
新年会の余韻が冷めやらぬ1月のある夜、会社員のAさんとBさんは楽しい時間をもう少し過ごそうと二次会をすることにしました。寒さで体が縮こまる中、二人は近くのコンビニでペットボトルのお茶を購入し、お茶を口にしながら目的地の居酒屋に到着します。この居酒屋の入り口に「飲食物の持ち込み禁止」という張り紙があったものの、ふたりは手元のお茶をほぼ飲み終わっていたため、特に気にせず入店します。
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店内は予想以上に混雑しており、テーブルに着いてからもなかなか店員が注文を取りに来る気配がありません。「早く注文取りに来てよ」と思いつつ、のどの渇きに耐えかねたAさんは持参したお茶の残りを飲み干してしまいました。
その時、ちょうど注文を聞きに来た店員がペットボトルに気づいてしまい、AさんとBさんは店員から注意を受けることになってしまいます。Aさんは慌てて店員に謝罪し、長時間待っていたことや、のどの渇きを訴えました。店員は長い時間ふたりを待たせてしまったことを認め、今回は特別に許可するものの、次回からは絶対にしないよう厳重に注意します。
AさんとBさんは、確かに店のルールを破ってしまったことを反省すべきであるものの、飲食店が外部からの持ち込みを禁止する法的根拠はあるのでしょうか。まこと法律事務所の北村真一さんに伺いました。
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ー飲食物の持ち込みを禁止する法律はあるのでしょうか
飲食店への飲食物の持ち込みや店内に持ち込んだ物の飲食について、直接的に禁止する法律はありません。あくまでも飲食店が独自で設けたルールに従い、持ち込みや持ち込んだ物の飲食を禁止しています。このケースでは「持ち込み禁止」の張り紙を見たうえで入店しているので、Aさんたちはルールを分かったうえで入店したことになります。その上でルールを破っているので、例え店側に非があったとしても注意は受け入れないといけないでしょう。
ールールに従わずに持ち込んだ場合、罰せられることはありますか
飲食店に飲食物を持ち込むことも、持ち込んだ物の飲食も直接的に禁止する法律が無いため、それだけでは罪にはなりません。
ただ何度も注意を受けているにもかかわらず、持ち込みを止めなければ退店させられる場合もあります。さらに退店に従わなければ、刑法第130条後段に規定されている不退去罪が成立する可能性があります。もし成立すれば、3年以下の懲役または10万円以下の罰金が科せられます。
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あくまでも店側のルールに従ってサービスを利用していると認識し、大事になる前に指示に従うことが重要です。
◆北村真一(きたむら・しんいち)弁護士 「きたべん」の愛称で大阪府茨木市で知らない人がいないといわれる大人気ローカル弁護士。猫探しからM&Aまで幅広く取り扱う。
(まいどなニュース特約・長澤 芳子)
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