漢字1文字で今年の世相を表す「今年の漢字」に「金」が選ばれ、京都市東山区の清水寺で12日、森清範貫主が揮毫(きごう)した。金メダルに沸いたパリ五輪・パラリンピックや「佐渡島(さど)の金山」の世界遺産登録、政治の裏金問題などを反映した。
「金」が選ばれたのは5回目で、森貫主は「国民の思いが集中したのではないか」と話した。
日本漢字能力検定協会(同市)が主催し、今年で30回目。全国から22万1971票の応募があり、「金」は1万2148票だった。20年ぶりの新紙幣発行や物価高騰、闇バイトによる強盗事件など「金」にまつわる話題が多かったことも理由に挙がった。
2位は「災」で、元日に起きた能登半島地震や翌日の航空機衝突事故など、災いから始まる1年だったことから9772票を集めた。3位は米大リーグで史上初となる「50―50」を達成した大谷翔平選手の「翔」で、7487票だった。
揮毫された和紙(縦150センチ、横130センチ)は21日まで清水寺で一般公開され、22日からは漢字ミュージアム(同市)に展示される。