新井大輝にまさかのトラブル。コバライネンもペナルティに泣くなか、勝田範彦が開幕戦ラリー三河湾2連覇

　3月1日から翌2日にかけて、愛知県蒲郡市を中心にJRC全日本ラリー選手権第1戦『ラリー三河湾2025』が開催され、LUCK with ROOKIE Racing RALLY Teamの勝田範彦／保井隆宏組（GRヤリス・ラリー2）が総合優勝。勝田は大会2連覇を飾った。
　2025年のオープニングラウンドは波乱の幕開けとなった。計7本のSS（スペシャルステージ）が設定された土曜の競技初日、前年のチャンピオン新井大輝（R2R×YAHAGI Skoda Fabia R5）がマシントラブルによって早々にストップ。SS1を終えた段階で、まさかのデイリタイアとなってしまう。
　そのオープニングステージでは、シュコダ・ファビアRSラリー2を新規投入してきた福永修（スミロン☆焼肉ふじ☆CTE555ファビア）がトップタイムを刻んでラリーリーダーとなりSS2までポジションを守ったが、続くSS3でベストタイムをマークした鎌田卓麻（Castrol TEIN DL SKODA）がトップの座を奪う。
　ミッドデイサービスを挟んで行われた午後の4本のステージでは、総合5番手に順位を落とした福永がSS4と一日の最後のSS7で最速に。ヘイキ・コバライネン（AICELLO速心DLヤリスRally2）が間のSS5とSS6で連続ベストをマークし、SS6終了時点で2番手から総合首位に浮上すると、トップでラリーを折り返した。
　しかし、元F1ドライバーのフィンランド人は視界不良のため多くのドライバーがミスコースを犯したSS7で同様のミスがあり、1分のタイムペナルティを受けて6番手に後退する。これにより鎌田が首位に繰り上がり、4.8秒差の2番手に勝田、トップから12秒遅れて奴田原文雄（ADVAN KTMS GRヤリスRally2）が続く初日のトップ3となった。
　明けた日曜もSS8からSS14まで、計7本のステージで争われた。レグ2のオープニング。ここではリヤデフのオイルリークから復帰した王者新井が2番手に9.6秒差をつける圧巻のタイムで復活をアピール。同時に2番手タイムを記録した勝田が、同ステージ4番手となった鎌田を逆転して総合トップに躍り出た。
　続くSS9で鎌田が20秒以上のタイムを失ったために後続との差が大きく開いた勝田は、最後まで順位を譲ることなく最後はSS14をステージベストで締めくくり、初開催となった昨季に続く大会連覇を決めた。
　2番手争いは奴田原と鎌田による一騎打ちになるかと思われたが、ペナルティで順位を落としていたコバライネンが猛チャージを仕掛ける。新井が午前の3SSでベストタイムを記録した後、午後のSS11とSS12で連続ステージベストを刻むと、鎌田と奴田原を一気にかわし2番手に。そのまま2位でフィニッシュしている。
　最後の表彰台はコバライネンから4.1秒おくれた奴田原が獲得。首位でレグ2に入った鎌田は最終的に4位。福永が総合のトップ5を締めくくった。JN-2〜JN-6の各クラスウイナーは以下のとおりだ。

■2025年JRC全日本ラリー選手権第1戦ラリー三河湾 順位結果



Pos.／Driver／Co-Driver／Team／Machine／Time
総合優勝／勝田範彦保井隆宏／LUCK with ROOKIE Racing RALLY TeamGR YARIS Rally2／54’42.1
総合2位／ヘイキ・コバライネン北川紗衣／Rally Team AICELLOAICELLO速心DLヤリスRally2／55’08.7
総合3位／奴田原文雄東駿吾／NUTAHARA Rally TeamADVAN KTMS GRヤリスRally2／55’12.8
JN-2優勝／山田啓介藤井俊樹／FIT-EASY RacingFIT-EASYソミック石川DLGRヤリス／58’14.9
JN-3優勝／山本悠太立久井和子／K-one Racing TeamSammyK-oneルブロスYHGR86／1h00’49.5
JN-4優勝／高橋悟志箕作裕子／高橋悟志ミツバWMDLマジカル冷機スイフト／1h01’02.9
JN-5優勝／小川剛山本祐也／小川剛itzzノアBRIDE DL ANヤリス／1h03’59.0
JN-X優勝／天野智之井上裕紀子／豊田自動織機RacingTeamTRT・DL・RA4 PHEV／1h03’57.1


※JN-Xは2024年シーズンまでのJN-6クラス　
全日本ラリーの次戦第2戦『ツール・ド・九州2025 in 唐津』は、佐賀県唐津市を拠点に4月11〜13日に開催される。

[オートスポーツweb 2025年03月05日]