我が家は茨城の一戸建て住まい。近くに賃貸住宅を一軒借りて家電ラボとして色々テストしており、どちらの家も外構や玄関まわりの汚れが気になるようになりました。また、洗車もガソリンスタンドを利用していましたが、洗車代を節約するために自分で手軽にしたくなったので、家庭用の高圧洗浄機を試すことに。
色々と悩んだ結果、ケルヒャー「K5プレミアム サイレント」(以下、K5)を選びました。公式オンラインショップでの価格は9万7,534円です。
○サイレントシリーズはハイパワーで音も静かな高圧洗浄機
ケルヒャーの高圧洗浄機で最高峰となるK5、本体サイズは長さ417×幅306×高さ584mm、重さは13.7kgです。消費電力は1,400W。最初にドライバーを用意して組み立てる必要があります。完成した本体は、高さはあるものの設置面積は小さく、立てて置ける感じなので思ったほど場所は取りません。
最大吐出水量は430L/h、最大許容圧力は12MPaで、家庭用の高圧洗浄機としてはかなりハイパワーです。なお、同じシリーズの「K4」は、最大吐出水量が400L/h、最大許容圧力が11MPa、「K3」は最大吐出水量が360L/h、最大許容圧力が10MPaとなり、見た目は似ているものの、スペックにはけっこう差があります。
装備品も異なります。K5は5in1マルチパワージェット、テラスクリーナー T7 Plus、延長ランス×2本、プレミアムフレックス高圧ホース(12m)、ホースリール、トリガーガンが1セット。K5はノズルを付け替える必要がなく、1本で5種類のモードを切り替えることが特徴です。
ホースもK4とK3は10mと短いので、K5とはスペックも使い勝手も大きく異なっています。価格でも、K5は7万9,800円、K4は6万2,800円、K3は3万3,800円と開きがあるのも納得です。
○そのままでは使えない!? 水道ホースは別途用意する必要が
さて使おう……と思ったら、給水するための水道ホースが必要ということで、慌てて買いに走りました。給水方法として、市販のホースリールから散水ノズルを取り外して接続する方法、バケツに溜めた水を使う方法などがあります。それぞれ必要な部品が異なるので、自宅の環境に合ったものを買い足さなければなりません。
筆者の場合、家電ラボの一軒家は蛇口部分が外ネジ、自宅の蛇口が一般的な蛇口だったので、3m水道ホースセット、泡沫水栓用アダプター、ホースバンドを購入しました。
使うときはK5に水道ホースをつなげ、トリガーガンと高圧ホースを接続。電源プラグをコンセントに差し込み、電源スイッチをオンにします。最終的に本体からは、電源コード、トリガーガン+高圧ホース、蛇口と本体をつなぐ水道ホースという合計3本のホースと、電源コードが出ている形になります。
○何年も掃除していなかったひどい汚れも、どんどん落ちて気持ちイイ!
