石破茂首相=6日、首相官邸 石破茂首相は9日、NHKの討論番組に出演し、7日の日米首脳会談で合意した米国からの液化天然ガス(LNG)の輸入拡大について「間違いなく国益にかなう」と意義を強調した。エネルギーの調達先を多様化する必要性を指摘。トランプ大統領が重視する米国の対日貿易赤字削減に意欲を示した。
日本の防衛費に関し、トランプ氏から増額要求はなかったと説明。「それは日本が判断することだ」と述べた。
日本製鉄による米鉄鋼大手USスチール買収計画については「単なる買収ではない。投資を行い、あくまで米国の会社であり続ける」と表明。ただ、具体的な説明は避けた。
トランプ氏は対日関税強化の可能性を排除していない。首相は「一方が一方を搾取する形は長続きするはずはない。(日米間に)関税を引き上げないといけない問題があるだろうか」との見方を示した。
安全保障協力を巡ってはまた、首脳間で「『自由で開かれたインド太平洋』を実現していくため、日本と米国が責任を負ってやっていくことは重要だと確認した」と明らかにした。トランプ氏が北朝鮮を核保有国に認定するとの懸念に触れ、「北朝鮮の非核化は首脳会談でも確認した。日米共同の認識だ」と打ち消しを図った。
初対面のトランプ氏について、首相は「これから先、かなり落ち着いて、じっくり話ができる印象を持った。相性は合うと思う」と振り返った。