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2022年9月、X(ツイッター)ユーザー・車で来た猫そらさん(@kurumaneko_sora)は、買い物を終えて車で帰宅途中、信号待ちをしていました。すると、どこからともなく猫の鳴き声が……。
【比較写真】まるで別猫! 保護当時と現在、たくましく成長しました
不思議に思いながら、帰宅。車を降りると、まだ鳴き声が聞こえてきたのです。一体、何が起こったのでしょうか? 詳しいお話を伺いました。
突然、訪れた思いがけない出会い
飼い主さんは、鳴き声をたよりに車のボンネットを開きました。すると、小さな子猫が隠れていたのです。それが、キジトラの男の子「そら」くんとの出会いでした。
当時、飼い主さんは定年退職を間近に控えていました。猫と暮らした経験は、35年ほどあったものの、自身の年齢を考えると、そらくんを保護団体に託すことを検討したといいます。それと同時に、このまま手放して良いものか迷う気持ちもありました。
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「そらと出会う2カ月前、家族が深刻な病気にかかっていることがわかり、『何とか助かってほしい』と願う日々を過ごしていました。そのため『自分に助けを求めているこの小さな命を見捨てるようなことをして良いものか』と悩んだのです」
すると、そんな飼い主さんの葛藤を察してか、そばにいた妻がポツリとつぶやいた言葉にハッとしたといいます。
「妻が『この子、ひたいに“M”のように見える文字がある。これって私たちの名字を意味しているのかな……』と言ったのです。“M”というのは、私たちの名字のイニシャルでした」
ご縁を感じた飼い主さんは「よし、うちの子にしよう! 長生きして、最後まで面倒を見る」と迷いが消えたそう。こうして、そらくんは飼い主さん家族の一員になったのです。
そらくんが加わってシニア犬に変化
飼い主さんの家には、先住猫の女の子「あずさ」さんと、先住犬の女の子「リラ」さんが暮らしています。そらくんが家にやって来た当初、ふたりは正反対の反応を見せました。
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あずささんは、突然、現れたそらくんにびっくり。近寄られると、身をひるがえして逃げたり、猫パンチをして遠ざけたりしました。ふたりの関係が落ち着くまでには時間がかかったといいます。
一方、リラさんは、初めて見るそらくんに戸惑いつつ、しばらくすると“母親代わり”に。そして、思いがけない変化が起こりました。
「当時、リラさんは16歳を迎え、体に衰えがみられるようになりました。ふらついたり、足が弱ったり……。ボーッとしていることもありました。ところが、そらくんが来てから見違えるほど元気になったのです」
今では、そらくんとふたりはそれぞれ程よい距離感を保ちながら過ごすように。あずささんとは窓辺で一緒にニャルソック、リラさんとは親子のような関係になりました。
「そらくんを見たい」子どもたちの希望で新たな挑戦
そらくんは、現在、2歳を迎えました。
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とても好奇心旺盛で、甘えん坊。飼い主さん家族に笑顔をもたらしています。
「私は、ときどき妻のかわりに料理をすることがあります。我が家は、対面キッチンになっていて、そらが料理の様子を見に来るのです。そのため、事故防止策としてスノコでリビングとキッチンを隔てる柵を作って設置しました。すると、そらはスノコのすきまからのぞくように……。その様子がとてもかわいらしくてたまりません」
また、そらくんを迎えたことをきっかけに、飼い主さんは次々と新しいことに挑戦するようになったといいます。
「離れて暮らす子どもたちから『そらの様子を動画で見たい』と言われ、最初は、SNSで動画を送っていました。すると、『動画を数本まとめて、YouTubeに投稿したほうが見やすい』と言われて……。最初は『さすがにそれは無理!』と断りました。でも、あるとき試してみることにしたのです。そして、無事にチャンネルを開設。2カ月ほどかかりました」
今では、動画の編集に加えて、さまざまな工夫を凝らすようになった飼い主さん。YouTubeチャンネルには、ぱっと目を引くサムネイルが並び、丁寧な字幕を付けた動画が100本以上も投稿されています。
「この年齢で新しいことに挑戦する機会を得られたのは、そらのおかげだと思って感謝しています。今は、仕事をセミリタイアしたので、そらと過ごす時間を増やしました」
そらくんの存在は、あずささんやリラさんをはじめ、飼い主さん家族の生活に新たな彩りを加えているようです。これからも、ともに過ごす日々がより楽しく豊かになることでしょう。
(まいどなニュース特約・梨木 香奈)