JR長野駅前で男女3人が襲われた事件の現場に居合わせ、警察への第1通報者となった40代の男性会社員が取材に応じた。「犯人は刃渡り20センチほどの刺し身包丁のような刃物を持っていた。奇声を上げることもなく終始無言で、無差別に人を狙っているようだった」と緊迫した状況を振り返った。
事件が発生した22日午後8時過ぎ。男性は小学生の息子と一緒にいた。長野駅善光寺口のバスロータリーに面した喫茶店の前にいると、突然「うー」という女性のうめき声が聞こえた。
声の方を向くと、バス待ちをしていた5人ほどの中に、刃物を持った「犯人」が見えた。その距離わずか5メートル。「子どもと自分の身の安全を守るのが精いっぱいだった」。逃げて距離をとり、改めて「犯人」を注視した。無言で次のターゲットを探し、さまよっているようだった。
その後「犯人」が小走りで立ち去るのを確認し、急いでバス乗り場に向かった。110番しながら、うつぶせに倒れていた男性に声をかけた。周囲を見渡すと、そばの駅階段の下にも男性が倒れ、心臓マッサージを受けていた。110番の電話をつないだまま駆け寄り、現場の状況を伝えながら警察官の到着を待った。
男性は「大声を上げて逃げ回る人もおらず、多くの人が何が起きたのか分からなかったと思う……」と語った。【遠藤浩二】
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