小山美姫が自身初のスーパーフォーミュラ走行へ。テスト参加が決まったときは「うるっときた」

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2024年12月10日 19:40  AUTOSPORT web

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2024スーパーフォーミュラ公式テスト/ルーキーテスト 小山美姫(Kids com Team KCMG)
 12月11〜13日に鈴鹿サーキットで行われる2024年全日本スーパーフォーミュラ選手権(SF)の公式テスト/ルーキーテストに参加する小山美姫。これまでフォーミュラカーで経験を積んだ彼女だが、今回のテストで初めてスーパーフォーミュラのマシンを走らせる。走行に向けた抱負を聞いた。

 まず小山が今回のSFテストにKids com Team KCMGから参加することになった経緯について、チーム代表兼監督の土居隆二氏は、TOYOTA GAZOO Racingからこれまで小山を乗せて欲しいという話があり、今回ようやく実現したことだと経緯を語る。

「小山選手は、先日のフォーミュラEのテストでもすごく良い走りでパフォーマンスも非常に高かったですよね。そのこともあり、トヨタさんから『スーパーフォーミュラに乗せてあげることはできませんか?』というお話があり、以前から何度もお話を頂いていたので『良いですよ』とお返事させていただきました」

 そういった経緯で今回初めてスーパーフォーミュラをドライブすることになった小山に、テスト参加が決まったときの心境を聞くと、嬉しさと同時に感涙したと明かす。

「『しっかりと良い内容を作らなくてはいけない』という身の引き締まる思いもありましたけど、(参加が決まったときは)もちろん嬉しかったです」と小山。

「(スーパーフォーミュラに)乗れると聞いたときには“うるっと”しましたね。2015年にFIA F4に参戦して以来、やはりスーパーフォーミュラに乗りたいという思いがずっとありました。本当に毎年の鈴鹿テストは3日間いつもひとりで見に来ていました」

「今回こうして乗る側になることができ、これまで関わってきた皆さんに『スーパーフォーミュラに乗ることができる』という報告がやっとできました。なかには泣いて喜んでくれた人もいたので、今回は“ただ乗って終わらせるだけ”ではいけないと思っています」

 そのコーナリングスピードの速さは世界トップレベルのスーパーフォーミュラ。これまでフォーミュラカーで経験積んできた小山はSF23の印象を、まだ実際にマシンを走らせていないため言い切ることはできないが「速度域が高いので、他のドライバーが言うとおり“ダウンフォースマシン”」という印象があるという。

 また、小山は、先日のフォーミュラEテストでは、GEN3 EVOにパワーステアリングが付いていないこともあり「ステアリングの重さ」を感想に挙げていた。ただ、スーパーフォーミュラのマシンはパワステが搭載されているため、体力とは異なる部分が問題になるだろうと続ける。

「スーパーフォーミュラのマシンで問題になるのは“首”かなと思っています。もちろん普段からトレーニングはしていますし、今回に向けて準備できることはしてきてはいますけど、普段マシンに乗っている人でも『首は辛い』ということを聞いています」

「あとは首が厳しくなると、今度は腕もキツくなってくるということも聞いています。できる限りの準備をしましたけど、やはり首に関しては大変になるかもしれません」

 そしてスーパーフォーミュラでの女性レーシングドライバーといえば、今季はTGM Grand PrixからJuju(野田樹潤)が参戦していた。小山はシリーズのアンバサダーとしてJujuのレースを見ており、ライバル意識があるのかと思いきや「私はひとりのドライバーとして、最高峰カテゴリーであるスーパーフォーミュラの舞台で戦っているドライバーとしてみんな平等に見ているので、特に何も考えたことはないです」と、フラットな立場で見ていたようだ。

 現時点では「やっとステアリングの操作を覚えたばかり」という小山。テストでの走行予定は実質上のルーキーテストとなる3日目を予定しており、前半2日間はチームに帯同してさまざまなことを学んでいくという。最後に、走行に向けた抱負を聞いた。

「(結果は)速ければ速いほど良いと思っていますけど、今回は海外選手やF1への参戦が決定しているドライバーも来るので、自分がどこまでいけるのかが、まったく想像することができません。でも、まずはクルマを壊さないようにすることと、他の選手から教えてもらったことに気をつけながら走行距離を稼ぎ、そのなかで良い過程を築いて、次につながるようにしたいです」

 発表以来大きな注目を集めた小山のスーパーフォーミュラ初ドライブ。ピットでは福住仁嶺やメカニックたちと笑顔で話しており、コミュニケーションは問題なさそうだ。テスト3日目、小山はどんなタイムを刻むのだろうか。

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