インテルは2月6日、報道関係者に同社の近況を説明する定例イベント「インテルプレスセミナー」を開催した。今回は親会社である米Intelにおけるパット・ゲルシンガー氏のCEO/取締役の退任と2024年度第4四半期(※1)決算の報告の他、日本法人としてのインテルの取り組みなどが紹介された。
セミナー会場には、Intel最新の「Core Ultraプロセッサ(シリーズ2)」(開発コード名:Lunar Lake/Arrow Lake)に関連する製品が所狭しと展示されていた。
(※1)Intelの会計年度は毎年1月〜12月(年度の終了日は毎年数日変動する)
●自作PC向けマザーボード
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デスクトップPC向けのCore Ultra 200Sプロセッサ用マザーボードは、現状においてゲーミング向け製品が先行しており、徐々にバリエーションが広がりつつある。今回のセミナーでは、ASRock、ASUS JAPAN、エムエスアイコンピュータージャパン(MSI)、日本ギガバイト(GIGABYTE)の4社のゲーミングマザーボードが1モデルずつ展示されていた。
ASRockは、Intel Z890チップセットを備えるハイエンドATXマザーボード「PHANTOM GAMING Z890 Nova WiFi」を展示していた。本製品は特にVRM(電圧レギュレーターモジュール)の設計にこだわっており、安定した高性能を確保しつつ長寿命化を実現している。
ASUS JAPANもZ890チップセットを備えるハイエンドATXマザーボード「ROG STRIX Z890-F GAMING WIFI」を展示していた。本製品はAIベースのチューニング機能「ASUS AI Intelligence」が特徴で、Core Ultra 200Sプロセッサで新たに搭載されたNPUもオーバークロック可能だ。
MSIは、Intel B860チップセットを備える高耐久ATXマザーボード「MAG B860 Tomahawk Wifi」を展示していた。本製品もAIを意識した設計で、UEFI(BIOS)とユーティリティーアプリ「MSI Center」にAI昨日を組み込んでいる。組み立てやすさにも配慮した設計であることも安心だ。
GIGABYTEは、メモリ回りのオーバークロック(OC)に注力した、白色のMini-ITXマザーボード「B860I AORUS PRO ICE」を展示していた。AORUSブランドのマザーボードの特徴の1つである「D5 Bionic Corsa技術」によってAIを生かしてDDR5メモリのオーバークロックを自動で行ってくれることが特徴だ。
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●Core Ultra搭載ノートPCも多数展示
展示の“主力”は、Core Ultraプロセッサ(シリーズ1/シリーズ2)またはIntel Arc Graphicsを備えるノートPCだ。主要なPCメーカーが、各社を代表する特徴的なモデルを持ち寄り展示していた。
その中から、個人的に強く目に留まった2モデルを紹介する。
Dynabookは、1月23日に発表したばかりの法人向け14型ノートPC「dynabook X94」を展示していた。dynabook Xシリーズの特徴である「セルフ交換バッテリー」機構を維持しつつ、Core Ultra 200Vプロセッサを搭載することで「Copilot+ PC(新しいAI PC)」にも準拠している。
ただ、このX94はよく見ると外観が本来のX94とは“違う”。実は今回展示されたのは未発表と思われるX94の海外仕様で、日本では存在しない米国英語(US)配列のキーボードを搭載していた。
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Dynabookは海外において「Satellite(サテライト)」「Tecra(テクラ)」「Portege(ポーテジェ、※2)」といったサブブランドを継続採用しているが(日本では廃止済み)、本製品はプレミアムモバイルラインのPortegeに属するようだ。
(※2)正確には、2つある「e」はアキュートアクセント(アクサンテギュ)付き
富士通クライアントコンピューティング(FCCL)は、1月16日に発表したばかりの「FMV Note C」を展示していた。Z世代の社員が主導する社長直轄プロジェクト「FMV From Zero Project」から生まれたモバイルノートPCで、いろいろな意味で従来のFCCL製ノートPC(LIFEBOOKシリーズ)とは“違う”要素を打ち出していることが特徴だ。
本製品は1世代前の「Core Ultra(シリーズ1)」を搭載している。最新のCore Ultra 200Vプロセッサを搭載するモデルであれば「FMV Note U」を持ってくるという選択肢もあったはずだが、あえて本モデルモデルを持って来たところに、FMVの“変化”を感じ取ってほしいというFCCLの意欲が表れた結果なのかもしれない。
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