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【動画】『ガール・ウィズ・ニードル』特報
物語の舞台は、第1次世界大戦後のコペンハーゲン。お針子として働くカロリーネは、工場のオーナーと恋に落ちるも、身分違いの関係は実らず、彼女は捨てられた挙句に失業してしまう。すでに妊娠していた彼女は、もぐりの養子縁組斡旋所を経営する女性ダウマと出会う。
北欧史上最も物議を醸した殺人事件を基に描く本作は、予想できないドラマと心理的恐怖を煽る音響や美術セットでカンヌ国際映画祭を騒然とさせ、各国の映画祭を席巻中。前述のオスカーノミネートの他にも、ゴールデングローブ賞非英語作品賞ノミネート、ナショナル・ボード・オブ・レビューでは外国語映画のトップ5に選出。ポーランド映画祭では最多の11冠受賞、また映像のアカデミー賞と呼ばれるカメリマージュ映画祭では最高賞のゴールデン・フロッグ賞を受賞するなど国内外で高い評価を得ている。
監督・脚本を手掛けたのは、北欧の若き鬼才マグヌス・フォン・ホーン。音楽アーティスト、プース・マリーとして活躍するフレゼレケ・ホフマイアが奏でる心理的恐怖を演出する不気味な音楽と音響効果は大ヒットを記録した『関心領域』を思わせ、撮影監督ミハウ・ディメク(『EO イーオー』『リアル・ペイン〜心の旅〜』)が映し出す漆黒の映像美は観客を妖しくも魅力的な闇の世界へと誘う。
主演のカロリーネ役を務めたヴィク・カーメン・ソネは『ビッチ・ホリディ』で注目され、『ウィンター・ブラザーズ』『ゴッドランド/GODLAND』のフリーヌル・パルマソン監督のミューズとしても知られる実力派。助演は数々の映画賞に輝く名優トリーネ・デュアホルムが務め、2人の熱演は多くの評論家から絶賛されている。
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また特報は、粗末な部屋に横たわる人物のカットから始まり、白と黒の陰鬱な街路を映し出す。1人の女性が扉を開けると、煙を吐き出す煙突の風景、ソファの上で泣く赤ん坊、群衆、叫ぶマスクの男、バスタブの中で息を殺す女など、印象的な映像が続いていくが、どれも陰鬱で謎めいている。最後に画面は女性が「赤ん坊はどうした?」と誰かに聞かれるシーンに続き、回転するオルゴールの円盤の上に「その街では、よく人が消える」という不穏なコピーが浮かび上がる。
映画『ガール・ウィズ・ニードル』は、5月16日より全国公開。
※マグヌス・フォン・ホーン監督のコメント全文は以下の通り。
<コメント全文>
■マグヌス・フォン・ホーン監督
『ガール・ウィズ・ニードル』は大人のためのおとぎ話です。私は、はるか昔に起こった物語を語る際にこの手法を選びましたが、現代の私たちにとって非常に身近な問題、つまり貧困に陥り苦難を強いられる人々をどう描くかというテーマが含まれています。そしてまた、本作はデンマーク史上最も物議を醸した殺人事件を取り巻く実際の出来事にインスピレーションを得た作品です。時を超えて語られる国民的トラウマは、今日でも社会の恐怖に目をつぶることが何を意味するのかを私たちに思い起こさせてくれるでしょう。
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