12月10日、2024年WRC世界ラリー選手権WRC2クラスに、トック・スポーツのシュコダ・ファビアRSラリー2で参戦していたオリバー・ソルベルグは、2025年シーズンはプリント・スポーツへ移籍し、トヨタGRヤリス・ラリー2に乗って選手権制覇を目指すことを明かした。
スウェーデン出身のソルベルグは、2001年生まれの23歳であり、2003年WRCのドライバーズチャンピオンであるペター・ソルベルグの息子としても知られている。
WRCキャリアの初期では、フォルクスワーゲンやのシュコダのR5に乗ってプライベート参戦。そこで見せた速さが認められ、ヒョンデのR5やラリー2マシン、さらにはラリー1など最高峰クラスへのスポット参戦も重ねた。
しかし、2023年にはそのシートを失い、WRC2クラスのタイトル獲得を目指してシュコダ・ファビアRSラリー2に乗って2シーズンを戦った。
2024年は年間3勝をあげ、自身初王座にもっとも近づいたシーズンとなったものの、3ポイント差でプリント・スポーツのサミ・パヤリ(トヨタGRヤリス・ラリー2)に敗れた。
そのパヤリは2025年TOYOTA GAZOO RacingワールドラリーチームのトヨタGRヤリス・ラリー1のシートを手にしたことで、空いたシートをソルベルグが獲得。2025年のWRC2チャンピオン候補のひとりとなることは間違いない。
トヨタ勢への仲間入りが決まったソルベルグは、「2025年の目標は間違いなくタイトル獲得だ」と宣言した。
「今年達成できたことを本当に誇りに思うが、3ポイント差でチャンピオンシップを逃したのは間違いなく痛かった。だが、今は前を向いている。先ほども言ったように、私とエリオット(・エドモンドソン/コドライバー)の成果をとても誇りに思っているよ」
「シュコダを離れるのは簡単な決断ではなかったが、過去2年間のシュコダ・モータースポーツの皆さんとトック・スポーツのチーム全員にとても感謝している」
「今の目標は、できるだけ多くのWRC2ラウンドで優勝し、もちろん来シーズンのチャンピオンシップを獲得することだ」
さらに、新たに加入するプリント・スポーツについて高い評価を示し、成功の土台が整ったことを言葉にしている。
「プリントスポーツは非常にプロフェッショナルで、すでに成功しているチームだ。さらに、自分は過去のメンバーの多くを知っているので、彼らと一緒に進むのは正しいとわかっている」
「そしてもちろん、(これまでライバルとして戦った)トヨタGRヤリスラリー2についてもすべて知っている。このクルマが初めて登場したのは11カ月前だと考えると、あの活躍は信じられないことだ」
「きっとGRヤリス・ラリー2を初めて運転したとき、初めてその感触がわかると思うが、トヨタ・ガズー・レーシングの開発作業にはみんなで感謝することになると思う」
「今年のラリー・フィンランドでヤリ-マティ(ラトバラ/TGRチーム代表)がGRヤリス・ラリー2運転していたとき、彼より先を走るためにどれだけ頑張ったか。だから、このクルマは速いことはわかっている」
「プリント・スポーツは2025年まで良いテストスケジュールを立てており、いつものように、トヨタ・ガズー・レーシングから追加の開発が出てくることも確信している。できる限りの準備を整える良い計画を進めていくよ」
ペターの息子としてだけでなく、これまで見せてきた攻めの走りやインタビューの言動など、ファンからの人気も高いソルベルグ。これからラリー1へのスポット参戦なども視野に入れていくためにも、2025年は自身の腕をチャンピオンとしてかたちに残す強い走りができるだろうか。