歌舞伎俳優の中村勘九郎さん、中村七之助さんが2025年2月歌舞伎座公演で『松竹創業百三十周年「猿若祭二月大歌舞伎』を上演することになり、取材会に出席しました。
【写真を見る】【中村勘九郎】 父・勘三郎が演じた“蔦重”に挑む 「小劇場のパワーと、歌舞伎が持つパワーっていうのが融合された作品」 『猿若祭二月大歌舞伎』
「猿若祭」は初代猿若(中村)勘三郎が、江戸で初めて歌舞伎興行を創始したことを記念して始まった公演。本公演は六度目の「猿若祭」となり、勘九郎さん、七之助さんが中村屋ゆかりの作品に臨みます。
昼の部では、1988年に2人の父・勘三郎さんが主演の蔦屋重三郎を演じた『きらら浮世伝』を、今回勘九郎さんが演じます。勘九郎さんは“父が演じた作品に挑戦したいと思いまして、お話したら通りまして、やることができました”と笑顔を見せつつ、“蔦屋重三郎っていう人を主人公にして、江戸一番の芸術家だったりとか、若い才能たちが爆発してた青春群像劇を、いつかやりたいと思ってたんですけども(大河ドラマが始まる)このタイミングしかないということで、今回やらせていただきます”と思いを語りました。
1988年の『きらら浮世伝』を映像で観たという勘九郎さんは、“もう「爆発」って感じですね。みんな。小劇場のパワーと、歌舞伎が持つパワーっていうのが融合された作品。凄まじい稽古だったらしいですし、熱い思いが込められた作品”と語ると、七之助さんは“父と食事すると毎回話に出てきた。「きらら浮世伝」の稽古が壮絶だったことは100回以上聞いてますね。「お前ら役者だろ?鼻血が出るまで色んなことを考えてこい」って、いつも稽古場で怒号が飛んでいたという。今の時代ハラスメントの極致だけど、それがすごくいい現場だったと。そういうのが舞台に出るんでしょうね”と、父・勘三郎さんとのエピソードを語りました。
夜の部では『人情噺文七元結』に、勘九郎さんと七之助さんが夫婦役として臨みます。勘九郎さんは“私も大好きな作品。今、現代社会で忘れがちな江戸時代の人・特有の「誰でも困っている人がいれば、惜しみなく手を差し伸べる」、人情というものを観ていただく。ほっこりしていただく作品だと思います”と見どころアピールしつつ、“(勘九郎さんと七之助さん)この夫婦なかなか珍しいんじゃないかな?”と、2人で目を合わせながら笑顔を見せました。
また今年は、父・勘三郎さんの十三回忌の追善を全国各地で行ってきたことについて、勘九郎さんは“2月の歌舞伎座を皮切りに各地で行って、本当にお客様たくさん入ってくださいまして、父のことを偲んでくれて。また父の舞台を観られなかった方たちも多く観てくれて、私たちの肉体を通して、父の魂を感じ取っていただけた1年になったと思います。今後も力を付けて、お客様に楽しんでいただきたいなと、改めて思った年になりました”と、1年を振り返り感謝を述べました。
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七之助さんは“年数を重ねるほど、(父と)距離が近くなっていく。3日に1回くらいは夢に出てくる”と明かしました。
そして、“松竹130周年という記念の年なので、一生懸命やらせていただきます!”と、力強く宣言しました。
【担当:芸能情報ステーション】