物価高の影響だけでなく、忙しい現代人ならではの事情もあり、何事につけ「パ」=パフォーマンスの高さを求める人が増えている昨今。
「ヒット商品にも『コスパ(費用対効果)』や、『タイパ(時間対効果)』に応える商品が多かったです」と語るのは、トレンドに詳しいくどうみやこさんだ。
タイパ&コスパ、健康志向も今やヒットはボーダーレス
「美容分野では手頃な価格で美肌になれるシートマスクや、隙間時間でケアできる美顔器などがその一例です」(くどうさん、以下同)
グルメジャンルでは「グリークヨーグルト」が大ヒット。
「韓国から次々と新しい食べ物が入ってきますが、グリークヨーグルトは昨今のタンパク質ブームとも相まって、デザートとしてはもちろん、「食事としても楽しめる万能さが人気のようです」
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近年のブームには世代や性別の垣根がなくなっているのも特徴的な現象だ。
「今年は猛暑の影響で男性の日傘も当たり前に。子どものおやつだったグミは大人世代まで幅広く人気です。また、カジュアルなファッションも今や全世代に浸透。『推し活』もブームですが、親子で同じアーティストの推し活にいそしむケースも増えています」
今回、週女読者にピッタリのヒット商品をくどうさんが厳選。まだ知らない&持っていない人は、今年の締めくくりに手に入れてみては。
2024年ヒット商品【美容・健康】
時間をかけずにサッとできて効果もしっかり! パフォーマンスの高い商品がいろいろ。
シートマスク
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乾きがちな世代の必需品!?
「昨年発売されたMEGUMIさんの美容本が発行部数50万部超えの大ヒット。その中でシートマスクの必要性がアツく語られていたこともあり、今年はシートマスクをデイリーユースする女性が急増しました。
男性の愛用者も増えて、より手に取りやすくなり、スキンケアアイテムとしてすっかり定着した感じ」(くどうさん、以下同)
ペン型美顔器
どこでも手軽にむくみケア
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「近年、手軽に使える小型の美顔器が多く出ています。中でもペン型のものはポーチに入るコンパクトさで、2万〜3万円台と手を出しやすい価格帯が多いことなどもあり、とても売れています」
ゴリラのひとつかみ
痛気持ちよさがクセになる
「足のむくみはミドル世代に多いお悩み。同種の商品は以前からあったのですが、なんといってもネーミングの強烈さが勝因。こうしたマッサージ家電は高いものが多かったのですが、5千円台で買える価格帯も喜ばれたのでは」
2024年ヒット商品【グルメ】
韓国発グルメから今年はヨーグルトに注目。進化を続けるグミは今やコミュニケーションツールに!
グリークヨーグルト
濃厚さがたまらない
「ギリシャ発祥の水切りヨーグルトで、チーズのような濃厚さが特徴。韓国のおしゃれエリアに専門店がたくさんあり、腸活ブームの延長もあって日本へも流行が飛び火。フルーツともよく合い、見栄えも◎。自宅で作る人も増えています」
専門店も人気
Bowls #
今年、東京・原宿竹下通りに開店した韓国グリークヨーグルト専門店。季節の果物やグラノーラをトッピングしたメニューを豊富に取りそろえる
グミ
味や食感が進化!
ここ数年は空前のグミブームで、2013年からグミ市場は2.6倍に。
「味や食感のバリエが広がり、特にカンロ直営店で販売する個包装の『グミッツェル』が爆売れし、売り切れが続出。アメ代わりにグミ交換する若者も増え、コミュニケーションツールとしても人気が高まっています」
専門店も人気
cororo(コロロ)
UHA味覚糖株式会社の新感覚グミが、大阪市にある阪急うめだ本店地下1階食品売り場で購入できる。お土産やギフトにもぴったり。1箱648円〜
パスタキューブ
ワンパン料理がさらに進化
「1人用鍋つゆでおなじみ『鍋キューブ』同様、1人分のパスタ料理が手軽に作れる、まったく新しいパスタ用調味料として大ヒット。食事の時間が家族でバラバラなど、ミドル世代の“あるある”にもマッチした商品といえそうです」
2024年ヒット商品【ファッション】
カジュアル化の波はミドル世代にも。着るだけで旬の雰囲気をまとえる「カーゴ」と「シアー」に注目。
カーゴスカート
体形カバーにお役立ち
「今年は平成初期にも流行った、太ももにポケットのあるカーゴパンツやパラシュートパンツが、一流メゾンのコレクションにも登場。立体的なポケットのおかげでお尻や太ももの形を拾わず、体形をカバーできるので人気に。ミドル女性にはパンツよりもスカートが取り入れやすいでしょう」
シアー素材
透け感で冬も軽やかに
「去年から流行っているシアー(透け)素材。この夏もたくさんのアイテムが出ていましたが、夏だけでなく秋物や冬服でもシアー素材を使ったものが増えているのが今年ならでは。同じ重ね着でも、素材をシアーのものにするだけで、旬の雰囲気に」
【エンタメ編】推し活ブームでNumber_iが躍進
「去年までは韓国アイドルの独擅場でしたが、日本のアイドルが食い込んできたのが今年らしい現象。故・ジャニー喜多川氏による性加害問題で日本のアイドルに逆風が吹く中、『Number_i』の活躍がひときわ目立ちました。自分たちがやりたいことに突き進む姿勢が、多くの人の共感を得たのでしょう」
教えてくれたのは……くどうみやこさん●トレンドウォッチャー/大人ライフプロデューサー。大人世代のライフスタイルやトレンドに精通。メディアでの解説やコメントのほか、著作などを通じて情報を発信。
取材・文/遊佐信子