隣人の家庭を崩壊させてしまった“私の余計な一言”、まさか不倫だったなんて…/恋愛人気記事BEST

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2025年02月12日 09:00  女子SPA!

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 女子SPA!で大きな反響を呼んだ記事を、ジャンルごとに紹介します。こちらは、「恋愛」ジャンルの人気記事です。(初公開日は2023年2月17日 記事は取材時の状況)

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 都会で一人暮らしをしていたらご近所付き合いはほとんどないですよね。お隣さんの名前すら知らないことも珍しくはありません。今回は、そんなご近所付き合いで、地方出身者の女性が、やらかしてしまったエピソードを紹介します。

◆隣に越してきた中年サラリーマン

 今回お話を聞いたのは、フリーでイラストレーターをしている宮田早希さん(仮名・28歳)。都心から40分ほどのところにある郊外のマンションに住んでいます。最近、そんな早希さんの隣の部屋にSさんという男性が越してきたのだそうです。

「引っ越しの翌日、Sさんは菓子折りを持って挨拶に来ました。出勤前だったのか、ビシッとスーツを着ていて、とても感じのいい印象でした。以前は家族と一緒に転勤していたそうなんですが、近頃はもっぱら単身での異動らしく、私も普段は家で仕事をしていることや、何かわからないことがあれば遠慮なく聞いてほしいなど、なんかペラペラ話したのを覚えています」

 ただ、その日以降早希さんはSさんが女性と一緒に帰宅する光景を幾度となく目撃していたそうです。相手の女性もスーツを着た上品な感じで、いつも近所のスーパーの袋を両手いっぱいに持って、楽しそうに話しながら自宅に入っていくと言います。

「単身赴任って聞いてはいたんですけど、あの女性は奥さんで、たぶん赴任直後だったので奥さんも何かと心配で最初だけ付いて来ていたんだと思いました」

◆言わなきゃよかったと後悔

 そんなある日、早希さんは学生時代の友人と久々に食事に出かけ終電で帰宅したとき、Sさん宅の玄関先で中年女性が立っているのが目にとまりました。少し酔っていた早希さんは、てっきりSさんの奥さんだと思い「こんばんは。隣の宮田です。今日はお一人なんですか?」と挨拶をしたそうです。

 しかし、その女性は「は?」と少し驚いた様子で早希さんに目をやり、少し間を置いて

「私、今日初めて主人の単身先に来たんですが……」 

 と、つぶやくように言葉を返したその女性。その瞬間、早希さんは今までの光景が走馬灯のように頭を駆け巡り、自分の口から出た言葉がとてつもなく取り返しのつかない内容であったことを悟ります。

「あ、すみません…私なんか人違いしちゃったみたいですー。失礼します」

 とりあえずそう言って、その場を逃れ自宅へ滑り込むように入ったそうです。さっきまで心地よかった酔いが完全に冷め、余計な声がけをしたことを全力で後悔した早希さん。

◆はじまった修羅場

 そのあと、部屋で耳を澄ませながら隣の様子をうかがっていた早希さん。するとしばらくして隣の部屋の玄関が開いた音が聞こえてきたそうです。

「たぶん、さっき玄関先で立っていた女性が本当の奥さんで、部屋の中へ入ったのだと思います。その後特に物音もしなかったので、少し油断してリラックスしようと思ったら、しばらくして突然ガラスの割れる音や壁に物が当たる音が聞こえ始めたんです」

 物音は収まる気配はなく、むしろどんどん強まっていく様子。付近は閑静な住宅街なことから、真夜中に始まった凄まじい騒音と怒号が近所にも響き渡っているようでした。

「ガチャーン!とか、ドスンドスン、とか、常識では考えられない騒音と、女性のわめく声。まるで映画の暴力シーンのような迫力だったんです。部屋で耳に手を当ててうずくまっていたら、パトカーのサイレンが建物の付近で止み、警察がやってきました。だれかが通報したんでしょうね」

 警察が到着してから1時間ほど経過し、ようやく修羅場が収まったようでした。早希さんは、そのあとも壁に耳を当てて隣の様子をうかがいますが、全く何も聞こえてこなかったといいます。早希さんは結局壁際のソファで一夜を過ごすことになったそうです。 

◆いつのまにかいなくなった隣人

 早希さんは、今回の騒ぎが収まったあとも自己嫌悪の念が消えることはありませんでした。仕事をしていても、Sさんたちはあの後どうなったのだろう、とか、もしあの時素通りしていればよかったんだ、とか、自問自答の毎日が続いたといいます。

 その週末、となりから物音がするので早希さんが恐る恐る玄関に出てみると、引越し業者が荷出しをしていたとのこと。当然ながら、Sさんは何も言わずにマンションを出て行ったのだそうです。

「コミュニケーションって難しいですね。私は地方出身なので、幼い頃からご近所付き合いは当たり前だったし、とってもいい習慣だと思ってるんです。でも、今回の件でそれは封印します。なんだかなぁ……」

<文/大杉沙樹 イラスト/ズズズ>

【大杉沙樹】
わんぱく2児の母親というお仕事と、ライターを掛け持ちするアラフォー女子。昨今の情勢でアジアに単身赴任中の夫は帰国できず。家族団欒夢見てがんばってます。

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