メチルアルコールからメタン=細菌と古細菌が生成―海洋機構・産総研
9
2025年02月04日 07:31 時事通信社
天然ガスの主成分であるメタンは、地下の細菌(バクテリア)により生み出されたメチルアルコール(メタノール)が古細菌(アーキア)に消費される反応でも生成することが分かった。海洋研究開発機構と産業技術総合研究所などの研究チームが発見し、3日までに英科学誌ネイチャー電子版に発表した。
メタンはこれまで、大昔に死滅した動植物の有機物が細菌によって分解され、生じた酢酸や水素から古細菌の作用によって生成すると考えられてきた。メチルアルコールは飲用の酒に含まれるエチルアルコール(エタノール)とは違い、生物には毒とみられるため、意外な発見だという。
産総研の加藤創一郎・上級主任研究員は「今回の発見は、枯渇した油田に残る原油や質の低い石炭を微生物の働きでメタンに変え、回収する技術の開発に役立つ」と話している。
海洋機構の延優・主任研究員らは、地下油田から採取され、酢酸と同様に炭素と水素、酸素で構成される「ギ酸」を利用する遺伝子を持つ細菌の一種に注目。培養実験などの結果、この細菌がギ酸からメチルアルコールを生み出し、別の古細菌の一種が消費してメタンを生成することを突き止めた。
Copyright(C) 2025 Jiji Press, Ltd. 記事・写真の無断転載を禁じます。
掲載情報の著作権は提供元企業に帰属します。