校舎、図書館、体育館、そして学生宿舎……、さまざまな施設がならぶキャンパスは、約260万平方メートルという日本有数の広さを誇る。
いま、茨城県つくば市にあるその地に皇室取材に携わるジャーナリストや、宮内庁関係者の視線が注がれている――。
12月11日、宮内庁は悠仁さまが筑波大学推薦入試で合格されたことを発表した。本誌は、すでに12月3日発売号で、11月28日・29日に同大学で実施された入試を受験されていたことを報じていた。
皇室担当記者はこう語る。
「筑波大学附属高等学校推薦に基づき、書類審査や小論文試験、個人面接を経て、合格されました。『生命環境学群・生物学類』に進学されるそうです。
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『生命環境学群・生物学類』の推薦要件は《(1)生物界や生き物の仕組みに関する広い興味を有し、調査書の学習成績概評A段階に属する者……、(2)生物界や生き物の仕組みに関する広い興味を有し、生物や数学に優れた能力を持ち、かつ、生物の学習や実験に意欲的で、生物に関連する自主研究や国際生物学オリンピック等で実績を有する者……》などとあります。
トンボなどの研究を長年続け、国際昆虫学会議にも参加した悠仁さまは、この推薦要件に該当されたのでしょう」
『週刊文春』が12月2日に筑波大学の永田恭介学長へ、悠仁さまのご入学について取材をすると、こう語ったという。
「本当に(入試を)受けられているなら、我々のところは生物学が昔から強い。とくに野生動物が強いので、そういう意味で選ばれた可能性はないとは言わないけど。まあ何を研究されるか分かりませんけどね。(中略)もし入られるとすれば心配ではありますけどね。(キャンパスが)広いんでね」
永田学長も“心配”しているように、悠仁さまの筑波大学生活には、いくつかのハードルがある。1つ目は、通学距離の問題だ。
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■学生宿舎で留学生と“英語力向上”を
秋篠宮家に近い宮内庁関係者は次のように語る。
「今後の大学生活については、まだ具体的には決まっていないそうです。宮内庁は、現時点では赤坂御用地の秋篠宮邸からの通学を検討しています。
しかし警備上の懸念も多く、電車通学は難しいと思います。とはいえ、車での通学は事故の危険性もあり、道路状況にもよりますが、片道で1時間半近くかかり、往復で3時間にもなります。また道路が渋滞すれば、講義に遅刻する可能性もあります。学業に集中するために、いずれは大学の近くで生活されるのではないでしょうか。
また悠仁さまご自身も、秋篠宮邸を出たいというご希望をお持ちだという話も聞きました。お姉さまの眞子さんのご結婚以来、秋篠宮家への批判も続いています。また紀子さまと佳子さまのご関係も良好とは言い難いようです。悠仁さまとしても落ち着いた環境で、一度ご家族について振り返りたいとお考えなのかもしれません」
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大学の近くで生活されるとすれば、どこに住まわれるのか。もちろん大学の付近にマンションなどを借り上げるという選択もありえるという。’09年4月に千葉県東金市の城西国際大学に入学した高円宮家の三女・守谷絢子さんがキャンパス近くの住宅で、ほかの学生たちと共同生活を送ったという例もあるのだ。
だが筑波大学の関係者はこう話す。
「筑波大学の新入生の約6割が、“学生宿舎”と呼ばれている寮で大学生活をスタートしています。所属する学群や学類と関係なく、部屋を訪ね合ったりしているうちに交流が広がっていくというメリットもあります。
宿舎には食堂はありませんので、いっしょに自炊をしたり、部屋に集まったりと、友情が深まっていくのです。いっぽうで宿舎によっては、築年数も古く、かなり寒かったり、隣室の音が気になったりといったこともあります」
筑波大学のパンフレット「学生宿舎のご案内」(’24年4月)によれば、学生宿舎は約3800室あり、国立大学のなかでは最大規模だという。
