埼玉県八潮市で先月28日、下水道管の破損が原因とみられる道路の陥没事故が起きたことを受けて、栃木県内でも緊急点検を実施する動きが広がっている。
県は1月31日から2月4日にかけて、下水道管が埋まった県管理(総延長約160キロ)の道路について、舗装のひび割れや段差などがないかを点検した。その結果、異常がないことを確認した。県管理の下水道管で、一般的に耐用年数とされる50年を過ぎたものはないという。
また県は、下水道管のある市町に対しても管理する下水管(総延長が計8600キロ)の点検前倒しなどを要請した。
宇都宮市は先月29日、処理場に近いところなど異常がないか約56キロを目視で緊急点検した。国が調査を要請している1日当たり最大処理量が30万立方メートル以上の下水処理施設はないが、管が口径2メートル以上の計12キロについて180カ所のマンホールからカメラを入れて調査する予定。また腐食が進むとされる硫化水素が発生しやすい場所1・4キロ、32カ所についても調べる。いずれも3月10日までに終了させたいとしている。
小山市の浅野正富市長は先月31日の記者会見で、「行政は耐用年数を一つの目安に更新を進めるが、こうした事故が起きると、日ごろから点検や修繕・更新が必要になる」と述べ、更新のあり方の見直しが求められるとの認識を示した。
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点検は県、市町とも法定で5年に1度、実施することが求められており、県は毎月、定期巡視も行っている。定期巡視は市町によって頻度などばらつきがある。
下水道管が関係するとみられる道路の陥没について、県内では2021年度0件、22年度1件、23年度は4件となっている。23年度のうち1件は、陥没の規模が深さ66センチ、直径1メートルだったという。県の担当者は「八潮の事故の要因もまだはっきりわかっていない。今後も注視していく」としている。【有田浩子、松沢真美】
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