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野犬として生まれたメス犬・パンジーと、その姉妹とおぼしきビオラ。ともに行き場を失っているところを保護されましたが、このときまだ生後3カ月ほど。2匹とも保護時は人間に強い恐怖心を抱き、痛々しいほどの皮膚病を患っていました。
2匹を保護した静岡県の保護団体・スリールではすぐに2匹を動物病院に連れていき、健康診断とパンジーの皮膚の治療をお願いしました。
元気いっぱいのパンジーとおっとり優しいビオラ
保護当初は警戒心からおびえた様子だった2匹ですが、動物病院での優しいケアや、後に2匹のお世話をすることになった預かりボランティアさんのたっぷりの愛情を受け、日に日に心を開くようになりました。
2匹ともしばらく皮膚病の治療のため薬浴を行っていましたが、同時に散歩の練習もがんばるように。そして2匹の性格も次第にわかってきました。2匹とも甘えん坊でイタズラ好きなところは同じですが、ビオラはおっとりとした性格でやや怖がり。一方のパンジーは元気いっぱいの明るい性格。そんな2匹はいつも一緒に仲良く過ごしていました。
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パンジーの様子を優しく見守るビオラ
やがてパンジー・ビオラとも皮膚病が改善され、一緒に大きくなりました。
当初は知らない人を前にしておびえたり、お漏らししてしまう2匹でしたが、少しずつ「人間との生活」に慣れていき、本来の元気いっぱいの明るい性格を見せてくれるようになりました。
しかし、ここでまた少し悩みごとが。パンジーの激しすぎる食欲旺盛ぶりです。エサをいっぱい食べてくれるのは良いとしても、とにかくものすごい早いスピードで食べ尽くそうとしてしまうのです。
ワンコの早食いは窒息や誤嚥性の肺炎、胃の膨張や胃捻転を引き起こす可能性があり注意が必要です。預かりボランティアさんはそんなパンジーにエサをあげる際は、早食い防止用のあえてギザギザの壁がついたお皿に変更。パンジーにとっては「なんでこんなに食べにくいお皿なの!?」と少々ご立腹ですが、それでも目の前のエサを苦労しながら口に入れていき、食後はグッタリ頭を下げて疲れた様子も見せてくれました。
そんなパンジーの様子をビオラは優しく見守り、やはり2匹は切っても切れない名コンビのように見えました。
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「2匹一緒にうちにおいで」の声が掛かるも、トライアル最終日に2匹が大喧嘩
生後6カ月ほどが経過しドッグランにもデビューしたパンジーとビオラ。もちろん他のワンコとのコミュニケーションは得意中の得意で、2匹は一躍ドッグランの人気者になりました。
預かりボランティアさんは「この2匹を一緒に迎えてくれる家族がいると良いなぁ」と考えていましたが、程なくしてその希望通りの里親希望の申し出がありました。
「2匹一緒に暮らしていければ、本当に良いことだ」として、まずはこの里親希望者さんの家にパンジーとビオラが一緒にトライアル。しかし、普段はおっとりしているビオラがトライアル最終日に、急にパンジーと大喧嘩。この家にはパンジーだけが迎えられることとなり、ビオラは団体のもとへ舞い戻ってくることになりました。
大好きだったパンジーと大喧嘩した末に、団体の元で1匹だけ帰ってくることになったビオラはなんとなく寂しげな様子。
その後ろ姿がとても切ないですが、ここで再出発。パンジーと離ればなれの犬生にはなりますが、改めてビオラの里親募集をスタートしました。
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そして、後に開催された譲渡会に訪れた優しい里親希望者さんと見事マッチングし、ビオラもまた「幸せな第二の犬生」を掴むことができました。
2匹が別々の道を歩むことになったのは少し残念ですが、2匹とも優しい里親さんに迎え入れられ、本当に良かったと思いました。
パンジーとビオラがいつか再会し、ドッグランで2匹一緒にはしゃぎ回って遊べる日が来ると良いなと思いました。
(まいどなニュース特約・松田 義人)