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「京都では20社以上のお寺や神社で節分祭がおこなわれるんですが、吉田神社の節分祭はめちゃくちゃ楽しいですよ」と、生まれも育ちも京都の人から情報が。吉田神社は豆まきではなく、「くじつきの福豆」が売られていて特賞は車(!)なんだとか。また、約800もの露店がならび、「追儺式」という古式の神事がおこなわれます。盛りだくさんな節分前日祭を取材しました。
2025年は、2月1日からの3日間おこなわれた節分祭。節分前日祭の2月1日に吉田神社に到着すると、表参道には両側にぎっしりと露店がならび多くの人でにぎわっていました。露天は、本宮前や全国各地の神様を祀る大元宮前まで広い範囲にありいろいろなものが売られています。境内には料理や菓子の神様が祀られている社もあるため、「豆政」「聖護院八ツ橋総本店」「京つけもの大安」「松井酒造」などの京の老舗の露店が並ぶのも特徴です。
お参りをしてから、くじつきの福豆(@300円)を購入。長蛇の列でなかなか買えないのではないかと想像していましたが、境内のあちこちで売られているので意外とスムーズに購入できます。
くじつき福豆の「商品陳列所」には、景品がずらりと並んでいます。目玉はやはり車の「トヨタ ルーミー」。そのほか「三嶋亭本店4名お食事券・すき焼き用精肉」「空気清浄機」「魚沼産こしひかり5キロ」「清酒」「旅行券5万円」「55V型4K液晶テレビ」など豪華な景品が数多く用意されています。当選番号は、2月5日に京都新聞朝刊と吉田神社の公式サイトで発表されます。景品をながめながら、福がくることを祈りました(が、後日ハズレを確認しました)。
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追儺式の時間まで境内の露店をのぞいていると、法螺貝(ほらがい)の音と野太い「オォー!」の雄叫びが聞こえてきます。この日は、赤鬼、青鬼、黄鬼が境内で暴れているのです。鬼が子どもを見つけると寄っていって目の前で「オォー!」と叫びます。こん棒を持った鬼の迫力に、ほとんどの子が泣いたり逃げたりしていました。
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吉田神社は、西暦859年に平安京の守護神として創建されました。京の東北に位置し、京都の表鬼門を守る社です。この日おこなわれる「追儺式」は、平安朝の初期から毎年宮中で執行されていたものを伝承・継承したもので、「鬼やらい」とも呼ばれています。
暗くなった夕方6時ごろから追儺式が始まりました。追儺式は、災いをもたらす悪疫である鬼を追い払い、人々の幸福を願う行事です。遠くに鬼が暴れている声が聞こえるなか、松明を持った一行が到着。厳かに大祓などの神事がおこなわれ、いよいよ鬼が登場します。
最初に登場した赤鬼は怒り、青鬼は悲しみ、黄鬼は恐れや苦しみを全身で表現します。鬼を追い払うのは、矛と盾を持った黄金の四つ目の方相氏(ほうそうし)です。正義の味方の方相氏は、四つ目で人間には見えない悪を見渡す力を持っており、年に1度、追儺式の夜だけ現れます。幻想的な松明の灯のなか、方相氏に向かってこん棒を構える鬼たちが、方相氏に打たれてどんどん弱っていきます。
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最後に魔力を封じる力があるといわれる桃の木でつくられた弓で矢を放つと、疫鬼は退散していきます。桃弓で葦矢を放つのは、還暦を迎える京の老舗の代表が務めることになっていて、今年は明治6年創業のすき焼き店「三嶋亭」の五代目主人・三嶌太郎氏が務めました。
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追儺式の翌日の節分当日祭では、追儺式で追い払われた赤鬼・青鬼・黄鬼が心を入れ替え、良い鬼「福鬼」になって境内にやってくるというストーリーになっており、おもしろいですね。午後には参拝者が持参した古い神札やお守りなどを浄火する「火炉祭(かろさい)」もおこなわれます。
吉田神社の節分祭は教えてもらった通り、ご利益がありそうで、とても楽しめるお祭りでした。地元の人に人気のお祭りなので混雑は避けられませんが、来年はぜひ参拝してみては。
(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・太田 浩子)
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