実際に使ってみると、トリガーガンのレバーを握ると15秒ほどで安定します。レバーを押すと勢いよく水を噴射。トリガーガンがグンと後ろに持っていかれそうなほど、パワフルなので驚きました。
5in1マルチパワージェットは、広角モード(高圧)、サイクロンジェットモード、直噴モード、広角モード、洗浄剤を入れて使う洗浄剤モードの5種類を手元で変えることができます。パワーも噴射される領域も変わるので、ぜひ動画をご覧ください。
日陰の部分にびっしりと苔のようなものが生えており、何年も掃除していないと思われる賃貸住宅の外壁まわりを掃除してみました。不安でしたが、はがれるようにどんどん落ちていきます。見ていると気持ちいいですね。
直噴モードもかなりパワーがあります。なお、このモードは車の塗装面や強度の低い部分には使用不可とありました。
また、床面からの距離で汚れ落ちがかなり変わります。軽い汚れなら30〜40cm離れていても落ちますが、ガンコな汚れは床面から10cm以内で水流を当てるとみるみる落ちました。
床も壁も、どんどんキレイになるのは楽しいもの。5in1マルチジェットノズルは切り替えが簡単なのも、うれしいポイントでした。
○汚れも水も飛び散らないテラスクリーナー T7 Plusが便利すぎる
付属品のテラスクリーナー T7 Plusも使ってみました。こちらは、延長ランス×2本(1本約40cm)を取り付けてから使います。
床面などの広範囲を掃除しやすいテラスクリーナー T7 Plusは、ダイヤルを回して圧力を調整できます。また、角やへり部分の洗浄しやすいモード、広範囲の汚れをすすげるすすぎ洗浄モードも搭載されており、足でボタンを踏み込んで変えられます。
家の北側床面、苔がたくさん生えていて、泥汚れもびっしりついている場所を掃除してみました。5in1マルチジェットノズルで掃除したときもキレイに落ちましたが、けっこう時間がかかり、苔や泥が飛び散って服が汚れてしまいました。
これがテラスクリーナー T7 Plusだと、水が噴射する部分が覆われているので、飛び散りがありません。広範囲を一度に掃除できることも、とてもラクでした。苔なども、はがされていることがわかります。
意外にもとても便利だったのはすすぎ洗浄。せっかく落とした泥も、流さなければ同じところに再び付着してしまいます。広範囲を一気に流してくれるすすぎ洗浄、ぜひ動画をご覧ください。
○車の洗浄もアッという間。短時間でラクラク
いよいよ洗車です。個人的には洗車が苦手で、いつもガソリンスタンドで1回700円ほどかけて機械洗車をしていました。
車にちょうど鳥のフンがついていたので、あえて乾かしておき……。これをケルヒャーの5in1マルチパワージェットで洗浄したところ、一瞬で取れたのは驚きです。
別売りの車専用洗浄剤を本体の洗浄剤ホルダーにセットして使ってみました。これは洗浄剤モードにして使います。
泡が出てきましたが、想像するようなモコモコの泡ではありません。プロの洗車のようにキメ細かい泡で車全体を覆いたい場合は、別売りのフォームノズルを使うとできるそうです。
すぐに汚れが落ちるので、短時間で洗車が終わりました。ガソリンスタンドの機械洗車と比べて、自分の目で確かめながら気になったところをしっかり洗えますし、ピカピカになって大満足。非力な人でもラクにできるので、車を洗うのが楽しい!
○高圧洗浄機は女性もどんどん使ってほしい
10年以上前に、ケルヒャーとは別のメーカー製でコンパクトな高圧洗浄機を購入したことがありますが、パワーが弱く、満足できるものではありませんでした。ケルヒャーの家庭用高圧洗浄機の中でも、プレミアムサイレントシリーズは高価格帯モデルということもあって、とんでもなくパワフル。排水口などのヌメリも一瞬で落ちるので、色々な場所に使えます。
これまでケルヒャーの高圧洗浄機は、工具好きな男性が使っている印象がありましたが、主婦の筆者が使ってみて、女性こそ一度試してほしいと強く思いました。駐車場やベランダなどをゴシゴシするのは大変ですが、K5ならアッという間にピカピカ。すごい威力なので大抵の汚れも落ちますし、洗車も好きになりました。ただし泥汚れなどが多い場所では、汚れが跳ねることがあるのでレインコートなどの着用をおすすめします。
K5の取扱説明書はイラストが少なく、こういった工具に慣れていないと難しい面もありましたが、慣れてしまえば簡単。K5シリーズは水圧も高くパワフルで、取り扱いが簡単です。一戸建ての家でしたら、1台持っていると本当に便利ですよ。自信を持っておすすめできる製品です。
石井和美 いしいかずみ 白物家電のレビューを行う家電プロレビュアー。 2018年より家電をレビューするためだけの一軒家「家電ラボ」を開設。日夜、家電製品のレビューにいそしむ。小型のキッチン家電などにとどまらず、エアコン、冷蔵庫、洗濯機といった大型家電を集めたレビューも手がけている。自身でも「家電Blog」を運営中。 この著者の記事一覧はこちら(石井和美)