外国人住民をサポート「府中市多文化共生センターDIVE」

1

2024年12月16日 17:04  TBS NEWS DIG

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

TBS NEWS DIG

TBS NEWS DIG
東京・府中市に暮らす外国人住民をサポート

京王線府中駅と直結しているビルの1フロア「府中市市民活動センター プラッツ」の一角にある「府中市多文化共生センターDIVE(ダイヴ)」。

【写真を見る】外国人住民をサポート「府中市多文化共生センターDIVE」

運営は、府中市から委託を受けたNPO法人で、DIVEという名称には、「Diversity=多様性」と「DIVE=その中に飛び込む」という意味が込められています。

近年増え続けている外国人住民が府中市で暮らしていく上で、日本の文化に慣れるよう、生活面のサポートを行っています。

その活動の基本となるのが、“相談”と“支援”。まずは“相談”について、「府中市多文化共生センター DIVE」のセンター長・田代美香(たしろ みか)さんに聴きました。

「府中市多文化共生センター DIVE」センター長 田代美香さん
「日常的に『相談窓口』事業というのを、常にやっていまして、ここの開設時間中は相談を受け付けている状態です。その中でも特に、昼間の11時から15時の一番皆さんが動かれる時間帯は、“外国人サポーター”っていう、私たちスタッフの他に語学に堪能な市民の方に入っていただいて、通訳のボランティアさんとして活動いただいています」

外国からやって来た方々にとっては、とにかく役所での手続きがとても難しいようで、その場で職員に説明されても、なかなか理解できないということがあります。

例えば健康保険、年金、介護保険など、出身国にもよりますが、そもそもの概念が理解できない場合もあります。

また、お子さんの保育園・幼稚園・小学校の入学手続きが難しい。在留資格の問題や、家族を呼び寄せたいけど、どうすれば良いか?新しい仕事を探す方法は?

そして、病気や怪我をした時に、病院によっては受け入れてもらえなかったり、入院などすることになった場合どうしたら良いか?等々、枚挙に暇がありません。

「DIVE」ではメールやLINEでの相談も受け付けているのですが、やはり通訳のできるサポーターが居る場に出向いて相談してもらった方が、臨機応変に対応できるというわけです。

府中市に暮らす外国人の特徴

田代さんによれば、府中市に暮らす外国人人口には、他の自治体とは違った、ある特徴があるといいます。

「府中市多文化共生センター DIVE」センター長 田代美香さん
「府中市の特徴としては、東京農工大学とか東京外国語大学がありますので、外国人の留学生というのも結構多いという特徴があって、比較的若い世代の外国人の方が多いです」

府中市の外国人人口は6300人ほどで、中国人、韓国人、フィリピン人が多いというのは、他の自治体と変わらないのですが、2つの国立大学があることから、様々な国からやって来た若い方々が多くなるわけです。

「東京農工大学」に関しては、主に農業技術や緑化政策などを学びに来る留学生がいるわけですが、かつてアフガニスタンから多くの留学生を受け入れていたことから、現在の混乱を逃れて、かつての先生を頼って来ている世帯がいます。

また、府中市に在る都営住宅では、一部をウクライナの避難民に提供していることもあって、そういう方々も、新たに住民となっています。

「DIVE」が取り組む“交流”事業

「DIVE」の活動の基本として挙げられたのが、“相談”と“交流”でしたが、“交流”事業についても、田代さんに聴きました。

「府中市多文化共生センター DIVE」センター長 田代美香さん
「日本人住民と外国人住民との交流の場であり、外国人の皆さんが、日本語をちょっと学んでいるんだけど、意外と日本語で喋る機会がないっていうふうなことも言われていますので、ここでは日本語で喋れたりとか、あと逆に日本人の住民にとっては、色々な外国の方とお話をすることで、世界のことが知れたりとか、視野が広がったりということで、『多文化交流サロン』という風に名称をつけまして、週に1回土曜日の午前中の活動として定期でやっています」

こちらの「多文化交流サロン」は、毎回テーマを設けて実施しています。取材したのは12月7日でしたが、この日のテーマは、「やさしい日本語について」。全部で20名ほどの参加者がいましたが、途中から外国人1人に日本人3〜4人といった割合のグループに分けて、やり取りを行っていました。

私はその内の、ブラジルからの「東京外国語大学」留学生エリザベスさんの居るグループに入れてもらいました。

日本人男性「外国人が東京でとても困っちゃうこと、電車の乗り換え…」
エリザベス「はいはい」
日本人男性「あれわかりますか?」
エリザベス「今はわかります」
日本人男性「今はね」
エリザベス「でも、初めて新宿に行った時は、困ったね。ホントに大きいね。それに渋谷も。渋谷も大きくて」
日本人男性「日本人も迷っちゃうじゃないですか」
日本人女性「電車も多いしね。何線が、種類がスゴいあるから」
エリザベス「Googleマップがなかったら、大変になりますね〜」
松崎「エリザベスさんは、日本に来てどれぐらいなんですか?」
エリザベス「2カ月ぐらい。私は、子どもの時、アニメとかゲームとか漫画も好きだったら、子どもの時から、日本語を勉強したいと思いました」

「DIVE」と「東京外国語大学」は、共同で行っている事業もあります。フィリピン語専攻の学生向け授業として、フィリピン語サロンを実施し、そこに市内に住むフィリピン人の方に来てもらうという、“学び”と“交流”の場を作っています。

また「東京外国語大学」の学習サポートのサークルの学生には、外国人の子ども達のために、放課後に「DIVE」のスペースや府中市内の文化センターで、日本語や学校の教科の勉強を教えてもらうという取組みを行ってもらっています。

こういった取組みも、外国人住民の増加のスピードに、なかなか追いついていかないというジレンマがあると言いますが、とにかく先行して、様々な試みを行っていきたいということです。

TBSラジオ「人権TODAY」担当:松崎まこと(放送作家/映画活動家)

このニュースに関するつぶやき

  • 日本はいいなあ 外国にはこんなのなかった。言葉がわからなければ生活できないから自分でどうにかするか、できなければ帰るしかない。厳しいかもだけど海外で暮らすってそういうものじゃないのかな
    • イイネ!0
    • コメント 0件

つぶやき一覧へ(1件)

前日のランキングへ

ニュース設定