月額の宿舎費はタイプによって約1万5千円(10平方メートル、トイレ共用)から4万4千円(30平方メートル、トイレ・ユニットシャワー付き)までとさまざまだが、マンションを借りるよりは割安といえるだろう。
前出の筑波大学の関係者が続ける。
「悠仁さまが学生宿舎に入られるとすれば、重要なのはセキュリティです。筑波大学は広大なだけに外部の人間もキャンパスに立ち入りやすく、プライベートな空間である宿舎のセキュリティは万全を期さなければなりません。宿舎の中では、『グローバルヴィレッジ』のセキュリティがもっとも厳重なのです」
前出のパンフレットによれば、「グローバルヴィレッジ」は、一般学生と留学生の混在シェアハウスタイプで、いろいろな国の学生と交流し、国際感覚を磨くことができるという。
5人で1ユニットを使用する。個室は約10平方メートルだが、各ユニットにはキッチン・冷蔵庫・電子レンジなどを備えた約18平方メートルの共用LDK、共用シャワーユニット、共用トイレ(2カ所)、共用洗面室があり、月額の宿泊費は3万5800円。
またセキュリティに関してはこのような記載がある。
《建物玄関セキュリティ・ユニット玄関・個室ドアがそれぞれ施錠できるトリプルセキュリティです。防犯カメラによる敷地内の監視体制があります》
前出の宮内庁関係者は言う。
「天皇陛下がオックスフォードに留学された際、学生寮の隣室には警護担当者が詰めていました。
悠仁さまの学生宿舎にも、詰め所が設置され、24時間の警護体制が敷かれるはずです。
『グローバルヴィレッジ』での生活は、悠仁さまにとって大きなメリットがあると思います。それは留学生たちとの交流によって、英語力を向上させることができ、次のご留学というステップにも備えることができるということです」
以前、筑附の関係者は本誌にこう証言していた。
「悠仁さまは英語と数学を苦手とされていて、その2教科に関しては教科書レベルの質問を受けても戸惑われることもあるとか……」
天皇陛下をはじめ、皇室の方々は海外留学を経験されてきた。秋篠宮さまも、トルコご訪問に際しての記者会見で、悠仁さまの海外留学について、熱心に語られていたのだ。
「私は、長男には海外で学ぶ機会を得てほしいと思っています。今暮らしている所と違う場所、また違う文化の所に行って、そこから日本を見つめ直すこともできましょうし、また、その機会を使って、いろいろな所を回って、見聞を広めるという意味でも大事だと思います」
■留学先候補にノーベル賞受賞者を25人も輩出した名門大学が浮上
筑波大学で悠仁さまは「グローバルヴィレッジ」入舎によって、英語が苦手という弱点を克服することもできるのだ。将来の海外ご留学について、筑波大学はもう一つアドバンテージを持っている。
「生命環境学群の学生などを対象にした、英国のマンチェスター大学との交換留学制度があるのです。’00年から毎年2〜3名の筑波大生が、1年間マンチェスター大学に留学しています。
マンチェスター大学は昆虫の研究も盛んだそうで、生物医学健康学部には、昆虫学から派生する発生生物学や分子生物学などの学科もあります」(前出・皇室担当記者)
英王室に詳しいジャーナリストの多賀幹子さんは次のように語る。
「マンチェスター大学は全英でトップ10、世界でもトップ50に入る名門大学です。学生数は約4万人、そのうち9千人が留学生で、留学生にとっては過ごしやすい大学と言えます。
物理学賞11人、化学賞9人など、ノーベル賞受賞者を25人も輩出しており、理系に強い大学として知られています」
来春の筑波大学ご入学、さらにマンチェスター大学へのご留学で、悠仁さまが向き合うべき“学び”とは、どのようなことなのだろうか。
静岡福祉大学名誉教授の小田部雄次さんは、
「悠仁さまのこれまでの生活は、“箱入り娘”ならぬ、“箱入り親王”でいらしたとも言えます。トンボの研究に邁進されるだけではなく、可能な限り同級生たちと経験を共有しながら、社会のありのままの姿を見聞きしていただきたいと思います。
同時代の人々や同世代の仲間が、社会に何を求め、どのような努力をしているのか、知っていただきたいと願っています」
秋篠宮邸を出た悠仁さまが得られる経験は、“将来の天皇として”かけがえのないものになるに違いない。
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