「この会社ダメだな」と感じる瞬間は会社によって色々あるが、とりわけ数字の管理がいい加減だと失望も大きいだろう。兵庫県の男性(70代〜)は、大学卒業後に関西にある機械メーカーに入社し、35年間経理の仕事をしていた。驚くことに、そこで会社の「どんぶり勘定」を目の当たりにしたという。(文:林加奈)
「まあ〜だいたいこのくらいだろう」で決算や予算をしていた会社
男性は、2000年を過ぎた頃にこんな仕事に携わった。「出資した首都圏近郊の中堅メーカーの決算処理の確認と指導を内々に頼まれた時」のことだった。
「行ったその日のうちに、その会社では在庫部品や仕掛かり品の金額評価査定が不明確なことがわかりました。それは、売上高に対する原価がわからないことなのです」
「仕掛かり品」とは、製造開始したものの、まだ完成していない商品のことだ。原価が分からないと正確な予算も利益も分からない。この状況を知った男性が社長や工場長に確認すると
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「『細かいことは現場に任している』との回答でした。つまり『まあ〜このくらいの原価だろう。まあ〜だいたいこの金額の在庫部品だろう』との数字で決算や予算をしてました」
そのようなどんぶり勘定で中堅メーカーとして仕事ができていたことに驚く。男性は「ほぼ1年半掛けて、一応の在庫品金額評価や売上原価の計算仕組みをまとめました」と当時を振り返る。おそらく、そのずさんさを正すために男性が送り込まれたのだろう。呆れたように
「どんぶり勘定の実際を見た体験です」
と「この会社ダメだな」と思った経験を回想していた。
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