」とタイトルに込めた思いを語った。
当初は、鉛筆で執筆していたが、「消しゴムで消したり、バツにして違う紙に書いたり、すごく大変だったんで、パソコンでやった方がいいのかな」とこれまで触ったことがなかったパソコンに挑戦。「電源はどうやって入れるんだ?から始まって、娘がローマ字で打つんですけど、なんでそんな長く打たなきゃいけないんだって、“にしおか”って4回打ちゃいいんだから」と、かな入力で執筆を行っていたと言う。
さらに、保存せずにシャットダウンしたことでデータが消えたという苦悩も。「今年6月の終わりぐらいから、ポツポツとやり始めたんで、とにかく1本指じゃないとできないんで。でも、1本指が2本指になって」と成長もしたと話す。拙いパソコン操作でも「打ってると絵がこう浮かんでくるんで、カチャカチャ打つよりは、僕みたいなド素人にはそういう打ち方がよかったかもしれないですね」とにっこり笑顔を見せた。